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「お風呂の音は人をなごませる力がある」――コロナ自粛で人気のオンライン銭湯

2020年4月14日配信

SNSで話題のオンライン銭湯とは?

■SNSで話題のオンライン銭湯 

新型コロナウイルスによる外出自粛が続くなかネット上で大浴場を疑似体験できる「オンライン銭湯」が話題になっています。さまざまな湯船を撮影した映像がSNS上に続々と掲載され、いまでは50以上の銭湯や温泉の映像を見ることができます。

そのきっかけとなったのは塩谷歩波(えんやほなみ・29歳)さんが投稿した銭湯「小杉湯」(東京・杉並区)の映像。

塩谷さんは番頭などで「小杉湯」の運営に関わっていて「外出を控えている方に向けて、銭湯の様子を届けることが出来ると思ったのがきっかけです」 と話します。

 

■動画再生数は100万回を超える 

こんな時期だからこそと自分が働く「小杉湯」の映像をSNSに投稿した塩谷さん。わずか数日で再生数は100万回を超えました。予想以上の反響にびっくりしているといます。
気持ちを和ませてくれる風呂の映像
(気持ちを和ませてくれる風呂の映像、数日で100万回再生)

さらに全国の銭湯経営者に映像投稿を呼びかけるコメントをしました。

“本当はあの銭湯に行きたい…!!と思ってる方も多いはず。そこで、各銭湯経営者さん「#オンライン銭湯 」として湯船を投稿するのはいかがでしょう…??” 

すると、これに賛同した銭湯や温泉の施設が投稿を始め、さらには一般の人も自宅の湯船の映像を投稿するなどして「#オンライン銭湯」は盛り上がりを見せています。

塩谷さんはこう話します。 

「いま皆さん家にいて不安な状況が続いていると思う。お風呂の音は心底人をなごませる力がある。いろいろな人が良いなと思い、拡散してくれたんだと思います」 

 

■「小杉湯」のコロナ対策 

「小杉湯」のコロナ対策 除菌用スプレーを数か所に設置
(除菌用スプレーは店舗の入り口だけでなく脱衣所など数か所に配置)

小杉湯では客数は4割減。どの銭湯も減っているといいます。先の見えない状況の中で小杉湯では、普段開けない窓を開け扇風機を使って換気を良くし、除菌用スプレーを各所に設置するなど、今できるだけの対策を講じています。

「銭湯は生活インフラ。家にお風呂がないかたや1人でお風呂に入るのが危ない方も来ます。皆さんに安心安全に銭湯を利用してもらえるように工夫しています」 

脱衣所にはコロナに関する情報を掲示。ネットを見ないお年寄りに情報を提供するためでもあると塩谷さんは言います。 

 

■銭湯文化を発信する塩谷さんと小杉湯

塩屋さんはイラストレーターとしても活躍しており、都内の銭湯をイラスト化した書籍「銭湯図解」(中央公論新社)を上梓しています。 
イラストレーターとしても活躍する塩谷歩波さん
(イラストレーターとしても活躍する塩谷さん)

都内を中心に24軒の銭湯を詳細なイラストにして紹介し話題を集めました。 

さまざまな形で銭湯文化を発信する、そんな塩谷さんの投稿だからこそここまで注目を集めたのかもしれません 。

小杉湯は昭和8年創業の老舗銭湯。中央線の高円寺駅から商店街を通って徒歩5分ほどのところに店を構え、ミルク風呂、週替り風呂、日替り風呂、水風呂と数種類のお風呂が楽しめます。 

高円寺の「小杉湯」では4種類の風呂が楽しめる

(4種類の風呂が楽しめる高円寺の「小杉湯」)

この日の日替わり風呂は、「エプソムソルト」。水に溶けやすいマグネシウムの結晶で、欧米では入浴剤として広く知られています。 週替わり風呂は、「道南杉」。北海道の道南エリアの杉をチップにして入れています。また、熱い湯と水風呂の交互に入る“交互浴”が小杉湯ではポピュラーな入浴方法。 掲載した映像も両方の湯船の様子を交互に編集し、「オンライン交互浴」をイメージしたといいます。

 

■コロナの自粛のなか注目されたオンライン銭湯 

オンライン銭湯だけでなく、「オンライン花見」、「オンラインサウナ」など外出せずに楽しむための取り組みがいままで以上に広がりを見せています。

オンライン銭湯のおすすめの楽しみ方を塩谷さんに聞くと、こんな答えが返ってきました。 

「お風呂のはしにジップロックなどで防水したスマホを置き銭湯気分を味わうあじわうのもいいし、お湯の音は集中しやすいのでリモートワークの時にBGMとして使っていただくのも良いかなと思います」 

風呂の映像と音声でバーチャル銭湯を楽しむ
(風呂の映像と音声でバーチャル銭湯を楽しむ)

「これをきっかけに事態が収束した後、銭湯に来てくれる人が増えたら私はそれが一番嬉しい」。塩谷さんはそう期待を込めてコメントしました。 

 

 

 

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