2020年4月18日公開
「今日はちょっとレアバージョンで沖縄の手遊び!」「♪シーヤープー(ほっぺ)、ミーミンメー(耳)」――。生まれつき視覚に障害があるソングライタープロデューサーのShusuiさん(44)。緩やかなテンポで三線を奏でながら、沖縄流の子どもをあやす手遊び歌を歌います。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、学校の休校や外出自粛が続くなか、「こんな時だからこそ、少しでも子どもたちに音楽で気晴らししてほしい」と「育音Iku on YouTubeチャンネル」を開設しました。
「こんな時だからこそ、1日1回、歌うでも踊るでもいい。自分の楽しみを見つけてほしい」
『青春アミーゴ』(修二と彰)など、数々のヒット曲を手がけてきたShusuiさんは、生まれつき視力が弱くメガネでも矯正できない「弱視」です。3姉妹の父親でもあるShusuiさんの大切なライフワークのひとつが、育児と音楽を組み合わせた「育音プロジェクト」。CD付きの絵本「アフリカゾウのなみだ」をリリースしたほか、4年前から全国の特別支援学校や障害者施設などを訪問し、音楽を通して子供たちに笑顔を届ける「触れ合いライブ」を実施してきました。
障害があっても幸せな人生が得られることを伝えたいという思いからでした。訪問先では、「Shuちゃん」と親しまれ、子どもたちに混ざって音楽を楽しんできました。
取材で「必ずみんな意味があってこの世に命が誕生していると僕は信じている。好きなもの、好きな人に出会うことがすこぐ重要で、それをみんなに育音の活動を通じて伝えていきたい」と語っていました。
しかし、新型コロナウイルスの感染が拡大するなか、春から予定していた「触れ合いライブ」は全て延期。それでも、「ネットで発信できる便利な時代。みんなが受け取ってくれて家でちょっとでも気晴らしになればいい」と音楽の力を信じて、「育音 Iku on YouTubeチャンネル」を始めたといいます。最初に配信した「沖縄の手遊び歌」は3月に訪問する予定だった沖縄の福祉事業所で、みんなで歌って楽しもうと準備していたもの。
https://www.youtube.com/watch?v=B0iiqMPOl7I&t=29s (「育音Iku on YouTubeチャンネル」URL)
配信すると、いつも訪問している施設の子どもたちからうれしい反応がありました。
「お母さんがスマホとかパソコンでYouTubeを見せると、(子どもたちが)『あ、Shuちゃんだ』『会えた、会えた』って喜んでいる、と。そういうレスポンスがあると、やっている意味があるのかなって。」
今後は、水曜日と土曜日の週2回をめどに配信する予定。絵本の読み聞かせや、「象の楽園」などのオリジナル曲など、家で過ごす子どもたちが楽しく元気になれる動画を届けていきたいということです。
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