日本テレビ放送網株式会社(本社:東京都港区 代表取締役 社長執行役員 石澤 顕)は、(一社)日本映画テレビ技術協会第76回(2022年度)の顕彰において、AIモザイク編集ソフト「BlurOn」(ブラーオン)の開発が技術開発賞、ボリュメトリックビデオ技術を用いたプロ野球中継「DRAMATIC BASEBALL」のグラフィック表現が映像技術賞を受賞致しました。
 技術開発賞は、毎年特に優秀な成果、業績を示した映画・テレビ等の技術に関係ある発明、考案、研究、開発などを対象に選定される賞です。国内における映画テレビ技術の向上と発展を目的とされており、顕著な業績を残したテーマを対象に授与されるものです。
 映像技術賞は、「映像制作技術」を対象とした賞で、公開された映画・テレビ等を制作するために使われた技術で、顕著な業績を残したテーマを対象に授与されるものです。
 日本テレビでは、今後も積極的な新技術の導入により、皆様へ魅力的なコンテンツをお届けできるよう更なる開発を進めてまいります。

技術開発賞:
AIモザイクソフト「BlurOn」(ブラーオン)の開発

 テレビ番組の映像において、個人情報保護・プライバシー保護の観点から通行人の顔などに「モザイク入れ」の編集が必要な場合がありますが、1分の映像へのモザイク入れで1時間以上かかることがあるなど、制作現場の大きな負担となっていました。その課題を解決するために日本テレビとNTTデータが共同開発したAIモザイクソフト「BlurOn」は画像認識AI技術によりモザイク入れ編集を自動化することで、作業時間を最大90%削減することに成功し、番組制作現場の働き方改革に貢献しています。
 BlurOnは日本テレビの番組はもちろんポスプロ(映像編集会社)にも導入され活用が進んでいるだけでなく、放送業界以外でも利用が進んでおり、ドライブレコーダーや監視カメラの映像を取り扱う業界などにおいても個人情報を保護した適切な映像活用を推進しています。

  

 

●BlurOn 製品WEBサイト https://blur-on.com/

●主な実績
・2023年度(公財)放送文化基金 第49回放送文化基金賞 放送技術部門受賞
・2022年度(一社)映像情報メディア学会 技術振興賞進歩開発賞 現場運用部門受賞

●BlurOnユーザーのコメント
 ユーザーの方々から以下のコメントをお寄せいただいております。
・手作業と比較して段違いに処理速度が速い
・もうBlurOn無しでのモザイク入れ作業は考えられない
・編集作業が効率化されて早く仕事が終わるようになり助かっている
・社会的にも個人情報保護の要望が高まっているので、こういうソフトは絶対に必要

●受賞者のコメント
★担当者 杉町夏実(社長室 新規事業部)

 このたびの受賞を大変光栄に思っています。放送業界の番組制作現場の働き方改革のため開発したBlurOnでしたが、自動車業界や医療業界など多方面からご相談をいただいております。また、海外からのご相談もあり、国内外にリーチを拡大しようとしています。このように個人情報保護の意識が高まる近年の社会において、BlurOnの社会的意義を日々感じています。今後ともさらに多くの方々のお役に立てるよう、尽力してまいります。

●共同開発:株式会社NTTデータ

映像技術賞:
プロ野球中継「DRAMATIC BASEBALL」

 ボリュメトリックビデオ技術により360度自由なカメラワークで野球中継を制作し、従来の中継では決してできなかった新しい映像体験の提供を行っています。革新的なプロ野球中継を実現させた技術・工夫が高い評価を受け、日本テレビ株式会社、キヤノン株式会社、株式会社読売新聞東京本社が共同で行った取り組みが受賞に至りました。


ボリュメトリックビデオ技術であらゆる位置・角度からのリプレイ映像を提供

 本取り組みを実現させたボリュメトリックビデオ技術とは、選手や演者の動きを3次元データに変換することで、あらゆる方向から見た映像を鑑賞できるようにする技術です。すでに多くのお客様にお届けしている映像ですが、さらなる高画質化の追求、画像認識AIによる投球軌道表示など、より充実したコンテンツをお届けできるよう進化を続けています。

●主な実績
・読売ジャイアンツの今季東京ドームで開催される全試合※1にて実施 (昨季は5試合で実施)
・2022年度(一社)映像情報メディア学会 技術振興賞 コンテンツ技術賞

●受賞者のコメント
★起案/制作 佐々木聡史(スポーツ局 プロ野球中継プロデューサー)
★起案/開発 篠田貴之(技術統括局 デジタルコンテンツ制作部)
★現場技術  渡邊勇二(技術統括局 制作技術部)

 1953年、民放初のプロ野球中継は2台のカメラから始まりました。それから70年、中継カメラや審判カメラなどに加え、今回の専用カメラ約100台による新技術により、今まで見られなかった映像で競技の本質や魅力をお届けしています。10年、20年後のスポーツ視聴はどうなっているのか想像して、スポーツの魅力を最大限伝えられるよう、時代を前進させられるスポーツ中継を目指していきます。

●共同受賞:キヤノン株式会社、株式会社読売新聞東京本社

※1. 2023年シーズンのジャイアンツホーム戦の放送日程は、以下URLの日本テレビ公式サイトをご覧ください。
 日本テレビ野球中継ホームページ:https://www.ntv.co.jp/baseball/schedule/

~過去の日本映画テレビ技術協会賞 受賞歴~

●第75回(2021年度)技術大賞(経済産業大臣賞)
 〇AI業務支援システム「エイディ」の社内開発と運用
  日本テレビ放送網(株) AI 社内開発チーム

●第73回(2019年度)技術開発賞
 〇テレビ番組制作支援用AI 顔認識システムの開発
  AI顔認識システム開発チーム
  日本テレビ放送網(株)、(株)東芝、東芝デジタルソリューションズ(株)、(株)日テレITプロデュース共同

●第72回(2018年度)技術大賞(経済産業大臣賞)
 〇「第95回箱根駅伝」におけるAIを用いた映像表現
  画像認識AI応用検討チーム 日本テレビ放送網(株)

●第71回(2017年度)技術開発奨励賞
 〇画像認識技術を用いた制作支援
  画像認識AI検討チーム
  日本テレビ放送網(株)、(株)東芝、東芝デジタルソリューションズ(株) 共同
 〇ネットバンドカメラの開発とその運用
  高橋 一徳/(株)日テレ・テクニカル・リソーシズ 、保刈 寛之/日本テレビ放送網(株)

<以降省略>

 

 

 

以上
日本テレビ放送網株式会社 総務局広報部