DASH村 ~無農薬農薬~
福島県にあるDASH村からわずか5㎞の葛尾村で田植えをしてから1か月。
太一と岸が様子を見に来ると…「こんなに生長してるとは思わなかった」「順調。やっぱり福島が嬉しいんだね」
稲を計ってみると、43.1㎝。1か月で30cmほど伸びていた。
さらに、田植えをした時は1本だった苗が、分けつ(枝分かれ)して15本に!
すると、稲にムツボシオニグモというクモを発見。黄色の胴体で危険な毒を持っていると思わせ、外敵から身を守る。しかし、実際は毒はなく、稲の害虫を食べてくれるありがたいクモ。
さらに、稲の害虫を食べてくれる、田んぼの守り神・イモリの姿も!
「福島のイモリはデカい!」大きさだけではなく、お腹もぷっくり。つまり、餌となる害虫が多いということか?
すると、岸が「なんですか、太一さんこれ。タピオカみたいな」と見つけたのは、ドロムシ。
葉っぱに泥が跳ねたように見えることからドロムシと名前がついた。
泥に見える部分は、実はフン。フンで全身を覆うことで泥のように見え、外敵から身を守る。
このドロムシのエサは、葉の緑色の元となる葉緑体。葉緑体は、光合成をして養分を作り出す大事な部分で、吸い取られると白く変色し、養分を作れなくなってしまう。
今年3月の平均気温が、観測史上最も高かった福島。草むらに眠っていたドロムシが活発になり、卵をたくさん産んだ結果、クモやイモリたちも食べきれないほど幼虫が大量発生!
このままでは葉緑体を吸い尽くされ、生長が止まってしまう恐れが。
そこで太一が提案したのは、21年前から明雄さんに教えてもらって作っていた「無農薬農薬」。
唐辛子、にんにく、生姜、ニラ、焼酎など、食べられる材料だけ。
その材料を調達するためにやって来たのは、村唯一の食堂“石井食堂"。
そこはDASH村から15分で、20年前から明雄さんや住み込みのスタッフが通っていた他、作業の合間の昼ごはんにも。
食堂の反対側にある商店で、生姜と牛乳、さらに傷んで廃棄になるニラと唐辛子を分けて頂いた!「やった!ラッキー」「ありがとうございます」
しかし、石井食堂にはコーヒー殻がなかった。教えてもらったカフェ『嵐が丘』にやってくると…
「岸くん、『0円食堂』って知ってる?一人でやってみない?」
と、急遽岸が、分けて頂けないかの交渉をする事に。なんとか事情を説明し、コーヒー殻を分けて頂ける事に。
『嵐が丘』を営む堀江さんは、長年神奈川で暮らしていたが、自然豊かで水が美味しい葛尾村に惚れ込み、定年後移住。震災で避難を余儀なくされたが、それでも葛尾村への想いは強く、避難指示解除後、念願の自宅兼カフェをオープン。
そのままだと水分が多く重たいので、捨てる前に半日天日干ししたコーヒー殻を頂いた。
こうして集めた材料で、無農薬農薬づくり開始!
石井食堂で手に入れた生姜、ニラ、唐辛子、牛乳、『嵐が丘』で手に入れたコーヒー殻、田んぼ脇の草むらで手に入れたドクダミとヨモギ、ニンニクをすりつぶし、酢に入れて30分煮込む。
煮込んだものを濾してみるとニオイはかなり強烈だが…「味はそんなに悪くない」と岸。
こうして作った無農薬農薬を、稲にまんべんなく振りかける。「頑張って生長して欲しいですね」
そして、例年より短い梅雨があけ、城島、太一、岸、シンタローがやって来ると、稲は順調に生長中。
無農薬農薬の効果か虫もついておらず、背丈も70㎝になっていた。
しかし、背が高いのはいいことばかりではなく…「分けつの数が少ない。分けつが少ないと上に伸びていく」
城島の理想は、今より10㎝ほど背が低く、茎の数が多い稲。というのも、「今後の台風の影響とかが心配」
細長い稲は、やがて米となる穂が出ると台風などの強い風で倒れやすく、穂が泥に浸かると腐ってしまう恐れが。
そこで「もうちょっと太くしたい。稲を強くしたい」
稲に適度な刺激を与えると、ストレスを感じ、生き延びようとして、丈夫に育つ。
城島のプランは、3人で作った縄を一本にし長い縄を作って、稲の上を這わせることで刺激を与える。
使う縄は、「もじって縄を作る」
『もじる』とは、ワラを手のひらでもじって縄にする技術。これも21年前に明雄さんから教えてもらった。
2つの束を同時に捻って紐状にし、その束同士をさらに捻って一本の縄に。
もじり歴20年の城島が、初めてのシンタローに教えるが、21年前のTOKIOと同じようにうまくもじれない。
去年の秋に太一に教わっていた岸は、順調にもじっていく。
一方、「くっそー。俺、手先器用だと思ってたけど、不器用なのかもしれない」とシンタロー。
そんなシンタローに岸がやり方をレクチャーすると、コツを掴んだのか、シンタローも上手くもじれるように!
そんな岸は、TOKIOよりも先にもじり終え、「アイドル界一もじり上手いんちゃう?」と城島も驚き。
こうしてできた3人分を繋ぎ合わせ、稲に当てて刺激を与えていく。
これを何度か繰り返して、ストレスを与えて稲を強くする。「対策取ったから大きくなって欲しい」
そして、城島には、岸とシンタローを連れて行きたい場所があった。
7月中旬。その場所に向かう車中の城島は、「TOKIOの原点がある。正直見るのが怖い。どうなってるか」と、その想いを口にした。
その場所とは…「TOKIOが一から学んだDASH村に向かってる」
10年ぶりに足を踏み入れる城島と、初めて訪れる岸とシンタロー。
そこで何を目にし、何を思うのか…?