『カズレーザーと学ぶ。』今回のテーマは『最新科学で美しくなる』
最新脳科学で美しい体を手に入れよう!2時間スペシャル
人生が変わる現代人が美しくなる新知識
『世界初!肌に○○するだけで痩せる薬』
女性600人に実施したアンケートの結果、ダイエットを試みた女性の約8割が失敗したという事例を挙げた上で、「好きなものだけを食べて痩せる方法を見つけました」と語るのは、ペンシルベニア大学医学部 上林拓教授。2型糖尿病の研究をしている過程で、肌に塗るだけで痩せる塗り薬の開発が進んだという。ちなみに、3年以内での完成を目指しているとのこと。
続けて、教授はその経緯をマウスの実験結果と照らし合わせて詳しくこう語った。そもそも2型糖尿病の原因となっているのは、血中から細胞に糖を取り込む役割を果たすホルモン“インスリン”の減少であり、インスリンの減少は肥満などによる悪い免疫物質の増加によって起こる。そこで良い免疫細胞を増やすため『TSLP』というホルモンに着目。TSLPとは腸や皮膚で作られる免疫ホルモンで良い免疫細胞を増やす効果がある。高脂肪食を摂らせたマウスにTSLPを投与したところ、免疫細胞の働きなどとは関係のない想定外の理由でマウスの体重が減少するという結果に。TSLPを投与したマウスを観察すると湿っており、調べると皮膚から脂が出ていたことが明らかになった。つまり実験からTSLPには、皮脂腺を活発化する役割があり、それにより体外に脂肪が排出され体重の減少につながったということが判明した。
TSLPにより刺激された皮脂腺から脂質が放出すると、血中の中性脂肪を取り込みさらにそれを補うために皮下脂肪、内臓脂肪が使われるという仕組み。しかし、TSLPを人体に投与するには注射をする必要があり、ハードルが高い。そこで、取り入れるのではなく“体内で作らせる”ことで簡単にTSLPによる脂肪の排出を促す方法があるとのこと。そしてその物質というのは「ビタミンD化合物」で肌に塗布するだけで結果的に痩せることも可能になるという。ただ、お腹だけといった部分痩せはできず、満遍なく痩せていくと提言した。また「ビタミンD」と「ビタミンD化合物」は別物で、ビタミンDは体内で蓄積され(過剰摂取は)毒性も高いため、ビタミンDを買って個人での判断で使うのはやめてくださいと注意を促した。
※TSLPはアレルギー物質の原因でもあり、直接投与は体に影響が出る可能性があります。
ペンシルベニア大学 医学部
教授 上林拓
『色によって効果が変わる!?注目の光治療LED』
大阪大学 特任准教授 医療法人社団康梓会Y’sサイエンスクリニック広尾 日比野佐和子によると、医療用LEDの色を変化させることで、人体に様々な効果が発揮されるという。
まず紹介されたのは、赤色LEDが育毛効果を持つというもの。大阪大学の研究によると、赤色のLEDを照射することで、髪の毛の成長が促進されたという。赤色は光の波長が長く、皮膚の深層まで届く。この仕組みにより、髪の毛を作る『毛乳頭細胞』が刺激され、『毛母細胞』が活性化されて発毛が促進するというのだ。育毛には薬剤を使用する方法もあるが、特に高齢者など肌荒れや目まい、頭痛などの副作用が気になる人にとって、LED照射は安全性が高いと、その効果を語った。
続いて紫色のLEDが、近視の進行を抑制する効果があると紹介された。ここでいう紫色のLEDとは、紫外線よりも長い可視光線であり、『バイオレット光』を指す。そもそも近視になる仕組みの1つとして、『OPN5』と呼ばれる光タンパク質の働きが低下し、網膜の外側にある『脈絡膜』が薄くなり、眼球が伸びて焦点が合わなくなる。紫色の光は、このOPN5の働きを活性化することができるというのだ。
この光は太陽光にも含まれているため、子どもが屋外で活動することで近視を抑制する効果があるともされるが、紫外線対策など注意すべき点も少なくない。この光はあくまで近視の進行を抑制するものであり、直接治療を促すものではないとした上で、既に2026年の実用化を目指し、紫色LEDを目に照射するメガネの開発がすすんでいることも併せて示された。
