“増える隠れ味覚障害” “太りやすい体質を変える夢の食材” “肉アレルギーの意外な原因” 食欲の秋に知っておきたい新知識!
『カズレーザーと学ぶ。』今回のテーマは『現代人を襲う食の危険!』
『“隠れ味覚障害”の危険性と、その改善方法は昆布ダシが効果的』
“隠れ味覚障害”の患者数が増加していると指摘するのは、徳島大学大学院 医歯薬学研究部堤理恵だ。推定で4人に1人が隠れ味覚障害の症状を抱えている可能性があるという。さらに味覚障害は塩分や糖分の過剰摂取を引き起こすため、深刻な病気のリスクを高めてしまうともいわれている。
隠れ味覚障害に効果的だとされるのはうま味を感じ取る感覚を鍛えるという方法で、昆布ダシを1日あたり1リットルほど摂取することで、昆布ダシに含まれるうま味成分“グルタミン酸”の働きによって、うま味を伝える受容体“T1R3”が増加し脳がうま味を認識できるようになるという。
徳島大学大学院 医歯薬学研究部
堤理恵
『肥満体質の改善に、いま注目される“あけび”』
名古屋大学大学院 医学系研究科 長谷川靖司特任准教授は、脂肪細胞にはいくつか種類があると語った。1つ目は中性脂肪や糖などエネルギーを蓄積する『白色脂肪細胞』。2つ目はためこんだ脂肪を燃焼し減らす『褐色脂肪細胞』。ただしこの褐色脂肪細胞は年齢と共に減少し、成人の体内にはほとんど残っていない。そして、第3の脂肪細胞として『ベージュ脂肪細胞』の存在が新たに発見された。大人になっても体内に残り脂肪を熱エネルギーに変えることができる。この細胞を増やすことが体質改善の鍵になるという。
20年かけて研究、1000種類以上の素材を検証した結果、最新の研究で白色脂肪細胞をベージュ脂肪細胞に変化させられる可能性がある食材として、果物の『あけび』が注目されているという。研究段階ではあるが、あけびに含まれる成分が皮下脂肪や内臓脂肪に働きかけ、体質を変化させる可能性が示唆されている。
名古屋大学大学院 医学系研究科
特任准教授 長谷川靖司
『謎の肉アレルギーを発症!その原因はマダニ』
近年日本人に増えているという“肉アレルギー”は、かゆみやじんましん、最悪の場合アナフィラキシーショックなどを引き起こすと島根大学医学部 皮膚科千貫祐子准教授は語る。
肉を食べてアレルギー?と思うかもしれないが、その原因は春から秋にかけて増加する『マダニ』。マダニにかまれると、私たちの体内には『α-gal(アルファガル)』と呼ばれる糖の仲間が混入する。この物質に体内の抗体が反応するが、このα-galは牛肉や豚肉などにも含まれるため、マダニにかまれた後に哺乳類の肉を摂取すると、アレルギー反応が引き起こされる場合があるという。
また、もしマダニにかまれ、α-gal症候群を発症してしまっても、その後、平均で3年半マダニに1度もかまれず、鶏肉以外の哺乳類の肉を食べずに我慢することで症状は改善するという。また肉アレルギーの発症には血液型も大きく影響しており、A型やO型の人は発症リスクが特に高いため注意が必要だ。
島根大学医学部 皮膚科
准教授 千貫祐子