新宿DASH ~二宮和也と奥多摩で大人の自由研究スペシャル~
DASH夏の恒例行事が今年も!元々は、虫が苦手な二宮に、少しでも自然の大切さを知ってもらう企画だったが、いつしか、夏の思い出をつくる大切なイベントに。「今年で7回目。あっという間ですよ」
さらに「あれから1年、ニノも会社つくったんでしょ?」
2023年11月、『株式会社オフィスにの』を設立した二宮に太一がプレゼントしたかったのが、「先輩として、やっぱり会社を立ち上げ、社用車がないってすごく心配になっちゃって。
今日はどうしてもプレゼントしたくなっちゃってさ。それで奥多摩に来たの」
外国人観光客からも絶大な人気で荒々しい巨石に囲まれた鳩ノ巣渓谷や、奥多摩湖など、大自然が広がる町で、どうやって社用車をプレゼントするのか?
太一と二宮が訪ねたのは、『森とあそび、木とくらす』をコンセプトに設立された「東京・森と市庭」の菅原和利さん。
奥多摩の木で、幼稚園の遊具や子ども用家具など、なんでも木で作ってしまう、森のプロフェッショナル!
太一がわざわざ、奥多摩にやってきたわけは…「自転車を作れないかなと…。」
太一も森のプロフェッショナルの菅原さんも作った事のない木の自転車。
二宮へのプレゼントのために木のスペシャリスト達が集結!
奥多摩の木を使い、オフォスにのの社用車、木だけで自転車作れるか?
早速森に入り、森の管理に必要不可欠な間伐について学ぶ二宮と太一。
間伐することで、太陽の光が森全体にいき渡り、草木が生え、生き物も住みやすい豊かな環境になるという。
まずは、自転車の材料となるヒノキ選び。今回は、1本のヒノキから1台の自転車を完成させる。
「これが一番太いんじゃない?」と二宮が選んだのは、森で一番太い木。
自転車の材料になるヒノキが決定。その重さは800㎏。二宮でもできる安全な間伐方法で木を切っていく。
それは、滑車とロープを使い、倒れる方向の反対側から引っ張る安全な方法だという。
まずは二宮が「受け口」と呼ばれる、木を倒す方向に入れる切り込みを。
反対側にも切り込みを入れたらワイヤーをつなぎ、倒れる方向とは反対側から引っ張る。
木を倒す役割は二宮が担当。棒を前後に引っ張るとワイヤーがどんどん引っ張られ木が倒れるという仕組み。
「だんだん重たくなってきた」「きたー!完璧」間伐したことで、森にも変化が。
わずか1本の木を切っただけで太陽の光が入り、森が明るくなった。
余分な枝を切り落とし、運びやすくしていると、「持ってごらん?ちょうどここの部分ハンドルにいいんじゃない?」と太一。
持ち運びやすいように180㎝に切り分けたが、それでもおよそ60㎏。「重てぇ」
運び終わると、早速、2人用のノコギリを使って自転車用のパーツを作っていく。
切った丸太を見て「いけんじゃないこれ?タイヤとして」と太一。
転がりをよくするために、皮を剥がしていく。「おーー気持ちいい!」
残りの皮も全部剥いだら、坂道で転がしてみることに。「ほとんど傷ついてない」「タイヤはこれで行けます」
丸太をそのままタイヤに、さらに太一が見つけた枝をハンドル、受け口を作る時に出た端材をサドルに。
木だけで作る自転車のイメージが見えてきたところで、ひと休み。
地元、奥多摩名産のニジマスをスモークした燻製・奥多摩スモーク。「これはうまいね!」
すると、作業場のすぐ近くで太一が準備していたのが…新宿の屋上で手塩にかけて育てたジャンボスイカ。
去年、岸が育て、長瀞の小川で冷やしている間に濁流に飲み込まれてしまったが、1ヶ月後、収穫し切ったはずのスイカの苗に季節外れの実が。
この奇跡の1個にかけて、タネをとり、太一が岸の無念を晴らすべく、リベンジしていた。
しかし、今年の夏は異常気象。連日の猛暑とゲリラ雷雨が続き、生長半ばで割れてしまった…。
残った最後の一つが、このスイカ!
作業場のスペースをお借りして、スイカ割りを!
二宮の棒はスイカにかすり、しっかり割れ目が!中を見てみると色が薄めの果肉。「いちじくみたいな」
気になるお味は…「あと一歩の味だね。甘くないわけではないけど」
ジャンボスイカのリベンジを誓い、腹ごしらえも終えたところで、自転車作り再開!
