【目次】
■そもそも「ロックダウン」とは?
■アメリカの場合
■イギリスの場合
■フランスの場合
■イタリアの場合
■他のアジア諸国の場合
■私たちにできること
※この記事は4月1日時点の情報をもとに書かれています。
■そもそも「ロックダウン」とは?
小池都知事が会見で口にする「ロックダウン」や「都市封鎖」という言葉が、注目を集めています。政府の専門家会議によると、ロックダウンとは「一定期間の不要不急の外出の自粛や移動の制限」がかかること。つまり「外出禁止」が命令として出ている状態を指します。
現在、都市封鎖が行われているのはイギリス、イタリア、フランス、スペインといった国々。各国でさまざまな行動制限が行われています。実際にロックダウンの措置が取られると、私たちの暮らしにはどのような変化が起きるのでしょうか?各国の動きをまとめました。
(参考:「緊急事態宣言」が出たらどうなる?)
【各国別 ロックダウンで制限されること されないこと】
■アメリカ
50州すべてで感染者が確認されているアメリカ。行動の制限も州によって異なります。
国内で感染者が最も多いニューヨークでは、人の集まりについて原則「家族以外と会わない、集まらない」という「要請」が州知事から出されました。市内4か所では、車道を通行止めにして歩行者へ開放し、市民が一定の距離を保ちつつ出かけることができるようにしています。
スポーツクラブや映画館、ミュージカルシアターなど、あらゆる劇場やコンサート会場、ボーリング場などは閉鎖。一方で公園は開いているため、周囲の人と近づかなければ、個人的に利用することが可能となっています。また、生活必需品を売る店や薬局、医療機関、メディアなど、テレワークが難しい職種以外は「在宅勤務100%」が要請されており、違反した事業者には罰金が科されます。
首都ワシントンでは住民に対し、食料など生活必需品の購入や通院など、必要不可欠な場合を除いて、原則的に外出を禁じる「命令」が出されました。違反した場合には最大5000ドル、日本円でおよそ54万円の罰金に加え、90日未満の禁錮を命じられる可能性があります。
また、隣接するメリーランド州とバージニア州、カリフォルニア州でも同様に、住民の外出を原則的に禁じる命令が出されました。
さらに詳しい話を、ロサンゼルス在住で弁護士の吉田大さんにききました。
州知事令で、例外も細かく示したうえで全住民に行動制限を指示しているということです。
たとえば、営業が許可されているビジネスは、
ガソリンスタンド、薬局、食料品店、銀行、コインランドリーなど。
逆に、営業が許可されていないビジネスは、
飲食店、バーとナイトクラブ、エンターテインメント会場、ジムとフィットネススタジオなど。
このように明確に細かくリスト化されています。
■イギリス
ロンドンでは食料品の買い出しや通院、必要不可欠な場合の通勤などを除き、外出は禁止に。1日1度、運動のための外出は許されていますが、友人や同居していない家族と会うことは禁止され、措置に従わないと罰金が科される場合もあるということです。
それにともない、生活に不可欠な品物以外を扱う店や図書館、教会なども閉鎖。ロンドンの地下鉄は、複数の路線が運休となっています。
■フランス
フランスでは、カフェやレストラン、劇場などを全て閉鎖。通勤や生活必需品の購入などを除き、特別理由のない外出が禁止され、外出の際には自分で書き込む「外出許可証(=証明書)」の携帯が必要とされます。違反者には罰金が科されます。
また、5月に予定されていたカンヌ国際映画祭は延期が決定。6月末から7月初めへの変更が検討されていて、主催者側は「新型コロナウイルスと戦う全ての人々との連帯を表明する」と表明しています。
■イタリア
新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからないイタリアでは、仕事や病気などの場合以外は自宅に留まることが求められ、外出時には「外出証明書」の携帯が必要です。
軍隊や警察による検問や違反者の取り締まりも実施しており、正当な理由なしに外出した場合は罰金が科せられます。当初の金額は日本円でおよそ2万4000円でしたが、感染に歯止めがかからなかったことから、現在は最大約35万円と大幅に引き上げられました。
■アジア諸国
人口およそ13億人を抱えるインドでは、モディ首相が21日間、全土を封鎖することを発表しました。国民は緊急時をのぞき、外出を控えるよう義務化されます。
フィリピンでは、政府が首都マニラのあるルソン島全域で、住民の移動を制限すると発表。また、タイでは、政府が70歳以上の高齢者や5歳未満の子ども、健康に問題がある人には不要不急の外出を控えるよう要請したほか、食料品や医療用品を買い占めた場合は逮捕することなどを表明しています。マレーシアでは、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため活動制限令が出されていて、市民は食料の買い出しや病院など必要不可欠な場合を除き外出を控えるよう要請されています。
そんな中でマレーシアで27日、ジョギングをしていたとして日本人4人を含む11人が警察に一時、拘束される事態もありました。
■私たちにできること
全国で増え続ける、新型コロナウイルスの感染者。
そんな中でいま私たちがやるべきことは、とにかく「集団感染しやすい3条件」を避けることです。
小池都知事も緊急会見で、「3つの『密』を避けて行動を」と都民に呼びかけました。
3つの『密』とは、
・換気の悪い密閉空間
・多くの人が密集する場所
・近距離での密接した会話
を指します。
新型コロナウイルスをこれ以上拡散させないため、私たち1人1人が、正しい情報をもとに感染予防を心がけていくことが大切です。
(参考:【専門家会議】集団感染の3つの共通条件 予測して避ける行動を!)
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