最後に、青色LEDがニキビに効果があることが紹介された。ニキビの原因には『アクネ菌』が代謝をする際に発生する『ポルフィリン』により、皮脂が酸化するというものがあるが、青色LEDの照射により、活性酸素が発生してアクネ菌を死滅させることができると考えられているという。その他にも、皮脂の分泌を抑制したり、毛穴を引き締めたりする効果も認められている。肌への施術方法として、局所的にレーザーを用いることがあるが、LED光治療は広い範囲で効果があるため、非常に安全性が高くダウンタイムも短くなるそうだ。ただし、治療回数や治療期間はレーザーよりも長い目で見る必要があるという。
今回紹介されたLEDを用いた技術は既に実用化が進んでいるものもあるが、いずれも医療用LEDでなければ効果がないことに注意が必要だ。
大阪大学 特任准教授
医療法人社団康梓会Y’sサイエンスクリニック広尾
日比野佐和子
『夢の太らない糖 「アルロース」』
近年、世界的に肥満が問題として取り扱われているなか、香川大学 学長 筧善行は「接種すると健康的に痩せる糖を発見した」と語る。数年前から企業向けに販売が始まっており、ついに一般家庭にも流通されるようになったという糖の名前は『アルロース』。
この糖には、血糖値の上昇を防ぐ機能があるという。アルロースを摂取することで、同時に摂取した他の糖の吸収を阻害する効果が、このような機能をもたらす。一般的に、デンプンを摂取すると体内の消化酵素によってグルコース(糖)に分解されるが、アルロースはこの分解酵素の働きを阻害し、デンプンが吸収しやすい糖になるのを抑える働きを持つという。さらに小腸に達したアルロースは、トランスポーターと呼ばれる栄養を吸収する入り口を塞ぐため、ここでも過剰な糖の吸収を抑える。このため血中に糖が入りにくくなり、血糖値を抑えることにつながるのだそうだ。
アルロースは自然界にごくわずかだけ存在する『希少糖』の一種で、身近な食物ではレーズンやイチジクに含まれている。生物が進化をする過程で、人体に取り込む糖を選別し、アルロースを吸収しなくなったため、基本的に食べてもゼロキロカロリーだという。果糖と構造が酷似しているため、舌の甘みを感じるセンサーは反応するものの、消化器官は砂糖であると判断せず体外に排出する。この仕組みにより、カロリーのない甘味料として注目を集めているのだ。
さらにアルロースには、脂肪燃焼を促進させる効果もあるという。高脂肪食を与えたマウスにアルロースを与えると、脂肪を燃やすタンパク質であるUCP1の増加が確認された。このタンパク質は、一般的に飢餓状態や風邪などで体力が低下している際に生成されるもので、UCP1の増加により、より多くの脂肪がエネルギーとして消費されるようになる。
今のところ、人体への悪影響などは見つかっておらず、程々の食事にアルロースを取り入れることで、より健康的な成果が出るという。現在は1キログラムあたり約6000円で流通されており、食後のコーヒーや紅茶にアルロースを混ぜて摂取するといった活用方法を挙げた。
香川大学
学長 筧善行
『夏の体臭悪化を防ぐ!緊急皮膚ガスチェック』
東海大学理学部の関根嘉香教授によると、体外に放出される揮発性物質、いわゆる皮膚ガスは約300種類以上あるとし、夏の3大悪臭(加齢臭、汗臭、疲労臭)とその対処法を解説した。
1つ目は『2-ノネナール』という物質で、枯葉、古本、古い畳のようないわゆる“加齢臭”の元となるもので、皮脂の酸化によって生成される。その原因として紫外線を浴びることが挙げられる。ただ、紫外線を浴びなければ生成されないわけではなく、食べ物やストレスが影響し体内で作られることも。特に頭、顔、耳の後ろ、背中で多く、加齢臭を防ぐには、夜だけでなく朝もシャワーを浴びたりすることで洗い流すのが効果的という。他にも加齢臭を抑えるのには果物のカシスを推奨した。
また香水で新たな匂いを重ねると予期しない臭いになることもあるためその組み合わせが重要であると語った。2-ノネナールに対しては、シトラス系(レモン、ライム、ゆず、ベルガモットなど)や森林の香り(マツ、オークモス)などが効果的で、逆に控えた方がいい香りは、ウッディな香り(サンダルウッド、ヒノキ、パチュリなど)やパウダリーな香り(ムスク、クマリン、お香、おしろいなど)とのこと。
