#006 10年後の職場
ソフトウエアを開発する会社に勤める中谷一郎さん(40)は、
妻・知穂さんと3人の子供たちの5人家族。
出社時間は朝9時だといいますが、なかなか家を出る気配がありません。
コーヒーを片手に向かったのは、自宅の2階。
パソコンに向かうと…。
○中谷さん
「今から出社します」
中谷さんが勤めるのは、社員全員がパソコン上の「仮想オフィス」で働く
「フルリモート勤務」の会社。
18都道府県に42人の社員がいて、それぞれのプロジェクトを進めています。
一体、どのように働いているのでしょうか?
○パソコン画面を通したやりとり
同 僚「みなさん、おはようございます。」
中谷さん「おはようございます。」
同 僚「今週のセキュリティミーティングを始めます。」
はじまったのはウェブ上での社内会議。
同じ画面を共有しながら進行するため、
通常の会議でホワイトボートを見るのと同じ環境です。
○中谷一郎さん(ソニックガーデン勤務)
「全然ひとりって感じはないです。
髪切ったなとか、ヒゲ伸びたなとか、
一緒にいるという感覚がでますね。
だから、ここはオフィスなんでしょうね。」
取引先との打ち合わせもウェブ上で。
会議室の準備がいらないため、スピーディに対応できるといいます。
この「フルリモート勤務」。
会社側にとっても、オフィスの家賃がかからない、
遠くに住む優秀な人材を確保できるなどのメリットが。
中谷さんは2年前まで、片道1時間かけて別の会社に通っていました。
○中谷さん
「場所と時間の制約が全くなくなったのが大きな違いですね。
どこで働いてもいつ働いてもいいし。」
お昼時になると、妻の知穂さんとゆっくりランチ。
趣味のランニングも、好きな時に。
別の日には、平日に行われた幼稚園の行事にも参加しました。
○妻・知穂さん
「(以前は)家とは違う子どもの姿を私から伝えていたのが、
生で一緒に見られる」
家族との時間を大切にできる「フルリモート勤務」ですが、
顔を合わせない会社で、社員のコミュニケーションはとれるのでしょうか?
その解決法が、定期的に開かれる「リモート飲み会」。
○パソコン画面を通したやりとり
中谷さん「実は僕もロードバイク持ってるんですけど」
同 僚「おぉー」
中谷さん「ウエアも持ってるんですけど」
同 僚「(漫画)『弱虫ペダル』の影響?」
飲み会で親睦を深めることで、
日々の業務でも円滑に助け合うことができるといいます。
近年拡大しているリモートワーク。
佐賀県では職員の6割ほどが、
業務の一部を自宅など県庁以外の場所で行っています。
NTTデータでは在宅勤務の人を支援するために、
自分そっくりのアバターで会議ができるシステムを開発中です。
10年後、会社に行かない働き方は主流になるのでしょうか?