DASH ご当地PR課 ~タケコプター~
毎年発表される都道府県魅力度ランキングに去年波乱が!
7年連続最下位だった茨城県が一気に42位までランクアップ!その代わり、初の最下位になってしまったのが、栃木県!
まさかの結果に知事が会見を開く異例の事態に…。
そんな栃木と言えばいちごちゃん。栃木はいちごの生産量が53年連続日本一!
日本唯一のいちご専門の研究所を設立し、1粒556円にもなるいちご・スカイベリーの開発も。
城島と松岡が訪ねた栃木県庁には、階段やエレベーターの壁紙がいちご柄に。
そして、15階では、「とちの実」がモチーフの栃木県のマスコットキャラクター・とちまるくん、栃木県知事の福田知事がお出迎え。
栃木はいちごだけじゃない様々な魅力が!
満州に派遣されていた陸軍部隊が現地から製法を持ち帰ったとされるのが宇都宮餃子の始まり、老舗の人気店をはじめ餃子関連の店は市内に300軒以上!
中でもいま注目なのが、カフェバー型の餃子屋と言う異色の人気店『餃子といえば芭莉龍』。
一番人気の焼き餃子を頂くと「美味しいね!食べ応えある!」
とはいえ、餃子目当ての観光客は年間860万人以上。今さらPRしなくとも既に全国区!魅力は他にも。
「生乳の生産量が、北海道に次いで全国で2位。飼っている乳牛の数も全国で2位」と福田知事。
那須連山がもたらす豊かな水と冷涼な気候に恵まれ、酪農が発達し、様々な乳製品が!
中でも是非おすすめしたいというのが、『バターのいとこ』。
ミルクジャムをワッフル生地でサンドしたスイーツで、バターを作る際に残ってしまう無脂肪乳を美味しく有効活用しようと開発され、それが空前の大ヒット!ネット販売では驚異の5ヶ月待ち!
そして、福田知事が一押しする栃木の名産が、竹工芸。
栃木県大田原市からは竹工芸の人間国宝が2名認定されており、竹工芸の分野で人間国宝が1県から2人も認定されるのは史上初。
勝城蒼鳳氏の作品は栃木の自然をモチーフにしており、素材となる竹も全て栃木産。
県内には多くの竹工芸家を輩出しているのだが、その事実はあまり知られていない。
「竹をPRするのが一番いいんじゃないですかね。パッと浮かぶのはタケコプター」と城島。
城島にとって、空への挑戦は長年のテーマ。
11年前、竹ではなく桜の木を削って作ったタケコプターならぬ「シゲコプター」。
10ヶ月におよぶプロジェクトで見事飛ぶことに成功!しかし、高度はわずか21cm…。
その2年後は、ペットボトルロケット100本で空を目指したのだが、安全面が確保できず、飛んだのは城島人形。
さらに、その3年後には、強靭な越前和紙でパラシュートを作成。その時も安全を考慮した結果、空を飛んだのは城島人形。つまり未だ…「僕自身は飛んでない」
しかし、城島の言うタケコプターとは、竹トンボを頭に付けて空を飛ぶ未来の道具。とても現実的ではない。
すると松岡が「タケコプターをやりたいのであれば、モーターパラグライダーのプロペラを竹で作る」と提案。
モーターパラグライダーとは、プロペラつきのエンジンを背負い、大空を自由自在に飛び回れるスカイスポーツ。
そのプロペラ部分を栃木県の竹で作り、空を飛んで、栃木の竹、そして竹工芸の素晴らしさをPRしたい!
まずは、プロペラにふさわしい強靭な栃木の竹探し。城島と松岡がやって来たのは、若山農場。
お世話になる若山さんで3代目となる若山農場は、平地でたけのこ栽培を行っている。
24ヘクタール、東京ドーム5個分の面積を誇る農場内には、金明孟宗竹という竹が。
孟宗竹の突然変異種と言われ、地域によっては天然記念物に指定される希少な竹。
城島が「タケコプターを竹で作りたい」と言うと、若山さん曰く、竹はもってこいの素材だという。
繊維が一定方向の竹は、膨張や縮みが少なく変形しにくい素材で、昔から物差しといえば竹が使われてきた。
九州など暖かい地域に比べ大きく成長しない、栃木の竹はその分肉厚で強靭に育つと言われている。
目指すタケコプターに求められるのは強度!見分け方は、竹の節目。
節目が白いものはまだ1年未満と若くて柔らかく、黒っぽいものは5~8年で硬くて丈夫。
そしてもう1つのポイントが、節の間隔が短いものが硬い。
「これなんか最高」と選んだ竹を切り倒す。
この竹をモーターパラグライダーのプロペラに!
