DASH海岸 ~ホンビノスガイ~
東京湾工業地帯の一角、9月の横浜DASH海岸。
東京大学時代、アサリの生態を研究し、自宅では、アサリに「アサちゃん」と「リーちゃん」という名前をつけて、ペットとして可愛がるほど貝好きの桝アナが、DASH海岸でやってみたかった事があるという。それが…
「足で潮干狩りしませんか?裸足で砂を掴むと感触がわかるんですよ!」
それは、「貝踏み」という江戸時代から続く伝統的な貝の探し方。
足は腕の約4倍の力があり、より深くにいる貝を掘り当てることができるという。
60年代に流行したツイストダンスを踊るように、脚を8の字に動かして…
今日の桝お目当ての貝は、愛と美の神の「ヴィーナス」に例えられ、色白でプリプリの身を持つ、今、東京湾で人気が急上昇している美味しくてボリューミーな高級貝。すると桝が…「何だこれ?
すごいサイズっ!」
「デカイ!なんだこの貝は!」と城島も驚くビッグサイズの貝が!この貝の正体は、ホンビノスガイ。
「昔の分類上の名前にビーナスという文字が入ってて、ビーナス…ビナス…ビノスになった」と桝アナ。
貝の美しさと身のプリプリさから、本当のビーナスの様だと日本人が名付けたとされる貝。
9年前、DASH海岸で見つけた時は、アサリと同じくらいの2cmほどのサイズだったが、今回見つけたのは、足の指では簡単に掴めないほどの大物!
「段々東京湾で存在感を出してきた貝で、いわば外国人タレントさん」と桝アナが言うように、このホンビノスガイの原産はアメリカ東海岸のボストンあたり。
地元では、クラムチャウダーといえばホンビノスガイを使うのが定番中の定番。
日本に来たきっかけは、大きなタンカーのバランスを取るために船内にためておくバラスト水に卵が混ざり、東京湾に流出したため。21年前に千葉幕張で発見されたのを皮切りに、東京湾で爆発的に増えている。
増え始めた当初は問題視されていたが、その美味しさから徐々に注目が集まり、今や千葉船橋では、専門に狙う漁師さんも!1㎏1500円で取引されるほど大人気に!
近年ますますその人気が上り、今年東京銀座には、ホンビノスガイ専門のレストランがオープン。
さらに、船橋漁港でクラムチャウダーフェスが開かれれば、3000人以上が訪れるほどの大盛況ぶり。
ついには、千葉県が公式にブランド貝に指定した!
そんな今注目の美味いやつが、横浜の工業地帯にはたくさん!
その後も続々と砂の中から姿を現すホンビノスガイ。
「これは是非…」「そりゃあそうでしょう!」と桝アナと木村さん。
「間引いた方がいいってことですよね」と城島。
という事で、まずはこの掘りたてのホンビノスガイを、塩水で洗う。貝と言えば砂抜きだが…
「中に砂を持たないので、すぐに食べられるのがホンビノスガイのいいところ」と木村さん。
一品目は、貝料理の王道の『浜焼き』。
貝の生態だけではなく、美味しい食べ方も研究してきた桝アナによれば、貝を焼いた時に最初に出て来る汁はほぼ海水なので気にしなくてもよく、その後に出て来る汁こそが、貝の旨味を持つエキスだという。
しかし貝を焼いていると、貝が開いた時に身が上の殻に付きひっくり返ってしまい、中の汁がこぼれる事がよくある…
そもそも、貝が開くのは、貝殻を閉じている貝柱が熱で離れるため。
そのため、桝アナによれば、1㎝くらい開いた時に貝をひっくり返すことで、剥がれかけていた貝柱が離れて身が下に付き、貝の旨味が詰まったエキスをこぼすこともなくなるという。
こうして、職人技ともいえる絶妙なタイミングでひっくり返し、パカッとキレイに開いたホンビノスガイ。
身の旨味が強いため、醤油は数滴で。
汁をキープしたまま、熱々のうちに頂く!
「噛んでも噛んでも旨味が溢れて来る!厚切りのサーロインステーキみたい」と桝アナ。
「凝縮された旨味と醤油の香ばしさ!」と木村さん。
身だけではなく、貝殻に残った貝汁も、「なんだこれっ!?すっごい旨味!」と城島が驚くほど濃厚な出汁が!
そして、もう一品は、桝アナたっての願いで、生姜醤油に漬けたホンビノスガイの身を炭火で炙り、その身をDASH海岸で収穫したアオサと一緒に、油で揚げて天ぷらに!
コハク酸たっぷりの貝汁から作った天つゆにくぐらせて頂く!
「うめー!究極系だな。噛んで出る旨味と天つゆの旨味が混ざり合う。口の中が楽園!旨味、食感ともにパーフェクト」と桝アナも大絶賛!
そして、「こんな宝が眠っているとは…ビックリですね」と城島も、東京湾の新たな名物ホンビノスガイの味に驚きを隠せなかった。