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カズレーザーと学ぶ。

毎週火曜よる10時00分〜11時00分 放送

『カズレーザーと学ぶ。』今回のテーマは“脳”

2022.11.08 公開

現代人を襲う心と体のトラブル。今回は”脳”をテーマに3人の専門家が、実験結果などを交えつつ、嫉妬の正体、無意識の謎、イップスの原因を解き明かす。

『11月は人の攻撃性が増幅!?嫉妬を生む脳内メカニズム』
東北大学加齢医学研究所 脳科学者 細田千尋准教授は、脳内ホルモンの働きや仕組みを挙げ、嫉妬の正体に迫った。『オキシトシン』という物質は、人と人とのつながりを強める役割があり「愛情ホルモン」とも言われるが一方ではネガティブな一面もある。脳内のオキシトシンレベルが上がり、信頼や共感などのつながりが強くなると、そこに異端と思われるものが入ってきた時に排外感情が生まれ、サンクション(制裁行動)という不当な評価をするようになることが分かっているという。制裁を行うことで、特定の集団内で自分が認められるという意識もあり、ある種の興奮状態でドーパミンが出ている状態とも考えられている。

また、オキシトシンのレベルが高いと、不平等だという感情から、自分にはない物を持つ他者に嫉妬心が生まれるとされている。芸能人・有名人は(富や名声)持っているものが多く、無意識的に嫉妬感情があるので、(不倫のニュースなどで)そういう人が失敗すると”他人の不幸は蜜の味”として、その時にもドーパミンがでる。さらに『セロトニントランスポーター』という遺伝子が大きく関わっていると言われ、60%以上が分泌量の少ないS型を持つと言われる日本人は不安になったり愚痴っぽくなったりという可能性が高くなるという研究もある。

『セロトニン』は体内から出せるものではなく、日光を浴びることで分泌が促進されると言われてもいるが、日照時間の影響か分からないが、10月、11月などをはじめ、季節の変わり目にいじめの件数が増えるというデータもあるという。

 

『人類に自由な意志はない!?ヒトは脳の操り人形!』
東京大学 脳神経学者 渡邉正峰准教授は、「(人間の)意識は(現実の)世界から遅れている」とし、人間が感じている世界=意識は現実から過去の世界で大体0.5秒ほど遅れていると語った。

それを裏付けるような実験『触覚ラビット錯覚』の模様も紹介。目をつぶった状態の被験者の伸ばした腕をペンで計3回素早くたたく。2回同じ箇所をたたき、3回目は離れた場所をたたく。被験者に2回目の場所を聞くと、1回目、2回目にたたいた場所と3回目の中間点(実際はたたいていない場所)を答えるという実験。これは、3回目にたたかれる場所が変わったことで、1回目→2回目→3回目と移動しているように感じており、意識が引っ張られているのがわかる。

さらに、人間の行動は、無意識の脳活動が先に決めていて、それを意識する瞬間は後から遅れてやってくる仕組みも解説。人間の行動の多くは、脳で無意識に処理されているという。しゃべるときに、構文や日本語の文法を考えないことや、自転車に乗るために、倒れそうになるとハンドルを切るといった無意識が鍛えられているから起こるという例も出し、その無意識が高性能でもあることも付け加えた。

 

『イップスの正体は脳の病?<局所性ジストニア>』
卓球選手がラケットを握れなくなる。野球選手がボールを前に投げられずたたきつけてしまう。ドラマーの手が固まりドラムがたたけなくなってしまう。そんなアスリートやアーティストが特定の動きだけできなくなるという”イップス”に関して、東京女子医科大学 脳神経外科の堀澤士朗医師は、イップスの大半はメンタルでは改善しない脳の病気で基本的には自然回復はしないという。

近年、イップスの多くは『局所性ジストニア』という脳の疾患であることが判明している。訓練のし過ぎなどによる脳の運動回路の使い過ぎで脳の指令異常が起きているのが『局所性ジストニア』であり、その治療法は、堀澤医師の師匠でもある脳神経外科医の平孝臣医師により確立された『定位的熱凝固術』という手術。

意識のある患者さんの脳に電極を刺し(腕や指など)出来なくなった動作をしながら行うという驚がくの方法である。一番良かった状態に戻るとは限らないが、戻った人もたくさんいるとのこと。ただ、この手術の難しいところは局所性のジストニアそのものを治しているというよりは、脳の手術をして筋肉の緊張を無意識に落とすというもの。感覚を取り戻すにはリハビリが必要で全ての患者が完治に至るわけではない。

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