プロペラづくりにご協力頂くのは、竹を扱う「あとりえ あほうと」の現代美術家西村大喜さん。
まっすぐ伸びる竹も彼の手にかかれば、変幻自在にその姿を変える。
「なんでこんなに竹がクネクネ曲がる?」
竹を細かく切り分け、イメージを元に断面を貼り合わせ、削り出すことで、その形は自由自在。とは言え…
「プロペラ!?…作ったことないなあ……」と、西村さんも経験したことがない。
この前代未聞のプロジェクト、もう一人の協力者がトニ・マザレロさん。
モーターパラグライダーのプロペラ設計などを手がけてきた設計士。
モーターパラグライダーのプロペラには、昔から飛行機や船などに使用されるバーチという、硬く強度の高い木材を使うのが一般的だという。
そこまでの強度が必要な訳は、通常のパラグライダーが高台から飛び降り、風に乗って浮き上がるのに対して、モーターパラグライダーは、平地から飛び立つのでプロペラのパワーで体を浮かせる必要があるため。
その飛び立つためのパワーを生み出すのが、エンジンによる回転数。
「竹トンボは1分に300回転、プロペラは6,000回転を超える。力では5~600倍」
そんな回転に、栃木の竹は耐えることができるのか?
「なんで50過ぎた男が飛ぶためにそこまでやらなくちゃいけないんだ」と松岡。
すると城島は「そこに空があるからかなあ」とポツリ。
城島空への挑戦!はたして…
そして、いよいよ栃木の竹を使ったプロペラ作り。
縦に細くカットし、形を整えて寄せ集めて厚い竹の板を作り、それをプロペラの形に削っていく。
さらに、グラインダーで凹凸やカーブを削って平らな板にしていく。すると…
「この薄さにできたの!?竹で作れば良かったじゃん!名刺!」と松岡。
それは、福島県の杉の木で作った株式会社TOKIOの名刺のこと。その厚さは1.2㎝。
繊維が細い竹は、1mm以下まで薄くすることも可能だという。
削った竹3本を、特殊な接着剤を塗りガッチリ固定し、1枚にし、これを計3枚重ねる。
重ねる際できてしまう隙間には、カーボン繊維を挟んでしっかりと補強し、接着剤を塗り固定。
続けて、プロペラの形にする作業。型に合わせて一旦荒く削り、あとは実物を見ながら精度を上げていく。
同時に反対側のプロペラも仕上げる。さらにエンジンと接続する重要な中央の部分は、厚めに仕上げ。
最後に、全体のバランスを見ながら形を整えていく。
車のパーツや船の表面などに使われるガラス繊維でコーティングし、乾燥させればついに完成!
栃木の竹で作ったプロペラ!これで空を飛んで栃木の竹をPRできるか?
その舞台は、『那須ちふり湖カントリークラブ』の広大な敷地。
モーターパラグライダーのプロ・手塚英孝さんと山本直洋さんに協力頂き、竹のプロペラをエンジンに固定。すると、城島が気づいた。「これ、特別仕様じゃないですか」
プロペラを囲うガードにも、栃木の竹工芸による繊細な竹の装飾が。100年モノの竹も使用したまさに特別仕様!
重要なのはこの竹のプロペラがエンジンの回転数に耐えられるかどうか、さらに風。
「風速5~6m/秒あれば、走らなくても飛べる」
しかし、今の所、全くの無風。つまり「飛びたきゃ走れ!」
城島空への挑戦再び…栃木の竹を使ったプロペラで人は空を飛べるのか?
城島はフライングスーツとサングラス、ヘルメットを身につけ、モーターパラグライダーを背負い、スタンバイは完了!エンジンを回し、いざスタート!懸命に走る城島だが、一向に飛び立つ気配がない。
飛べなかった原因は、プロペラの重さ!強度を重視したため、通常のおよそ1.5倍に。
その重みで回転数に限界が生まれ、一緒に飛ぶ手塚さんの体重は持ち上げる事ができたのだが、城島の体重まで持ち上げることができなかった。
さらに、追い討ちをかける悪条件が無風。
間も無く夕暮れ。願いは一つ。「竹の羽で飛ぶところが見たい!」
結局、この手のロケでは念のため毎回用意している城島人形(体重12㎏)を代わりに乗せて再始動!
すると見事大空へ!「飛んだ飛んだ!タケコプターで人は空を飛べた!」「すごいよ、栃木県!」
人一人と人形を空へ飛ばした栃木の竹の強靭さ。
そこに匠の技術が加わり生まれる、日本最高峰の竹工芸を皆さんも是非その目で!
「もう栃木県が魅力度最下位とは言わせませんね!」