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カズレーザーと学ぶ。

毎週火曜よる10時00分〜11時00分 放送

知らないうちに加害者に?多様化する令和のハラスメント問題の原因と対策

2024.07.16 公開

『カズレーザーと学ぶ。』今回のテーマは『大ハラスメント時代の生き抜き方』

「実録!令和のハラスメント裁判 訴えたら勝てる?勝てない?」

中央大学の法学部長、遠藤研一郎氏によると、そもそも日本ではハラスメントに関する法律が完備されておらず、民法で定められた定義も、曖昧な部分があるという。それにもかかわらずハラスメント問題が深刻化する現代社会。実際の裁判例をもとに、法の境界線について解説された。

中央大学 法学部長
遠藤研一郎

文京湯島法律事務所の弁護士、小野章子氏は、二つの裁判例を紹介。「コミュ力が低い」という理由で解雇された職員が団体を起訴して勝利した裁判では、上司が言った「コミュ力が低い」という言葉に、上司自身が悪くないという前提が含まれており、一方的なコミュニケーションであるとの指摘がなされた。遠藤氏、小野氏とともに番組に登壇した、東北大学で脳科学を専門とする細田千尋氏は、差別や偏見などの集団間で生じる関係性、社会的支配志向性がさまざまなオフィストラブルの原因となっているといい、また何らかの点を「自分にとって当然の権利である」と思い込んでしまうことも原因になりうると分析した。

次に紹介された女子学生が教授と大学を訴えて勝訴した事例では、セクハラ・パワハラ被害が問題となった。「卒業したら俺の女にしてやる」等の発言に加え、食べかけの食事を自分の箸を使って女子学生にシェアするといったことが、日常的にハラスメントを行っていたという文脈として捉えられ、賠償命令が下った。遠藤氏はこの事例について、指導教員と学生という立場には絶対的な差があり、立場による関係性を重要な点と指摘。「YES」と「NO」の間には、「嫌がらない」という中間領域が存在し、「嫌がらない」ことが、「YES」を意味するわけではないことを強調した。

東北大学 加齢医学研究所 脳科学研究部門 准教授
細田千尋

「昭和世代→令和世代 ハラスメントの原因は???の歪(ゆが)み」

遠藤氏はハラスメントがなくならない最も大きな原因は、世代間で「他人が自分のなかに入ってきてほしくない距離」、パーソナルスペースにギャップが生まれていることにあると指摘した。認識に歪みが生じる原因は各世代の特徴にあり、昭和時代には統一された価値観があり、同じ目標を共有することができて距離感も近かったが、現代は価値観が多様化したためという。それぞれのやり方で目標を目指すようになったこと、リモートワークの普及なども合わさり、他人との距離感も遠くなってきており、このギャップがハラスメントの原因になっていると指摘した。

パーソナルスペースの多様化に加え、小野氏は現代は家に帰ってもメールが届き、またテレワークの普及もあって、公私の境界が曖昧になってきていると説明。家に帰っても逃げ場がなく、ハラスメントが起こりやすい環境が生まれているという。対策として、プライベートと仕事を分けるため、業務用のメールやチャットツールを使用することが望ましいとした。

文京湯島法律事務所 弁護士
小野章子

「最も被害を受けているのは?? ハラスメント“袋だたき世代”」

ハラスメント問題が深刻化する現代で、職場で最もハラスメント被害を受けているのは40代の男性。上司からはハラスメントを受け、若い世代の部下の扱いには困る、上下から板挟みにされる状況にあるという。また体力の低下や、親の介護など職場以外でさまざまな問題を背負う年代でもある。

40代男性を襲うさらなる悲劇として遠藤氏が紹介したのは、逆パワハラ。部下からあらゆる行動をハラスメントに結びつけられてしまう。問題の背景には、部下に強く指導できないことのほか、ITスキルの世代間ギャップがある。職場のIT化が進むなか、若手の方がITリテラシーが高く、能力の逆転現象が生じている。また若い世代はSNSでハラスメント被害の情報に接しやすいため、過剰なハラスメントの指摘の追い風になっている可能性もあるという。

小野氏は、ハラスメントの予防として、自分と他者の意見を尊重することを提案。遠藤氏もわかりやすいハラスメントに関した制度を作ることで、ハラスメントが規制の対象になっているという空気感を日本全体で作ること、そして対等な目線で、冷静に言いたいことを伝えるようにすることが大切と語った。

「日本人の睡眠をさまたげる 歯ぎしりを改善する?夢の食材」

岡山大学の学術研究院医歯薬学域助教の外山直樹氏が、ザ・マミィの酒井貴士の歯ぎしりを分析した。就寝時の映像を確認すると、酒井の歯ぎしりは「ゴリッ」といった音を響かせ、寝言でも「アゴ痛い」と言っていた。外山氏によれば、酒井の場合、歯ぎしりによってアゴに痛みが生じ、睡眠の質が低下。それが原因でさらに歯ぎしりが悪化するという、地獄のスパイラルにはまっているという。

本来食事中のかむ力は50㎏程度であるのに対し、歯ぎしり中のかむ力は、最大で100kgにもなるそうで、悪化すると最悪、歯根破折(しこんはせつ)という症状を引き起こす可能性がある。歯根破折とは、歯茎に埋まった歯の根っこの部分が、長年の負荷によって、折れてしまったり、ヒビが入ってしまうというもの。歯ぎしりは自覚症状があるなし合わせて日本人のおよそ7割がしていると考えられており、注意喚起がなされた。

歯ぎしりのメカニズムは解明されておらず、外山氏は歯ぎしり自体を確実に改善させる方法はないと明言しつつも、研究によって食物繊維を多く摂取することで改善の可能性が示されたことを説明した。そこで酒井には、多量の食物繊維を含む、スーパー大麦を提案。1日30g摂取する生活を1週間続けると、最悪レベルであった酒井の歯ぎしりに、改善の傾向が見られた。

岡山大学 学術研究院 医歯薬学域 助教
外山直樹

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