2020年4月21日公開
※4月15日放送 『news zero』より
世界各国に比べて感染者数を抑える要因となってきた日本のクラスター対策。その対策がいま破綻する危機にあるといいます。京都大学iPS細胞研究所の山中伸弥教授と政府専門家会議の尾身茂副座長が緊急対談。news zeroの有働由美子キャスターが聞きました。
■クラスター対策を復活させるには
――クラスターを抑えれば大丈夫とずっと聞いてきました。いまクラスターを抑えられている?
尾身氏
「いい質問ですね。今まで日本がここまで辛くも他の国に比べて死亡率も低く、患者数も少ない状況にあるのは、色々理由がありますけど、実はクラスター(対策)をやってきた(ことが大きい)。ところが今は患者数が増えてきてクラスター対策をやっている人たちが疲弊しちゃっているんですね」
「今の状況だとこのままいくとクラスター(対策)が簡単に言うと破綻する。(感染者に)色々聞いて、『あ、あそこのライブハウス』ということがわかる。共通のファクター(要因)を見つけるにはかなり激しい努力が必要。クラスターサーベイランスは今まで(感染拡大を)抑えてきた最大の理由の一つですから、これをもう1回復活させるにはどうしても一度(感染者数を)下げないと。いちいち接触者のフォローアップをするってものすごく大変なんです」
――調査に応じないという方もいて、なかなか(感染経路を)見つけにくい状況も聞いています。
山中氏
「緊急事態宣言の間は『言いにくいところには行かない』ことが、非常に大切だとは思います。常に他の人に言えるような行動を心がけるっていうのも、いま求められている行動かなと思います」
■地方は東京・大阪の経験生かして
山中氏
「あとは今、感染者数が非常に少ない地域がある。そこでぜひクラスター対策等を一生懸命やっていただいて、東京・大阪の経験を生かして、感染者の発生を極力抑える。日本国内の事例から学んでいただいて、油断せずに先手の対策をやっていただきたい。明日は我が身だと思うので」
――地方、感染拡大警戒地域ではないところのクラスター対策については?
尾身氏
「まだ(感染者が)少ないのでクラスター(対策)もやってもらうし、『3密』だったり、夜の街だったり。リスクが高いとわかっている場所はどの地域も(近づくのを)やめていただきたいということですよね」
※4月15日放送 『news zero』より