株式投資家テスタに学ぶ 株取引のメソッドとは?『連想ゲーム』で2024年注目の株を大予想!さらに初心者が陥りやすいワナも解説
『カズレーザーと学ぶ。』今回のテーマは『2024年を生き抜く投資家テスタ禁断の株メソッド』
今回の放送では株式投資家のテスタ氏が、世界的投資ファンドでもアナリストとして活躍する名古屋商科大学大学院 大槻奈那教授とともに3つの講義を担当。自身の過去を振り返りつつ、株式投資のメソッドを明かした。
『テスタも昔は大失敗!投資初心者が陥りやすいワナ』
自身は300万円から株式投資をスタートさせたというテスタ氏は、投資に使用する金額について「最初は少なくして、慣れてから(お金を)増やす方が理想」と語った。大槻教授も「プロでも、ずっと下がらないってなかなかない」と株式投資において常に利益を出し続ける難しさを口にした。
テスタ氏は自身の失敗を例に挙げながら、株式投資初心者が陥りやすい『塩漬け』と『ナンピン』の危険性を解説。『塩漬け』とは、一度買った株を株価が下がっても手放さず放置してしまうことを意味する。株価が下落したとしても売却しなければ損をしていないと思いがちだが、その株を保有し続けることで次に挑戦するチャンスを失ってしまう。株価が下落している時点でその株は損を生んでいるとみなし、他の株などにお金を移す必要があるのだという。大槻教授も行動経済学の研究から、含み損率が−4%〜0%の時は株価が回復するかもと考え、投資家が売却を控えるケースが多いことを紹介したうえで、0%に回復する直前で再び株価が下落するケースなどもあることから、ある程度で見切りをつけることの必要性を解説した。
一方の『ナンピン』とは、買った株の価値が下落した際に再び同じ株を買い足すことを指す。特に初心者が株の平均購入額を下げようとしてこのような行動を取るそうだが、すでに一度株価が下落している時点で購入者の予想は外れていると言えるため、追加で株を購入することでさらに大きな損につながることもあるのだという。
時には『塩漬け』や『ナンピン』を行った結果株価が回復することもあるが、そういったケースはまれであるうえ、社会情勢の変化などで株価が大きく下落することもあるため、常にリスクを最小限に抑え、慎重な株式投資を行う重要性が語られた。
『テスタ流「連想ゲーム」でひも解く 2023年上がった株 下がった株』
テスタ氏の株メソッドの真髄は、社会情勢などから経済の動向を予測し、その時々で需要が高まる商品やサービスを分析する『連想ゲーム』にある。他人が気づかないうちに、『連想ゲーム』で一歩先の株を買うことで、より大きな利益を生んできたそうだ。そんなテスタ氏が2023年の出来事を振り返り、株の上下動とその要因を解説した。
コロナ禍が落ち着きをみせたことで、観光業を中心に鉄道やレジャーの需要が高まった2023年。テスタ氏はこの情勢から、単にホテルなどのわかりやすい銘柄ではなく、ホテル業に付随して需要が高まる、ベッドなどを取り扱う企業の株に注目したのだという。誰でも目に留まるわかりやすい銘柄では、大きな利益を生むことが難しいため、各企業の規模などを総合的に判断したうえで、連想ゲームを駆使して経済の動向を見極めることが株式投資には重要なのだそうだ。
ほかにもテスタ氏は、春に話題となったWBCにまつわる意外な株価の変動を紹介。野球に関連するスポーツメーカーなどの株価が上昇しただけでなく、なんと選手と同じ名前の全く異業種の企業が株価を上げたケースがあったのだという。短期間で4倍ほど上昇した株もあったそうで、ダジャレのような理由でも株価に影響が出るケースも珍しくないと話した。ただし、こうした現象はあまりにも企業の業績等と無関係な場合も多く、すぐに株価が下落することもあるため、見極めには注意が必要だという。
『テスタの芸能人株道場 武藤とこがけんに鬼ダメ出し』
過去の放送にもたびたび出演しているテスタ氏は、芸能人が行っている株式投資の様子を評価。芸能人が購入した銘柄や、運用方法についてアドバイスを行った。
はじめにテスタ氏は株式投資の基本的な考え方についてコメントし、「自分の買った値段から、今プラスマイナスをスゴい中心に考えてしまって(いる)。自分が買った値段とか、売った値段っていうのは、株価には何の影響もない」と、あくまで重要なのは株価が今後上がるのか下がるのかという点だと強調した。つい自分が買った時点での株価を中心に取引のことを考えてしまいがちだが、それでは小さな株価の変化に惑わされ『塩漬け株』を作る原因になってしまうのだという。目先の損得ではなく株価の変化を予想し、後の利益についても考えることが重要なのだそうだ。
さらに近年注目を集める、『ロボアドバイザー』という全自動で資産運用をするシステムの使い方にも注意を促し、株式投資初心者は“株を学ぶ”という経験を積む必要があるため、全自動運用を導入するべきではないと苦言を呈した。はじめから運用を人任せにするのではなく、少額しか運用していない初期段階こそ自分で株の取引を行い、考える経験を積むべきだそうだ。
株式投資家
テスタ
名古屋商科大学大学院
教授 大槻奈那