DASH ご当地PR課 ~第1回DASHデミー賞~
1995年の放送開始から今年で25年。放送回数は、延べ954回。
日本各地の伝統、名物、技術。そして数々の挑戦。その裏には常に、プロの支えがあった…
そこで今回は過去の放送から、もう一度見て欲しい作品をTOKIOが勝手に表彰!
しかも、番組がこれまでお世話になった方々を“DASHデミー会員"と称し、コメントをいただき、違う視点で改めて、その凄さを伝えたい!題して…第1回、DASHデミー賞!
プレゼンターは、城島茂!さらにDASHデミー会員として関ジャニ∞の横山裕!
記念すべき第1回目の部門は『今、改めて感謝を伝えたい部門』
未だ、先の見えない状況の中、医療従事者や、農家さん・漁師さんに送られる様々な感謝や応援。
しかし、もっと身近で生活を支えているのに注目されず、「今、改めて感謝を伝えたい」モノが…。
それは、段ボール。
日本国内で初めて段ボールが作られたのはおよそ100年前。軽くて丈夫な特徴から、様々なモノを梱包するのに使われ、現在では用途に合わせて、数万種類以上。物を運ぶには、欠かせない存在に。
外出自粛で、通信販売の利用が増え、段ボールを目にする機会は増えているが、世界的な感染拡大に伴い、自動車や家電などを運ぶ、海外輸出用の段ボールの需要が激減してしまっている。
以前、お世話になった、香川県東かがわ市にある段ボール工場・FUJIDANも、1000万円以上、売り上げが減少してしまったという。
これまで、段ボールを使って紙飛行機や巨大空気砲に挑戦をしてきたTOKIO。その中から選んだ作品は・・・
「今回は、段ボールで自転車を作った回を選びました」
2年前、関ジャニ∞の村上信五と共に、東かがわ市の名物・段ボールだけで自転車を作り、町の名所を走ってPR!
DASH島で神社の再建に力を貸していただいた、現代の名工、宮大工・生形英雄さん、普段、出荷作業で段ボールを使っている、徳島のレンコン農家、本田幸士さん、ツール・ド・フランスを、日本人で初めて完走したプロロードレーサー。さらにDASHの大ファン・別府史之さん。
このDASHデミー会員の3人が注目したポイントと共に、段ボールの凄さを、改めて伝えたい。
オーダーメイド自転車を数々手がけてきた、地元・安部自転車店2代目、日下昇さんと、段ボール設計のプロ・hacomo岡村剛一郎さん。
東かがわ市が誇る、この2名のプロの協力により、フレーム・前輪・後輪・ハンドルの4つのパーツを、全て段ボールで作り上げることができた。
パーツの連結は、釘もテープも使わず、段ボール素材の筒を通して組み合わせただけ。
この方法に、DASHデミー会員、現代の名工・宮大工・生形さんが注目。
「神社の場合は、一度組み立てたら微調整が効かない。段ボールだから遊びが効く」
宮大工は硬い木材をミリ単位まで削り、組み合わせていく。宮大工の技術がなくても、段ボール自転車は釘を使わずに組み立て可能。これも段ボールの素晴らしさ。
全てのパーツを連携させて、東かがわ産の段ボールで作った、段ボール自転車の完成!
村上がつけた名前が『ダンボロン』
試走として、古い町並み通りのアスファルト道を走ってみると、体重約60㎏の城島が乗ってもびくともせず。
ほぼノーダメージで走り切ったダンボロンで、いよいよ本番!
スタートは東かがわ市一の観光スポット、しろとり動物園。
砂利道コースと傾斜30度・距離50mの急な下り坂が難所の全長500m。ここを村上がダンボロンで走る。
砂利道コースを抜け、急な下り坂に差し掛かるが、これも段ボールで作ったブレーキを駆使してなんとか走る!
が、ブレーキのかけすぎで、摩擦によってタイヤにクッション役として張った段ボールが剥がれてしまった。
これまで石畳や山道など、年間約3万km走ってきた別府さんが注目したのは、タイヤではなく…
「急勾配になると体重と自転車の重さで、フレームに圧力がかかる。
驚いたのが、しっかりフレームの形が残っていてダメージが無かったので、やっぱり強度が高いと思った」
タイヤ以外のダメージはほぼなく、無事にゴールでき、動物園内を走り切ることができた!
