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地獄のかゆみはアレが原因

2020.02.04 公開

眠れなくなるほど苦しむ男性。
彼の名は花城裕生(33歳)。芸歴7年目、お笑いコンビ「いぶしどり」のツッコミ担当。

そんな彼に異変が起きたのは、2年前のこと。
2、3日前から太ももが猛烈なかゆみに襲われていた。

心配になり病院へ行くと…湿疹と診断され、医師からはステロイド薬を処方された。
ステロイド薬は、体内の炎症を抑えたり、免疫力を抑制したりする作用があり、皮膚疾患治療には幅広く使われている。

こうして、処方された薬で様子を見ることに。
部屋が汚いのも関係しているのではと考え、部屋を徹底的に掃除した。

これで2~3日もすればよくなるだろう、そう思っていたが…。
1週間たっても…よくなるどころか、ひどくなった。
症状は腕や手、さらには股間にまで広がっていた。

かゆみはひどくなる一方…なので、
舞台に立つ直前までトイレで思いっきりかいて“かき溜め”!
こうすることで、少しの間かゆみを我慢することができた。

だが、激しいかゆみのせいで眠れない。ひどい時は1時間もしないで目が覚める。
寝不足で遅刻も多くなった。

なぜこんなにひどくなるんだろう…。 
どうして薬が効かないんだろう…もうどうすることもできず…。
かゆみに怯え、家からも出られなくなった。

そんなある日。
手のひらをよく見ると、いくつかの白い筋ができていた。
気になり、すぐに病院へ。

医師は手のひらに出ていた白い筋の一部を切り取り、検査。
すると…ダニによる病気、「疥癬」だと診断された。

ヒゼンダニというダニが原因の病気で、その患者数は年間8万~15万人とされている。
そしてこのヒゼンダニの最も恐ろしいことは…人から人へうつること。

感染者と長時間肌と肌が直接触れ合ったり、感染者が直前まで着ていた服や寝ていた布団などに触れたりすることでも感染の可能性がある。

そのため、介護施設や幼稚園などで広まりやすいと言われている。

どこで感染してしまったのか?

しかし花城はどこで感染したのか心当たりがない。
実は、感染してから発症まで潜伏期間が1か月から2か月もあるから、感染の記憶がはっきりしないことが多いのだ。

しかも感染者の中には、感染していることに気づかず生活している人もいる!
疥癬のかゆみは、ヒゼンダニや、その死骸、フンに対してアレルギーのような免疫反応によるもの。

なので、中には免疫反応を起こさない人も。
その場合、まったくかゆくならないため、感染していることに気づかないのだ。

だが、症状が出ていない人でも疥癬かどうか見分ける方法がある。
それは、花城の手のひらにあった白い筋。
「疥癬トンネル」と呼ばれるもので、ヒゼンダニのメスが卵を産むために掘ったもの。
この疥癬トンネルは症状が出ていない人にも表れるので、見つかった人は注意が必要。

ところで、なぜ前にもらった薬は効かなかったのか?
実はステロイド薬には、免疫抑制効果があり、ヒゼンダニの感染を強めてしまうこともあるのだ。

疥癬は、医師でも診断が難しいとされていて、花城のように一度の診断ではわからないことも少なくない。
ようやく正しい治療が始まった。

治療薬には飲み薬と塗り薬があり、塗り薬は、ヒゼンダニを完全に殺すため、首から下すべてにくまなく塗った。
さらにヒゼンダニは50度以上のお湯に10分以上つけると死滅する。
ヒゼンダニが付着している恐れのある衣類や布団シーツをお湯につけてから洗濯した。

で、彼は、とんでもないアイデアを思いつく!
にっくきヒゼンダニを死滅させるため、
なんと50度のシャワーを股間に10分以上あててみたのだ。
その結果…疥癬は治らず、ただ「低温やけど」になってしまった。

その後、無事に復帰した花城。今では元気にステージに立っている。

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