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カズレーザーと学ぶ。

毎週火曜よる10時00分〜11時00分 放送

脳 血流 ツボ 疲れとカラダの関係性とは?最新科学で疲れない体を手に入れる

2024.02.06 公開

『カズレーザーと学ぶ。』今回のテーマは『疲れないカラダを手に入れる』

『心の疲れも体の疲れも正体は一緒!慢性疲労の原因は脳の炎症!?』

生活のなかで感じる慢性的な疲労。神戸大学大学院 科学技術イノベーション研究科 特命教授で日本疲労学会 理事長の渡辺恭良氏は、この疲れの原因は脳にある可能性が高いと語る。渡辺氏によれば、慢性的に強い疲れを持っている人は、幸福ホルモンである『セロトニン』を生成する中脳で炎症を起こしている傾向があるそうで、この炎症によってセロトニンの量が減少すると痛みを感じやすくなったり、睡眠の質の低下を招いたりと、さらなる疲労を呼ぶ悪循環に陥るという。

こうした炎症は、人間が細胞内でエネルギーを生成する際にあわせて作られる『活性酸素』の増えすぎが原因で、本来は体内に侵入する細菌やウイルスを殺菌・分解する生命維持に欠かせない活性酸素を減らそうと脳がオーバーワークをすることで慢性疲労が引き起こされるそうだ。また精神的な疲労だけでなく、肉体的な疲労にも活性酸素が起因しているという。渡辺氏は、最新の研究から脳内に存在する免疫細胞『ミクログリア』の炎症を修復する機能に着目し、慢性疲労を緩和するために就寝前の長風呂や休日の寝だめを避け、規則的なサイクルのある適切なスケジュール管理を行う生活を推奨した。

神戸大学大学院 科学技術イノベーション研究科 特命教授
日本疲労学会 理事長 渡辺恭良

『体が硬い人は〇〇も硬い!?疲れやすい体質改善のカギNO(エヌオー)』

疲れやすさが体の硬さでわかると語ったのは、立命館大学 スポーツ健康科学部 家光素行教授だ。家光氏によると、体が硬い人は血管も硬い傾向があるのだそうで、血管が硬くなると血流が滞りやすくなるという。血流が滞ると活性酸素のような疲労物質もたまりやすくなってしまう。なお、体の硬さと血管の硬さの関係性は完全には解明されていないが、コラーゲンの過剰な増加によって筋肉の柔軟性が失われる線維化が、血管でも同時に発生していると見られるそうだ。

家光氏はこうした線維化で固まった血管を柔らかくするカギとして、『NO(一酸化窒素)』の分泌を紹介。血流の刺激によって増えるNOには血管を柔らかくする機能があり、ジョギングやウォーキングなどの有酸素運動を長時間続けることで、NOの分泌が促進されるという。有酸素運動が難しい場合は、ふくらはぎなど血液循環に影響をおよぼす部位のストレッチや、1時間に1回程度の起立、さらには貧乏ゆすりなどでも血流が刺激され、疲労回復が見込めると、家光氏は語った。

立命館大学 スポーツ健康科学部
教授 家光素行

『ツボで本当に疲れは取れる!?脳内麻薬オピオイドの効能』

新潟医療福祉大学 鍼灸健康学科長 粕谷大智教授は、科学的根拠に基づいた指圧や鍼などツボ刺激の効果について解説した。粕谷氏によれば、ツボを刺激すると皮膚に存在する痛みなどを認知する受容器『ポリモーダル受容器』が脳を刺激する信号を出すそうで、刺激を受けた脳は痛みから体を守ろうと修復信号を出し、結果、疲労軽減や鎮痛効果などをもたらすという。特にWHO(世界保健機関)が認定している361のツボには、知覚神経が密集しており、その効果も高く、なかには、片頭痛などを緩和する効果が実証されているツボも存在するという。

なおツボへの刺激で疲労解消効果が得られるのは、刺激により神経伝達物質の一種である脳内麻薬『オピオイド』が分泌されるからであり、この物質の効果で体の痛みが和らぐことがあるという。このオピオイドはツボ押しだけでなく、運動や好きな音楽を聴くことなどでも分泌されるそうだ。

新潟医療福祉大学 鍼灸健康学科長
教授 粕谷大智

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