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WHO上級顧問に聞いた②「長期間の戦いに ロックダウンは複数回に分ける可能性も」

WHO上級顧問に聞いた「長期間の戦いに ロックダウンは複数回に分ける可能性も」

【目次】 

1)感染爆発がいつ起こるかという状況 

2)集団免疫までには数年も 

 

英国にて WHO事務局長上級顧問を務める渋谷健司氏(以降A)に、感染が広がる欧州からみた新型コロナウイルスと今後の見通しを聞きました。 

取材:NNNロンドン支局・古谷記者(以下Q) 

WHO上級顧問に聞いた 感染爆発いつ起こるかという状況

1)感染爆発がいつ起こるかという状況 

Q ヨーロッパに比べ日本は最初の感染者が見つかるのは早かったですが、低い増加率をキープしてこれました。 このあと急激に増えることもあるのでしょうか?    

A 日本の感染者が少ない理由は、現場の方々がクラスター対策ということで一つ一つ丁寧に感染者を見つけて、そして接触性をトレースして隔離していくということで地道にやってきたことが功を奏しているということがまず1つ言えます。 

もう一つは他の国に比べて検査の数は圧倒的に少ないので、実際は感染しているのに見つかっていないという可能性も非常にあると思います。 

今まではクラスターに対して非常にうまくやっていましたが、今は接触者を追えていないケースも増えてきていますし、これが連鎖すると一気に、日本ではオーバーシュートと言われていますが、いわゆる感染爆発がいつ起こるかという状況だと思います。   

むしろ僕が伺っている限りでは、日本では比較的まだ街には人が多いですし、時期的にもいろんな人と接触する機会も多い、そういうのは本当に気をつけなければいけないと思います。 

 

Q ヨーロッパから見ていると日本は少し油断している印象ですか?    

A 例えば記者会見を見ていますと、こちらはすでに全てオンラインですよね。  

だから感染のリスクを高める3つの条件がそろうような状況で日本の記者会見というのは非常に危ないなという印象があります。 

(3つの条件:閉鎖された空間、多くの人が密集、近い距離での飲食・会話) 

関連:感染拡大予防 気をつけるべき3つのリスク 最近よく聞く「クラスター」って何?

 

WHO上級顧問の渋谷健司氏

2)集団免疫までには数年も 

Q 都市封鎖(ロックダウン)などは決して大げさな対応でないということですか? 

A 欧州各国、イギリスを含めて社会的隔離と都市封鎖(ロックダウン)ということもやっているのは、まさに感染を遅らせるということです。爆発的な感染はなるべく防ぎピークを先延ばしにして、感染者の急激な増加をなるべく防いで医療機関がパンクするのを防ごうというのが目的です。 

(日本でも)社会的隔離、それから必要であれば都市封鎖的なことも十分考えなければいけないと思います。  

 

Q 都市封鎖などが始まればしばらく続くと考えたほうがよいのでしょうか?   

A イギリスではこれから夏くらいまでに感染のピークをむかえるのではないかと予測しています。 ですから、都市封鎖をして、できるだけピークを遅らせることによって急速な患者の増加を防ぐということを行っています。 

ピークはこれから数カ月以内だと思いますが、だんだん収束して、そして集団免疫がつくというのは数年かかると思います。  

あとはそれとどう付き合うかです。その中でどういうふうに生活を立て直して、どういうふうにウイルスと付き合いながら社会・経済を維持していくかということだと思います。 

 

Q 長期間こういう生活が続くということですね… 

A 都市封鎖はそんなに長く続けられないので、数週間程度行って、1度リフトして(切れ目を作って)、また行うということだと思います。 6か月都市封鎖が続いたら社会が成り立たないと思いますから。  

ただリフトした段階でまた広がるというリスクもあるので徐々にどうしていくかということだと思います。  

  

Q 封鎖を解除してまた増えだしたら、また引き締めるということですね  

A ただそれにみんな疲れてしまうので何回繰り返せるかということだとます。 

 

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