相続探偵・灰江七生(赤楚衛二)は、18年前に亡くなった育ての父・和宏(鈴木浩介)の無念を晴らすため、因縁の相手だったハゲタカことフリーの週刊誌記者・羽毛田香(三浦貴大)と手を組むことを決断。倒すべき相手は、灰江の実の父親で法曹界の重鎮・地鶏健吾(加藤雅也)……!
18年前、和宏が起こしたバス事故は突風にあおられたことによる不慮の事故だったが、大手新聞社が『居眠り運転か?』と書き立てたのをきっかけに、一気に世論が動き始め、裁判でも和宏の過失が認められてしまった。
父の汚名をそそぐために弁護士になった灰江は、科捜研にいた朝永(矢本悠馬)と出会い、バス事故を再検証。その結果、『居眠り運転はあり得ない』と確信するが、灰江の動きを知った地鶏にありもしない横領疑惑をでっち上げられ、灰江は弁護士会を追放されたのだった。
『居眠り運転』をマスコミにリークしたのも、裁判で和宏に責任を負わせるよう裁判官に圧力をかけたのも、すべて地鶏の仕業だと断ずる羽毛田。「一体何があるんや?おまえと地鶏の間に」と首をひねる羽毛田に、灰江は「地鶏健吾は、俺の実の父親だ」と正直に打ち明ける。灰江の母・深雪(大塚寧々)と地鶏は学生時代の恋人だったが、2人の破局の裏には、ある大物政治家の存在があり……。
「まずは地鶏の周辺から攻めていく」――地鶏の悪事を暴くため、灰江と羽毛田は、当時、バス事故の裁判を担当した元裁判官・煤田公明(水橋研二)を追及。地鶏の圧力があったことを認めさせようとするが、またしても地鶏に阻まれてしまう……。
一方その頃、福士(落合モトキ)の弁護士事務所に移籍した令子(桜田ひより)は、地鶏との危険な闘いから守るために自分を引き抜いてくれた福士に「灰江先生のことも、守ってあげてくれませんか?」と頭を下げていて――。
灰江の母・深雪と地鶏は学生時代の恋人だったが、地鶏は政治家の娘と結婚。その政治家は、後に総理大臣まで上り詰めた政界のドン・浅葉重盛(山田明郷)だった。地鶏は自らの出世と権力のために、灰江と深雪を捨てたのだ。深雪は実家に戻って一人で灰江を産み、灰江が3歳の時に和宏と結婚したのだった。
浅葉の後ろ盾を持つ地鶏の圧力によって、煤田の誤判を糾弾する記事をもみ消されてしまった灰江たち。次なる一手を考える中、がんに侵されている羽毛田が吐血……!心配する灰江と朝永に、「治療したら治る」と病状を隠す羽毛田は「ええもん見せたるわ。ワシのスクープっちゅうのは、これや」と、温めていた原稿を見せる。それは、浅葉の孫、浅葉台矢が薬物乱用パーティーに参加していたことを暴く大スクープ記事!一緒にパーティーに参加していた女性が変死し、台矢たちに逮捕状が出たが、嫌疑不十分で不起訴となっていた。同じ時期に、浅葉、地鶏、テレビ局社長・石多の3人が会食している現場をカメラに収めていた羽毛田は、3人がグルになって事件をうやむやにした可能性が高いと睨んでいるのだ。しかし、マスコミに流したところで、またもみ消させるのがオチ……。ならばと、羽毛田は週刊誌にボツにされた煤田の記事と、台矢の薬物乱用疑惑の記事をSNSに投稿。するとネットが徐々にザワつき始める。さらに、現場となった建物の防犯カメラ映像を朝永が解析した結果、被害者女性の死亡推定時刻に、建物から出て来る台矢の姿がはっきりと映っていた!「よっしゃ!」と腕をまくる羽毛田は、浅葉と地鶏によって台矢の事件がもみ消された可能性が高いことをSNSに書きまくる!すると、ついに灰江の父・和宏のバス事故にも世間の注目が集まり、当時の判決を疑問視する声が上がり始める……!
今まで決して開くことのなかった重い扉をこじあけた羽毛田の実力に灰江が感心していると、「ハイエナ、おまえが考えてること、当てたろか。国家賠償請求、やろ」と羽毛田。そう、灰江がやろうとしているのは、煤田の誤判の責任を国に取らせ、育ての父、和宏の汚名をそそぐこと――。しかしそれには、地鶏の圧力のせいで証拠をあえて見逃したという煤田本人の証言が必要。地鶏を恐れ、自宅にこもったきりの煤田が、果たして証言してくれるのか……?
一方、令子は、SNSのザワつきを見て、居ても立ってもいられなくなり、福士に退職願を出して灰江の事務所に戻って来る。朝永から強引にこれまでの経緯を聞いた令子は、“煤田の証言がとれない限り、国家賠償請求を起こしても勝ち目がない”と知ると、一人でバイクをかっ飛ばしてどこかへ向かう――。
そんな中、灰江のもとに地鶏から連絡が!呼び出された料亭で地鶏と対峙する灰江は「親父のバス事故の真相を明るみにし、親父の無念を晴らす。そして、あんたの悪事を暴露する」と宣戦布告。すると地鶏は「素晴らしい。やってごらん。ただ、その仲間たちが無事でいられるよう心配した方がいい」と脅しをかけてくる。地鶏が焦っている証拠だと確信した灰江は、“いよいよその時が来た”と覚悟を決め――。
令子が向かった先は、煤田の自宅だった……!令子は煤田を無理やり拘束すると、「私、覚悟してきたから、怖いものないの。煤田さんも覚悟してもらいます」と、自ら書いた『遺言書』を見せる。その『遺言書』を読んで絶句する煤田……!令子は「裁判で、真実を証言していただけますか?それをお約束いただけないなら、私は……今、ここで死にます」と宣言し、持っていたナイフを自分の喉元に突き当てる……!
その頃、灰江の事務所に、羽毛田からメールが届く。浅葉台矢事件の決定的な画像を手に入れるため、これからある場所へ向かうという。わざわざ詳細な住所まで記していることに違和感を覚えた灰江は、「嫌な予感がする」と、急いで指定の住所に向かうが、すでに羽毛田の姿はなく……。
夜道を急ぐ羽毛田を、怪しい男たちが尾行する……。尾行に気付いている羽毛田は、途中で郵便ポストに“手紙”を投函。そのまま人けのない場所に向かうと、ノートパソコンを開き、「一発逆転が狙えるかもしれんで」と何やら操作を始めるが……次の瞬間、背後から男たちに襲われる!!その頃、灰江の実家では、母・深雪が何かを決断したように、仏壇に隠していた古いノートと1通の『遺言書』を取り出していて……。
翌朝、事務所で一睡もせずに羽毛田の帰りを待つ灰江のもとに、一通の速達が届く。それは、羽毛田の遺言書――!
令子の遺言書、羽毛田の遺言書、そして深雪が持つ遺言書――。3つの遺言書が、灰江の命運を決める!次回、衝撃の最終回!!