最後のコースは『遍路道』。四国八十八箇所の霊場を巡りながら祈願する、巡礼の道。
凸凹の急な下り坂が続くだけでなく、最大20cmの段差続く。腰痛持ちの城島を痛めつける、全長700m。
スタートダッシュを切った城島。左側は崖だが、あえてブレーキをかけず、あっという間に100m地点を通過!
いくつもの段差を耐え、どんどん距離を進めていくが、段差の衝撃が、直接ハンドルの軸にしていた段ボール素材の筒にかかってしまったため、折れてしまった。
しかし、折れた筒は、別の筒にすぐ交換。同時に、外れたイスもすぐに修復し、タイヤ周りなどもガムテープで補強。
再スタートし、残り半分350m!しかし、段差に引っかかってしまい、転倒。
ハンドルの軸に使っていた筒がまた折れてしまった。しかも、もうスペアの筒は残っていない…。
すると、段ボール設計のプロ岡村さんが、前輪のブレーキレバーで代用し、改めてゴールへ向かう。
が、またしてもハンドルの軸が折れ、車体は真っ二つに。もはやスペアの筒はなく、なす術がない…。
ゴールまであと250m。ここでチャレンジ失敗。
しかし、諦める者は誰もいなかった。信じて待っている地元の皆さんや、子供たちの為にも、何としてでも、ゴールへ。
その想いで、使える部分を全て使って、ガムテープで固定し、手で支えているだけの状態でゴールへ向かう。
残り50m。最後は村上の手を借りながら、ダンボロンに乗って見事ゴール!
間違いなく見せてくれた、東かがわ産段ボールの強度。
そして今、こんな状況でも段ボールは、どんな現場でも、簡単に組み立てられる「段ボール製医務室」や、特殊なコーティングで菌の繁殖を防ぐ、「抗ウイルス段ボール」など、我々の生活を支えてくれる、新たな開発が進んでいる。
「ちなみにあの時のダンボロンって今どうなっているんですか?」
という城島に、リモートで繋いだFUJIDANの本田さんと、段ボール設計のプロの岡村さんが見せてくれたのは、2年前と変わらぬ姿のダンボロン!
「ダンボロンの横に、ぜひトロフィー飾ってください!おめでとうございます!」
「今、改めて感謝を伝えたい」のは他にも。それは…発泡スチロール。
日本で初めて作られたのは、およそ60年前。当時、魚の運搬は木箱が主流だったが、断熱性が高いことから、鮮魚の運搬にとって欠かせない存在に。さらに、20トンの重さにも耐える強度と、手で持ち運べる軽さから、高速道路や陸橋の基礎に使われている。それは、TOKIOのハート池の土台にも。
しかし、今、そんな発泡スチロールがピンチを迎えているという…。
外出自粛などの影響で、飲食店が休業し鮮魚が全国に出荷されない状態に。
それに伴い豊洲市場の発泡スチロール取扱量が半分以下に。
行き場を失った魚たちはメディアや通販サイトで取り上げられ、様々な応援がされたが、その運搬に欠かせない発泡スチロールは、特に注目されることはなかった。
発泡スチロールメーカーの数が日本一の静岡県にある、発泡スチロール製造会社のイハラ建成工業の川嶋さんによると、「冷蔵庫などの家電製品を梱包する発泡スチロールの生産量が15%くらい落ち込んだ」
家電製品が売れないと段ボールも発泡スチロールも影響が出てしまう。
これまで、ご当地PR課や新宿DASHでも、お世話になった発泡スチロール。
「発泡スチロールのスゴさを伝えるなら、やっぱり川下りじゃないかと」とプレゼンターの城島。
「色んな企画をやっていますけど、あの企画は衝撃でしたよ」と横山。
それは6年前、静岡県焼津市の名物・発泡スチロールで、巨大お椀舟を作り、激流を下った挑戦。
発泡スチロールのスゴさを、カヌーリオオリンピック銅メダリスト、羽根田卓也さん、マダコの産卵やウニの養殖など、何度もお世話になった、城ヶ島の漁師・石橋英樹さん。
さらに、DASH島で反射炉作りを教えていただいた、築路マイスター・本勝照雄さんのこのDASHデミー会員の3人が注目したポイントと共に、発泡スチロールの凄さを、改めて伝えたい。
6年前TOKIOも、その原料が何か知らなかった。発泡スチロールの原料は、石油からできた大きさ1mm程
のスチロール樹脂。これに蒸気で熱を加えると、およそ50倍の大きさに膨らむ。これを金型の中で行うと、膨らんだもの同士がくっつき、発泡スチロールが出来上がる。
発泡スチロールは、体積の98%が空気のため軽く、クッション性があり、加工も簡単。
そんな発泡スチロールを、同じく焼津市にある発泡スチロール加工工場の江永化成で加工。
加工職人の方々の力を借りて、作り上げたのが、通常の8000倍!巨大お椀舟!