ここからは、子供の遊具や家具・住宅のリノベーション工事も行う、木工のスペシャリスト、田仲靖さん、さらに、これまで様々な空間を設計してきた一級建築士、丸谷晴道さんも参加。
今回はネジも使わず、全部木で作るため、チェーンなしの直接車輪を回す自転車を作る。
車輪の数が増えれば増えるほど、安定はするが、二宮が欲しいのは「やっぱ自転車なら二輪じゃないと」
二輪の方が全体の重さがかかるが、二輪にこだわる二宮のため、まずは、自転車のフレームとなる木を選ぶ。
太い丸太は座り心地はいいが、重くなってしまうため、細い丸太に。そこに、受け口を作った際の端材を。
フレームが決まったところで、タイヤ担当の二宮は木工職人の岩井さんと4分割のイメージでタイヤ作り。
板材に扇状の形を描いたら、曲線に沿ってカット。4枚並べてみると、きれいなタイヤ型に!
一方、太一は、ハンドルを支え、前輪タイヤをつなぐ極めて重要なパーツ「フロントフォーク」作りへ。
原木を製材歴30年の里方さんの手で、切断箇所を決めたら250本の刃が超高速回転する製材機で。
そして、ここからは機械ではなく職人たちの手で寸分の狂いもないよう、慎重に。
二宮が作ったタイヤと合わせると…「めっちゃいいじゃないですか」
すると、木材の削りカスを見た太一が…「あっ!これ集めてさ、袋に入れたらいいんじゃない?」
削りカスを寄せ集め、サドルのクッションに。
座ってみると…「いいんじゃない?もっと集めてギュウギュウにすればね」
続いては、フロントフォークと、前タイヤを繋ぐ軸を通すため、先端部分に長方形の隙間を作る。
チェーンソーだと一瞬で木が割れてしまう可能性があるため、人力で。「うわーむずっ!」
2時間前に切ったばかり。水分を多く含んでいるため、刃が入りづらい。
さらに切る角度にも一苦労だが、懸命にノコギリを動かし、木材を切っていく太一。
格闘すること、15分。なんとか完成。「いいんじゃないですか」
一方、二宮はタイヤにデザインを加えるため、ヒノキの皮を、タイヤの側面に木工用のホッチキスで留めていく。
そして、自ら間伐したヒノキの小枝を使って「ニノ」の文字も。
「タイヤできた!」
早速、二宮が作った車輪を後輪につけるが…職人「当たっちゃってるか」うまく軸が通らない。
今日間伐したばかりのヒノキを使っているため、まだ多くの水分を含んでいる上、複雑な木の節が邪魔で一本の軸が通らず…。専門家が出した決断は…「後ろのタイヤを二輪にして、三輪にする」
そうと決まれば、タイヤを増設。「ここで悲しいお知らせなのですが…金属の金物を使いたいと思います」
三輪車にするにはタイヤをつけるための横幅をとって安定感を出す必要があり、釘を使うことに。
「しょうがない。これはもう苦渋の選択っすよね」
そして、すべての部品を取り付けたら、奥多摩の森で間伐した1本のヒノキから、創作時間6時間、関わってくださった職人さん15人…ついに木だけで作った自転車が完成!「めっちゃかっこいい!」
早速、試乗すべく、「中野セントラルパーク」へ!
コースは、全長200m。スタートしてすぐ、難関のゆるい上り坂が続く。その次はお店とパラソルの間を通り抜けるメインストリート。お客さんの邪魔にならないよう、まっすぐ走り抜けられるのか!?
そして、二宮が自転車にまたがり、ゆっくり走り始めた!「いけてる!」
が…「あーーーーー!割れた」割れてしまったのは、本体と前輪をつなぐフロントフォーク。
自転車本体の重さ100㎏に加え、二宮の体重およそ60㎏の全荷重がかかり、支えきれなかった。
木材は奥多摩に置いてきてしまったので、ビスやロープなど、今できる応急処置を施す。
これがラストチャンス…
「最後みんなで押した方が思い出になると思う」という二宮の提案で神輿のように押して進むことに。
しかし…「くそーーーー!!!!」またも壊れてしまい、記録は18.6m!悔しい結果となってしまったが、「来年30周年!『鉄腕DASH』は諦めたことない!来年やろうぜ!!同じメンバーで!」とリベンジを誓った。