検 索 無料配信 番組表

カズレーザーと学ぶ。

毎週火曜よる10時00分〜11時00分 放送

芸能人の考えた法律はアリ?ナシ? 専門家とともに徹底議論

2025.03.11 公開

『カズレーザーと学ぶ。』今回は新企画「令和の新法律SP」

「救急車を呼ぶのを有料にする法律」

オカリナが提案したのは、「救急車を有料化する法」。日本では現在、救急車を無料で呼ぶことができるが、これは世界的にも珍しい制度。海外では要請した人が一定のお金を負担するのがスタンダードであるという。しかしそんな有難い制度を使える日本では、出動数は年々増加し、近年、過去最多の700万件超えになったとのこと。さらに搬送された人のうち48.5%が軽症で、なかには「蚊に刺されたのでかゆい」、「入院予定日だから病院に連れて行ってほしい」とタクシー代わりに使う高齢者や、酔っ払いやいたずらで呼ぶ人までいるという。日本の医療現場をひっ迫させる一因になっており、元看護師のオカリナが有料化の必要性を熱弁した。

軽症者やいたずらで救急車が呼ばれにくくなることで、本当に必要な重症者がより救急車が使いやすい環境になる期待をこめた賛成意見や、貧富の差によって命の格差が生まれるといった反対意見など、出演者たちからもさまざまな声が挙がるが、日本外科学会理事長の武冨紹信氏は、「軽症でやっぱりあの呼ばなくていいっていうふうには言われてますけども、軽症の中にもですね、絶対やっぱ患者さん悪くなる人いるわけですよね」とコメント。現場の医師たちは軽症患者のなかにも、一定数隠れた重篤患者がいることを知っているからこそ、軽症だから呼ばなくていいというように結論づけないでほしいと訴える。「全員助けたい」といった思いがあるからこそ、いたずら等で救急車を呼ぶ人たちに自重するような社会になってほしいと、医師として切実な思いを語った。

日本外科学会 理事長
武冨紹信

文京湯島法律事務所代表弁護士
小野章子

中央大学大学院戦略経営研究科 教授
真野俊樹

「親子関係を法的に解消できる法律」
カズレーザーが提案したのは「親子関係を法的に解消できる法律」。毒親や虐待など社会問題になっている令和時代で、絶対不可侵となっている親子関係に切り込んだ。まず介護に関した問題を挙げ、核家族が増えている現代では、親子関係というだけで無料で奉仕する形式が限界を迎えつつあると力説。さらに近年増加する「毒親問題」にも触れ、民法上では親子関係を解消できないことから、自分を虐待していた人間の介護や面倒をみることが義務になってしまっている現状に、疑問符をなげた。

斬新なアイデアに、出演者たちからもさまざまな意見が出るが、文京湯島法律事務所の代表弁護士、小野章子氏は反対と話す。その理由は現場を見ている立場として、本当に問題のある家庭は洗脳のような状態にあることが少なくなく、仮に法律を制定しても、真に救わなければならない人たちを救うことにはつながらない可能性がある、というもの。まずは現在の制度内での改善を目指し、加えて親子であるということで一体化して見られてしまう考え方を社会のなかで変えていく必要があるとも語る。また親子の縁切りを望む家族の相談にのる一般社団法人LMNの代表理事、遠藤英樹氏は介護に関する問題をあらためて指摘。子育てと同様、子が親にする扶養義務があるものの、親の老後の面倒をみることは終わりが見えず、また悪化していく一方であることから、その心理的負担ははかり知れないと現状を整理する。遠藤氏からは時代に沿ったかたちの新しい法律など、何らかのアクションが必要という声もあった。

中央大学 法学部長
遠藤研一郎

一般社団法人LMN 代表理事
遠藤英樹

「賞味期限は撤廃!消費期限のみの記載法」

元板前のこがけんは、日本の食品ロス問題を解決するため、賞味期限の表示を撤廃し、消費期限のみの表示に統一する法律を提案した。日本は近年、約500万トンの食品が廃棄されたといい、「食品ロス大国」とされる。賞味期限と消費期限は食品の劣化スピードの違いで定められ、消費期限は「安全に食べられる期限」、賞味期限は「おいしく食べられる期限」を指すが、賞味期限を過ぎたとしてもすぐに食べられなくなるわけではない。にもかかわらず、賞味期限を過ぎた食品は、まだ食べられるのに廃棄されてしまう。

こがけんのアイデアに、出演者たちからは賛成の意見が相次ぐが、専門家たちはまさかの全員が反対という結果。日本女子大学の家政学部家政経済学科で教授を務める小林富雄氏は食のブランディングに注目し、世界中から注目されている日本食は、その品質にもこだわるべきとコメント。また中央大学法学部長の遠藤研一郎氏は、食に対する情報は、消費者に与えられるべき権利ということで反対。さらに静岡県立大学の食品栄養科学部教授である増田修一氏は、おいしくない、つまりまずいと人間が感じるのは何かしらの食品の悪化が起こっているシグナルとし、「健康上問題なくても、分けたほうがいいんじゃないかなというふうに思います」と話した。

こがけんは負けじと、韓国をはじめ海外ではほとんどの食品を消費期限表示に統一した例があると紹介するが、小林氏いわく、やはり懸念要素が多いという。食品の劣化具合を消費者が判断する必要があり、消費者に食品の安全判断を任せきりになる可能性を危惧。加えて増田氏も、日本人がゼロリスクを求める国民性であること、生ものを食べる食文化が盛んである点を懸念点としてあげる。専門家の意見を聞いていた出演者たちも、徐々に反対派となってしまい、最終的にはこがけん以外、全員が反対という状況に。「本当に、あの、四面楚歌っていう言葉は僕のためにあるんだな」とうなだれるこがけんの姿に笑いが起こるのだった。

日本女子大学 家政学部家政経済学科 教授
小林富雄

静岡県立大学 食品栄養科学部 教授
増田修一

この記事を
シェアする

TVer 視聴ランキング(日テレ)

2025年4月20日 時点

※TVer内の画面表示と異なる場合があります。

おすすめ記事
©Nippon Television Network Corporation