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■“料亭テレワーク” はじまって1週間。実際どうなのか、代表の中嶋氏に聞いてみました
“大人の繁華街銀座に位置する料亭で、美味しいご飯を食べてテレワーク“
そんなサービスが実際にあります。新型コロナの影響で様々な業界で、テレワークを絡めたユニークなサービスが始まっています。今回は25歳の男性として私がそのサービスを実際に利用し、この記事を書いていきます。
料亭・瓢喜(ひょうき)にお伺いしました。私が”料亭”という言葉から連想するのは、「高級」「お店に入りにくい」さらには「インスタ用の写真を撮ろうとすると苦笑いされちゃう」など。若い人たちにとって敷居が高い場所ですが今回のサービスを利用すると、”2500円以上のランチを頼めば、最大7時間のテレワークが誰でも可能“になります。
▲外からは中が見えない店構え。普段はここをあける勇気がどうしてもありませんでした。
▲入店時にはアルコール消毒を行います。手荒れに悩む人のためにハンドクリームもありました。
▲接待などの用途で利用されることが多いそう。コンパクトながら、清潔感のある空間でした。
テレワークを始めるために、今回はランチの「厳選豚肉出汁しゃぶ 2500円(税抜き)」を注文しました。
▲出汁しゃぶのランチ。お肉は九州産の豚肉、お野菜は全国から産地に併せて調達。
ランチで2500円以上の注文をすれば、テレワークが可能とのことで、しゃぶしゃぶ以外にも「近江牛すき焼きランチ5000円(税込み)」や、様々な料理を楽しめる「仕出し弁当 瓢喜 紬 2500円(税込み) ※要予約」 などのメニューから選ぶことができます。
▲お肉は“紙鍋”でしゃぶしゃぶして調理します。
早速いただきます。
こちらのしゃぶしゃぶは、特製の出汁に薄切りのネギをたっぷり加え、それらを豚肉と一緒に頂きます。寒暖差が激しく体調を崩しやすいと一般的に言われているこの季節に、免疫力が高まるネギも食べられるのは非常にいいですね。豚肉の甘みとピリリと辛いネギのマッチングも食欲を刺激してくれます。ネギが大好きなので、お代わりが出来ることも嬉しかったです。
▲しゃぶしゃぶ後の鍋汁でおそばを頂けます。
▲お蕎麦はお代わり出来るため、ランチで2500円(税抜き)だと元をとろうと欲張ってお代わりしてしまいました。
▲〆のデザートは抹茶わらび餅。私はすぐに食べてしまいましたが、7時間滞在できるため後半戦のおやつにとって置くということも出来ます。
ごちそうさまでした。
▲仕事を始めるために準備中
私は銀座の"料亭”でテレワークをするのは、初めてだったため興味津々で事前にチェックしたいことをまとめておきました。 お店での暖色系の明かりでは書類が見にくいと感じた代表の実体験を基にスタンドライトが用意されています。
①電源は? ②WIFIの強さは? ③実際作業ははかどる? ④イスの座り心地は? ⑤飛び込み利用は可能? ⑥飲み物はどうなるのか? ⑦仕事の手を止める様な誘惑があるのか? ⑧子供は連れてくることが出来るのか? |
①電源は?
机回りに2つ電源口がありました。お店に用意されているスタンドライトを使用したい場合は、コンセントを1つ使う事になるため、実質使用できるのは1つだけでした。
②WIFIはどうか?
お店にはWIFIが準備されていて、入店時にパスワードなどを教えて頂けました。私はスマホをつないでみたのですが、インターネット検索を行う際には全く問題なかったです。また日テレNEWS24などの動画サイトも見ることが出来たため、今回の業務は支障なく作業できました。
③実際に作業ははかどるのか?
▲こちらの記事をまさに書いている瞬間、概ね好調です
自分で設問しておいてという感じですが、この項目はかなり属人的です。私見では個室でWIFIなどの環境が整った状態での作業となるため、集中しやすいと思います。またオフィスやカフェとは違った雰囲気の中で作業することで刺激はあると感じました。特に”銀座の料亭で仕事“という響きがかっこいいため、テンションが思いの外あがります。
ただ一点気になったこともありました。それは電話などで話しをしにくいということです。この現象は今回に限らず、様々なテレワークスペースでも起きると思います。しかしこの環境では、静寂が故に隣の方の一つ一つの物音や話し声が聞こえてきます。するとどうしても気になってしまいます。はっきりとは聞こえない話し声だからこそ意識をそがれてしまうのです。私の場合カフェやコワーキングスペースでは、雑音が多いため特定の電話が極めて気になることは少ないです。
④イスの座り心地はどうか?
