新宿DASH ~真冬に奇跡の完熟バナナ作れるか!?~
新宿バナナ計画、357日間の全記録。真冬に奇跡の完熟バナナ作れるか!?
動き出したのは、ちょうど1年前の2024年3月。
岡山県のバナナ農家・田中さんから頂いた苗を1.2トンの土の中に。
記録的な猛暑によりぐんぐん生長。9月には…「蕾!これがバナナになる」
そこから黄色く甘く完熟するには、およそ120日。
10月上旬、蕾から10日目には約100本のバナナに!
さらにその後も、バナナはそりかえって、ふっくらとしだし…「ちょっと待ってバナナ!」
120日後の完熟へ順調な仕上がり。
今年1月下旬、蕾から119日目。
完熟の目安まであと1日の日にチェックすると…太一「あれ!?明日黄色くなるとは思えないよ」
すると、班長松田が気づいた。「葉っぱは黄色くなって…なんか傷んでる感じある」
葉が枯れ始め、バナナの実にも黒い斑点のようなものが…。
というのも、バナナは国産わずか0.1%で、残り99.9%がフィリピンやエクアドルなど南国産。
生育できる最低温度は10℃。そこで、手作りストーブにスタッフと交代で薪をくべ、その熱で、誰もいなくなった後もバナナを温めていた。
しかし、温度計の観測データを確認すると「8℃連日だ」「やばい」
今年冬、北日本を襲った最強寒波の影響で、東京にも強風が吹き、10℃以上を保つのが困難な状況。
寒さで実がなる親株が全滅してしまうこともあるバナナ。
これもその兆しなのか…?
苗を頂いたバナナ農家田中さんに、状況を報告すると…
「バナナが風邪をひくって言葉がある。おそらく寒さによる低温障害」
それは、マンゴーをはじめとする南国フルーツなどが寒さで実が変色する現象。
人間に例えると、風邪をひき寝込んでいる状態で、黄色く甘くなるための生長が滞ってしまう。
バナナの風邪を治すには「あげる水を人肌ぐらいに温める」
とにかくバナナを温めなくては、と、太一のアイデアでまず木の保温にも使われるコモ巻きを。
そこへ、今日が収穫目安と聞き、新メンバーオーディションの最中に駆けつけたのはtimelesz松島。
愛情を伝えるために大事な声掛けもしつつ、温めた水をあげていると…「1個だけ行ってみる?」と太一。
というのも、症状が重ければ、回復が遅れなかなか完熟しない。そこで経過観察を兼ねて味で確認。
見た目は小さなバナナだが、身は固く、匂いはきゅうり。
その味は…「うわ!渋い!」「口の水分、全部持っていかれる感じ」バナナの甘さには程遠く…。
果たしてバナナの風邪は治り、完熟するのか?
1か月後の2月中旬。「理想は黄色くなってる。黄色くなっていれば今日食べられる」という太一。
しかし、バナナの実の色は…「1個も色が変わってないね。前回と何も変わってない気がする」
見た目の変化は見られないが、苦味が少しでも減っていれば、寝込んでいた状態から回復している証。
「ちょっと苦味が減った」風邪から回復しだし、生長が進んでいる様子。
だが、実に栄養を送る要の葉は…「枯れちゃってきてる」
というのも、バナナは木のように見えるが、実は草の仲間で実がなる親株はおよそ1年で枯れてしまう。
栽培開始から334日目。つまり、寒さだけでなく、老化の影響も。
このままでは、およそ100本のバナナが完熟するどころか葉も枯れて、収穫できない最悪の結末も…。
そこで、班長松田の判断で、より生長の早い上の方を残し、バナナの実を間引くことに。
さらに、元気な葉により光が当たるよう、枯れた葉を取り除く。「1本でも完熟させたい。最悪1本でも」
一方、行き先の見えないバナナとは打って変わって、ハート池は完熟ラッシュ!
ハート池のほとりに、生き物たちの日陰を作ろうと植え続けているレモンはオレンジ色に!
「完熟したレモンかもね。酸味が少なくて、甘くなってるかも」
食べてみると「酸っぱいけどうまい!」「普通のレモンはここまで食べられない」
さらに完熟していたのが、水辺に生える日本の在来種・ガマ。
その穂にはおよそ30万個以上の種が詰まり、完熟するとわずかな刺激だけで綿毛のついた種があふれ出す。
このガマの種は細かい繊維質で燃えやすい特性が。
そこで、苗を植えてから334日。行き先の見えない、国産0.1%のバナナ栽培。
10℃以下にならないよう温めるためのストーブの着火剤に。
葉っぱが全て枯れてしまう前に、完熟し、黄色く甘くなるのか?
だが、352日目。まさかの事態が発生。夕方からみぞれ混じりの雪が降り、夜には、季節外れの本降りに。
マイナス1℃の寒さと、ハウスを覆う冷たい雪で、いくら火を焚いても10℃に届かず。
そこで、スタッフ筒井が「せめても」と、実を守るために厚手のビニールと、毛布で応急処置。
これで寒さを凌げなければ…悲願のメイドインジャパンは叶わない。
果たして!?
その3日後。太一と松島が毛布とビニールを剥がしていくと…
「色がついてる!」「黄色!熟してんじゃない!?」
待てども、待てども、青くて、硬くて、渋かったバナナが、あの厳しい寒さにも負けず、大都会新宿で育つこと、355日。ついに国産0.1%、奇跡のバナナに!
「めっちゃ黄色い!バナナですよ!」
「バナナが新宿でできるとなんか面白いね!ウソだろって感じ」としみじみ。
そして、皮をむいてその味を確かめる。「バーナナ!」「甘さもちょうどいい!」「めっちゃうまい!」
「バナナ、頑張ったねえ」と喜びをかみしめていると…「元太がいない!」
収穫を迎えたこの日、バナナ班長の松田はまさかの不在。
実は太一、松田に対し、「主演ドラマ入るよね?食べられる確率低いね」と予言していた。
それがまさかの、現実に。
「これは班長に食べてもらわないとダメだよね」と太一。
そこで、栽培開始から357日目。最高に甘~い完熟の証となる黒い斑点(シュガースポット)が出たバナナを松田の元へお届け。「そんなバナナ!黄色くなってるじゃん!」その味は…「めっちゃうまい!」
初めて1つの作物を任された松田。思いはひとしお。
「温度調整とか大変だったじゃないですか。ビニールハウスとか、たくさんの人のパワーもあって…」
457日間の新宿バナナ計画、これにて完熟!