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新型コロナの治療法 山中伸弥教授「iPS細胞で貢献できる」

2020年4月21日公開

※4月14日放送 『news zero』より

日本だけでなく世界中で新型コロナウイルスの治療法が待たれています。治療法やワクチンをめぐる現在の状況はどうなっているのか。京都大学iPS細胞研究所の山中伸弥教授と政府専門家会議の尾身茂副座長が緊急対談。news zeroの有働由美子キャスターが聞きました。

(関連:「みんなかなり疲弊している」治療の最前線に立つ忽那医師 3つの危機感

■ワクチンは1年くらいかかる

――治療薬とワクチンはいつできますか?

尾身氏
「まだはっきりわかりません。ただ、この1か月の間に色々な治療薬の候補、かなり激しく研究しています。アビガンやステロイドの吸入剤とか。これがある程度(効果の)結論が出るというのが一つありますね。ワクチンについては、できれば一番いいですけど、1年くらいかかります

山中氏
「例えばHIVの時にはいい治療薬ができましたが、アメリカの企業が特許料を高く設定してしまって、なかなか行き渡らないことがありました。今回はそういうことにならないよう、各企業が協力して1日も早く(治療薬・ワクチンを)作って、できるだけ廉価(安価)、誰にでも届く形で届けてほしいと思います。日本も国内で開発する努力は必死で続けるべきだと思います」

「感染して回復された方が日本全体で600人以上おられます。そういう方の血漿(けっしょう)、血液が重症の方の治療に使える可能性もありますから、感染して回復された方のネットワークを作っていくことが必要だと思います」

――血漿(けっしょう)からは何ができますか?

山中氏
「感染した方々の中には抗体というウイルスをやっつける免疫ができています。それを感染している方に輸血することで、ウイルスをやっつけてもらう。回復した方からの血漿を輸血するという方法は色々な感染症に有効だと言われています。回復した方の血液を利用する可能性もあり得るのではないかと思います

 

■iPS細胞で病気の状態に応じた研究に貢献

――iPS細胞でできることにはどういうことに取り組んでいる?

山中氏
「新型コロナウイルスに感染すると、肺や心臓の機能を落とすことがわかっています。感染して症状が出なかった人、軽症だった人、重症だった人など、病歴がわかっている人からiPS細胞を作って、肺とか心臓の細胞を作れますので、(感染者の)病気の状態に応じた研究ができる点で非常に貢献できるのではと期待しています」

「京都も緊急事態宣言が出されると、普通の研究はかなり制限されることになると思いますが、その中でも、コロナウイルスの研究はなんとしてでも続けていきたいと思っています」

※4月14日放送 『news zero』より

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