2020年5月7日公開
東京都内で一緒に暮らす2人の女性、同性のカップルです。彼女たちが抱える新型コロナウイルスに対する不安を語ってくれました。
■医療機関で家族として扱われないのでは・・・
取材に応じてくれた女性とそのパートナーの女性(以下Aさん、Bさん)。
Aさん「つきあって20年以上経ちますね。もともと20代で知り合って付き合うようになってから、一緒に暮らして10年位になる同性のパートナーです」
感染して医療機関にかかった場合、“家族”として扱ってもらえるか不安だといいます。
Aさん「不安な状況、例えば連絡がこないんじゃないかとか、荼毘(だび)にふすことができないんじゃないか。コロナだと亡くなっても遺骨さえも手元に帰ってこないんじゃないかと」
同性同士のカップルの場合、どちらかが感染しても病院から家族と認められないおそれがあるといいます。
■望まないカミングアウトの懸念
さらに、2人は別の不安も感じていました。
Aさん「私は(自分が同性愛者だと明かした人は)大学時代の友人1人2人で、あともう会社・職場とかはもうゼロです。誰にも言ってないです」
家族や友人にさえ長年、明かしていないという2人の関係。
Bさん「一緒に暮らしている人が新型コロナに感染した場合に、濃厚接触者ということで自分が検査を受けた時に、自分が望んでいないところで、カミングアウトしていないのに、ばれるというか・・・自分との関係が、自分の意図してないところで表に出て行くことがあるんじゃないか、ということがすごく不安」
Aさん「どこまで(2人の関係を)言えるのか」「でも(社会の)安全を考えるとやっぱり言わなきゃいけないし」
MARRIAGE FOR ALL JAPANによる、LGBTQの当事者らおよそ230人へのアンケートでも「病院で家族として扱ってもらえるか不安」「望まない形でのカミングアウトにならないか」といった声が多く聞かれました。
異性同士の夫婦と同じように暮らしていても、ぬぐえない不安があると2人は話します。
Aさん「普段の事故とか災害が起きた時もまったくそうなんですけど、平和な時は忘れていることなんですけど、何かあるとやっぱり顕在化するというか、関係性がなんの保障もないなというのをすごく実感します」
Bさん「もしかしたら、国が認めてくれたら、パートナーの家族も、私の家族も、『こういう世の中なんだね』と『こういう人たちもいるんだね』と理解を示してくれて、助け合いがもっとできるんじゃないかと思います」
2020年5月6日放送 『news zero』より(※5月6日時点の情報に基づく)
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