最後に顔を書いた松岡がひらめいた名前が『デカワンコ』!
この『デカワンコ』で下るのが、日本三大急流の一つの富士川。
国内有数のラフティングの名所として知られる激流スポットとして知られ、通常のゴムボートでも転覆必至のこの川で、特に流れの激しい5kmを、お椀型デカワンコで下る!
このコースを観て、世界中の激流に揉まれてきた羽根田さんは…
「結構な激流を下るなって思って、あの発泡スチロールで。乗り物がどういう動きをするかっていうのは、流れを見ればわかるんですけど、あの大きさでこれ下るの?って思った。ボク、観た瞬間に怖くなった」
用意した一寸法師風の衣装をまとい、いざ、急流下り!
だが通常の船と違い舵がないため、ひたすら回転してしまう。
容赦なく打ち付ける荒波に、デカワンコが大きく傾き、あわや転覆!と思われたが、なんとか持ちこたえた!
これが、焼津産発泡スチロールの浮力!
そのスゴさに羽根田さんは、「90度くらい傾いたけど戻ったんで、バランスと浮力にビックリした。手を叩いて感動しました」
さらに、その浮力は、城ヶ島漁師・石橋さんにとっては、「普段着ている救命胴衣も中に薄い発泡スチロールが何枚も入っていて、結構な浮力がある。あれを沈めようと思っても沈まない」
しかし、その先にはさらなる激流が!
松岡が必死のパドルさばきで、激流に抗うが、飛び出した川底の岩に、お椀の底が引っかかり、さらにそこへスタッフの乗ったボートも激突!
岩に引っかかり、身動きが取れない状態になるも、ここは、体重移動でなんとか脱出。
その様子を見ていた羽根田さんによると、「カヌーが岩にぶつかった場合、すぐ割れてしまったりしてクッション性がない。発泡スチロールの軽さ、浮力、石にぶつかっても跳ね返る柔らかさはカヌーには無い。
もしかしたら、発泡スチロールでカヌー作ったらいいんじゃないかって思っちゃう」
さらに、炉を作る際、型枠に使うこともあるという、築炉マイスターの本勝さんも、「強度が高い発泡スチロールだから、岩に当たっても大丈夫なのかと感心しました」
岩にぶつかり、後ろから追突されても発泡スチロールの持つ高いクッション性が衝撃を吸収し、なんなく乗り切り、ゴールまでの半分を超え3.5㎞地点へ。
途中、激しい流れに投げ出されることもあったが、スタートから4時間、スタッフも2人の体力も限界に達するもどうにか4.8km地点を通過。そして、念願のゴールへ!
これだけの激しい川下りをしながらも、焼津産の発泡スチロールもTOKIOもスタッフもほぼ無傷だった。
デカワンコは、再び生まれ変わるため、工場へ。
使用済みの発泡スチロールは解体され、溶解炉に。800度の熱で溶かされ、棒状にし、海外の工場に運ばれる。
そして、プラスチック製品として生まれ変わり、再び日本に帰ってくる。
こうしたリサイクルが世界中で広まっている。
さらに今、こんな状況でも発泡スチロールは、1300度の炎にも耐える「燃えない発泡スチロール」や、大人12人まで収容できる「災害時避難シェルター」など、我々の生活を支えてくれる新たな開発が進んでいる。
そんな発泡スチロールに改めて感謝を!