2つ目は納豆や、蒸れた靴下のようないわゆる“汗臭”の原因とされている『イソ吉草酸』という物質で汗を放置すると出やすいという。そもそも人間の体には、汗に含まれるミネラルを汗腺がろ過し体内に再吸収するというシステムが働いている。ところが、エアコンの効いた室内にいると汗腺が働かなくなるいわゆる『休眠汗腺』という状態になってしまい、室内から暑い外に出た場合にミネラルが再吸収されない状況が起きてしまうと解説した。そして、ミネラルを含んだベタベタした汗をかくことで菌が増殖しイソ吉草酸が原因となる悪臭が発生するという。その上で、『汗腺トレーニング』と呼ばれる運動やサウナなどで日頃から汗をかく習慣づけも必要と提言した。イソ吉草酸と合わせて効果的なのは、スパイシーな香り(クミン、カルダモン、ナツメグなど)や森林の香り(マツ、オークモスなど)で、シトラス系(レモン、ライム、ゆず、ベルガモットなど)は控えるべきとのこと。
3つ目はアンモニアを原因とする“疲労臭”で、疲労、ストレスによって肝機能が低下し、尿素に分解されるはずのアンモニアが体外に放出されてしまうことで発生するという。そしてストレスという観点から医者や教師に多く肝機能の低下が見られると付け加えた。肝機能の低下を防ぐには、しじみに含まれるオルニチンが効果的で、おすすめの食べ物としてしじみのみそ汁を勧めた。同じく腸内環境を整えるヨーグルトも疲労臭を抑えるのに効果的であるとした。アンモニアに効果的な香りはフローラルな香り(ジャスミン、ローズ、ガーデニアなど)やパウダリーな香り(ムスク・クマリン・お香・おしろいなど)で、合わせるのにおすすめしないのはシトラスの香り(レモン、ライム、ゆず、ベルガモットなど)とのこと。
また、悪い皮膚ガスだけでなく、いい香りの皮膚ガスも紹介。桃の香りの主成分にもなっている『γ-ラクトン』という物質を取り上げた。この物質は女子高生や20代の女性に多く、いわば男性を惹きつけるもので、加齢と共に減少するとのこと。γ-ラクトンはカシスを摂取することで増加するという実験結果が出ているという。
東海大学理学部
教授 関根嘉香
『老化の仕組みを解明!?カギを握るのは腎臓だった!』
自治医科大学抗加齢医学研究部 黒尾誠教授は、正常なマウスとある物質を排出できない老化したマウスの写真を紹介し、ミネラルの一種である『リン』が老化の原因になっていると解説した。実際、リンを取り除いたエサを与えることでマウスの老化も改善したという。
腎機能の低下によってリンは多く分泌され、それにより血中に形成された『リン酸カルシウム』がたんぱくと結合して動脈硬化・慢性炎症を引き起こすと明かした。リンは、成長期には骨の形成などに欠かせない物質であるが、大人になったらそれほど必要ではない。しかし少しずつ失われるリンは補充が必要とされている。健康な食生活でも必要量の3倍のリンを摂取、加工食品への依存度が高い人は必要量の5倍以上摂取しているともいわれている。
リンを過剰摂取すると、腎機能の低下を招く。タンパク質の多い食品はリンが多いが、リンを摂らないようにするためにタンパク質の摂取量を減らしてしまうと、栄養に問題があると語った。その上で必要なのは、摂取の仕方であるとし、リンを摂り過ぎない食生活を推奨した。
そもそもリンには有機リン、無機リンと大きく分けて2種類あり、注意すべきなのは、食品添加物に含まれる吸収率の高い無機リンであると語った。続けて豊かな食生活を送るためには食品添加物は必要とした上で、高齢、糖尿病、高血圧、慢性腎臓病の人は控えるべきと解説。ハム、ハンバーグ、ソーセージ類といった加工食品に多く含まれるとのこと。まずは、添加物のリンから気をつけるべきとし、さらには、食品ラベルの見方を教育したりするなど情報を知るだけでも添加物の摂取量が減少することがアメリカの研究でも明らかになっていると提言した。
他にも骨から溶けだすリンにも着目し座位行動時間(ずっと座ってる時間)が長いと死亡率が上がるというデータも紹介。その改善策としてずっと座って同じ姿勢をとらないためにも30分に1回立って2~3分ほど歩き回るだけでも効果的とした。
自治医科大学抗加齢医学研究部
教授 黒尾誠