第一話
2020年8月12日放送
花岡七桜花岡七桜(浜辺美波)は和菓子作りに情熱を注ぐ才能溢れる若き和菓子職人。ある日、贔屓の客で茶道の宗家の娘・真由(小島藤子)に頼まれた七桜は、結婚式の引き出物を決めるための和菓子対決を受けて欲しいと頼まれる。自分の御菓子を大勢の人に食べてもらえるチャンスに心踊る七桜だが、対決相手が創業400年の金沢の老舗和菓子屋“光月庵”だと聞き絶句。それは15年前、七桜から全てを奪った店だった…。
15年前―。和菓子職人だった母・大倉百合子百合子(中村ゆり)とともに光月庵に住み込むことになった幼い七桜は、光月庵の同い年の一人息子・高月椿と出会い、和菓子作りの面白さに目覚めていた。明るく人懐こい椿と優しい百合子と共に幸せな日々を過ごしていたある日、明け方の雷鳴に目を覚ました七桜は、母屋へ。椿が咲き乱れる庭の先で七桜が見たのは、血まみれで立ち尽くす椿と、その足元で息絶えている椿の父・高月樹樹(鈴木伸之)の姿だった。従業員たちが駆けつける中、椿は父親を殺したのは百合子だと証言する…!椿の一言で殺人犯の娘となり全てを失った七桜は、血の“赤”が怖いという致命的なハンデを抱えながらも、和菓子作りだけを心の支えに生きてきたのだった。
その光月庵が相手と知り、和菓子対決を辞退する七桜。そんな中、住み込みで働いていた店から突然解雇されてしまう。原因は、毎日店に届く『花岡七桜の母親は人殺しです』というメールだった。雨の中行き場を失った七桜は、見知らぬ男・多喜川薫多喜川(山崎育三郎)から母から預かっていたという手紙を渡される……。今は亡き母の思いを知った七桜は、長い黒髪をバッサリと切り落とし、光月庵との和菓子対決に臨む覚悟を決める。
和菓子対決当日。15年ぶりに顔を合わせた高月椿椿(横浜流星)の冷たく自信に満ちた姿を前に、思わず体を強張らせる七桜。椿が七桜の正体に気付かない中、七桜は“食べる人への想いを込める”気持ちで持ち直す。対決の御菓子のテーマは“桜”。七桜と椿、二つの才能が織りなす美しい和菓子対決の行方は…?
対決の後、七桜を待っていた椿。椿は“初対面”の七桜に、突然プロポーズして…!?七桜と椿、2人の波乱に満ちた運命が動きだす―――!
繊細な色彩と高い技術で表現された椿の御菓子と、幸せへの願いを込めた味わい深い七桜の御菓子、勝負は互角と思われたが、和菓子の世界で圧倒的な力を持つ老舗“光月庵”の看板の前に七桜は敗北を喫する。
しかし対決終了後、会場を後にした七桜は突然椿から「俺と結婚しない?」と声をかけられる。15年前、母親を殺人犯にした証言をする椿の記憶がフラッシュバックした七桜は、ある思いを胸に咄嗟に「しましょう、結婚」と答える。実は、多喜川から渡された母の手紙にはこう書かれていた―――『私は何もやってない』。椿は「本気なら3日後に光月庵に来るように」と七桜に告げる。
翌日、現在の光月庵の和菓子の味を確かめた七桜は、15年前母が作っていた頃の味から激変していることにショックを受ける。手紙に残された母の無念…事件の真実を見つけるため、約束の日、光月庵へ乗り込む七桜。しかし、見習い職人の城島裕介城島(高杉真宙)から、椿と老舗旅館の娘・長谷栞長谷栞(岸井ゆきの)が神前式を挙げている最中だと聞く。椿の不可解な行動に戸惑いながらも、覚悟を決めた七桜は椿の前へ。椿は参列者がざわめく中、七桜と結婚することを宣言!混乱の中、その場を収めた光月庵の女将で椿の母・高月今日子今日子(観月ありさ)は七桜と椿を別室へ。傾きかけている店の経営のため、椿と栞を政略結婚させようとする今日子は椿をいさめるが、七桜は世間には伏せられている15年前の事件の話を出し、引き下がらない。そこに、光月庵の高月宗寿郎大旦那・宗寿郎(佐野史郎)が現れる。大旦那は大広間に出向くと、式の中止を土下座で懇願。さらに、雨の庭に出た椿は結婚が店の支援を取り付けるためのものだったことを皆の前で話し、土下座で光月庵の立て直しを誓う!そんな椿に大旦那は激高し、3か月で店を立て直せなければ七桜とともに光月庵を去るように告げるのだった。
自らの手で再び光月庵を輝かせるため、七桜を利用して政略結婚を破談にした椿。椿との結婚を利用して光月庵に入り、事件の真相を突き止めようとしている七桜。2人を待ち受けていたのは、想像以上に過酷な日々だった…!