2020年5月1日公開
新型コロナウイルスの感染拡大に、地方の医療現場も危機感を強めています。医療体制がぜい弱だとして、ゴールデンウイーク中の訪問を控えてほしいと訴えていた沖縄県の医療を取材しました(※4月30日時点の情報に基づく)。
■観光客の姿も
4月30日、石垣島では観光客の姿はほとんどみられず、離島へのフェリーを利用するのも地元の人ばかり。しかし、 フェリー乗り場で働く男性に話を聞くと。
男性「2人たぶん観光客が乗っていますね。波照間行きですね」
多くはないものの観光客も来ているようです。
30日、沖縄県の玉城知事は会見で次のように話しています。
知事「大変多くの方々が来沖の自粛にも協力していただいています。このことについて本当に、心から感謝を申し上げます」
一方で、沖縄県は新型コロナウイルスの感染者を新たに1人確認したと発表しました。東京在住の50代の男性会社員で、仕事で沖縄に来ていたということです。これで、沖縄の感染者は142人となりました。
■沖縄の医療の現状は?
沖縄の医療の現状はどうなのか。横浜のクルーズ船でも診療にあたった、沖縄県立中部病院感染症内科の高山義浩医師に聞きました。
高山医師「(患者数は)今は徐々に減ってきていまして、昨日は0を確認するところまではきています。まだ気を許すわけにはいきませんし、病院自体はまだまだピークを越えたという感じではなく、みんなで力を合わせて患者を支えているところです」
そして、心配されるのが離島への観光客の訪問だといいます。
高山医師 「小規模離島が沖縄にはたくさんありまして、そこにはベッドそのものがない島ばかりですから、人工呼吸器のない島ばかりですので、その場合は用手的換気といって島の診療所の医者がずっと手で揉みながら人工呼吸、呼吸管理を助けることにもなりかねません」
そうした離島の現状を、竹富島にある竹富診療所の医師・寺内貴廣所長が語ってくれました。
寺内所長「医師1人、看護士1人、医療事務1人の3人体制で、医療資源もやはり十分ではないです。竹富島には入院施設はないので、ベッド数は0ってことになるんです」
島で新型コロナウイルスの感染者が出た場合、石垣島に搬送するしかなく、その際には保健所と島にいる人たちで一緒に搬送することが、今決まっている搬送の状況だといいます。搬送を手伝うボランティアの島民にも感染のリスクがあるというのです。
寺内所長「その島の人たちも、おじいおばあと一緒に生活している方々なので、リスクが高くなってしまうというのを私たちは一番恐れています」
沖縄県知事や医療関係者は、引き続き沖縄訪問の自粛を呼びかけています。
※2020年4月30日放送『 news zero』より
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