意外と大切なのが長時間座ることになるイス。今回は4時間滞在したので、その様子を時間経過と共に記録してみました。
1時間経過 :食事中はイスの座り心地など気になりませんでした。
1時間半経過:自分の作業エリアをしっかりと準備し、いざデスクワークへ。座って気がついたのですが、鍋を加熱していた部分のIHがまだ暖かくPCを置くと熱膨張し、負荷がかかりそうだと思いました。
2時間経過 :姿勢のせいなのか、少し疲れてきました。座布団と組み合わせて使うタイプの木製座椅子が置かれ、足下は掘りごたつになっているのですが、これらは本来的には"食事"を楽しむために設計された配置なので、仕方ないことではあります。
3時間経過 :タイピングのために机に向かうと上手く背もたれを使う事が出来ず、腰がこってきました。ここまで来ると"特殊な空間で作業している"という高揚状態はほぼ収まっているため、疲れたなと感じました。
4時間経過:3時間経過時の腰の違和感はありましたが、それ以上大きくなることはありませんでした。
結果:本来は食事を楽しむための設備ですのでやはり長時間同じ体勢で座って作業するなどは最適環境とは言えません。ただ、料亭でランチを食べ7時間作業できることによるお得感と精神的高揚は確かにありました。
⑤飛び込み利用は可能なのか?
テレワークを行う際には予約は不要とのことでした。席が空いている場合銀座 瓢喜では、ランチで2500円以上の食事を頼めばテレワークのサービスを受けることが出来ます。ランチをした後に気の向くままにテレワークを出来るのは魅力的です。
⑥飲み物はどうなるのか?
▲ポットで京番茶を頂けます。タイミングはデザートに合わせて。
飲み物はランチコースの最後にポットで温かい京番茶を頂くことが出来ました。香りが本当に良くてついついお茶は飲み過ぎてしまいました。
⑦思わず手を止める誘惑があるのか?
畳がひかれているため、眠気が襲ってきた際に横になってしまうリスクや、料理と合わせてアルコールを飲みたくなるリスクなどは潜んでいました。
▲”ランチビール”という言葉はどうしてこんなに魅力的なんでしょうか…。
⑧子供は連れてくることが出来るのか?
普段は平日夜など子供を連れての入店を遠慮しているそうです。しかし現在は全ての時間帯で子供も入店可能になっていて、特に京都の店舗ではお子様連れのお客さんに多くご利用頂いているとのことでした。
■“料亭テレワーク” はじまって1週間。実際どうなのか、代表の中嶋氏に聞いてみました
▲株式会社mihaku代表取締役社長 中嶋 一生さん
Q. はじまって1週間、利用されたお客様はどのくらいですか?
中嶋さん:こちらの銀座本店では15件ほどと聞いております。
Q. どのような想いで”料亭テレワーク”の試みを始めましたか?
中嶋さん:「今、私たちがお客様に出来ることは何か」を話し合いました。こういう時期だからこそ出来ることを考えお客様に喜んでもらえることを常識を取っ払ってしようと思ったのがきっかけです。 一部のスタッフからはお客様の回転率(効率)が悪いから辞めた方がいいのではないかという意見も初めは出てきましたが、「今できることをやりたい」という想いを伝えた結果、現在は全員同じ想いで取り組んでおります。
Q. 客入りは前年比4割程度とのことでしたが、お客の裾野は広がりましたか?
今までいらっしゃっていなかったような、若い年齢層の方もいらっしゃるようになりました。接待や宴会だとスーツを着用している方が多いのですが、テレワークのサービスでは様々な服装の方がいらっしゃっていただくようにもなりました。カジュアルな服装の方など様々な方にご利用頂いております。 またコロナで厳しいですが応援して下さる常連の皆様の声がありがたいです。
■ライターまとめ
中嶋さんから聞いたお話の中で特に「この機会に自分たちが考えていなかった課題に改めて向き合って、挑戦しています」というお言葉が印象的でした。新型コロナにより様々な想い出や行事に参加する機会が減っていますが、自粛要請などを守りつつも「今できること」を改めて考えていくことが必要なのかもしれません。
ライター:報道局サイバー戦略部 深津功
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