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働く乗り物の訓練に欠かせない シミュレーターの操縦に挑戦【2025/3/2 所さんの目がテン!】

2025.03.17 公開

人手不足解消のため、さまざまな進化を遂げる重機の操縦。しかし高い操縦技術が必要な重機の場合は、技術の継承にどうしても時間がかかってしまいます。そんな問題にひと役買っているのが訓練用のシミュレーター。3月2日(日)日本テレビ「所さんの目がテン!」では、働く乗り物のシミュレーターに注目しました。

道路の除雪作業を行う「除雪グレーダ」

生後3か月までハワイで過ごし、雪がめずらしいという吉田共朗が訪れたのは、宮城県大崎市にある鳴子除雪ステーション。登場したのは雪国で活躍する除雪グレーダです。

全長約9.3m、全幅約2.6m、全高約3.4m。ブレードと呼ばれる雪をかく部分は約4mの長さを持ち、積雪5cm以上になると出動し道路の除雪作業を行います。雪が降っても車が安全に走行するために欠かせない重機です。

国土交通省 東北地方整備局の佐藤英樹さんの案内で操縦席をのぞくと、「あれ?ハンドルないんですか?」と吉田は驚きます。

佐藤さんは「ジョイスティックタイプといい、左右にあるジョイスティックで操作する」とのことで、除雪グレーダにはハンドルタイプもありますが、こちらは左右の2本のレバーで操縦するジョイスティックタイプです。

そして、この操縦を初心者でも学べるというシミュレーターのある宮城県多賀城市の東北インフラDX人材育成センターを訪問しました。

先程登場した佐藤さんと同姓同名の、国土交通省 東北地方整備局 佐藤英樹さんの案内でシミュレーターのブースへ向かいます。除雪グレーダの操縦席をリアルに再現した操作訓練用シミュレーターは、2024年11月に全国で初めて青森や秋田で運用され始めたばかりのもの。実際の操縦席から見える広い視界を再現した5枚のモニターを備え、操作するジョイスティックやシートも実物の感覚とほぼ同じです。

以前の除雪グレーダは2人乗りで、隣に熟練オペレーターが同乗し指示や補佐をしながら除雪していました。しかしコックピットが大きいと重心が不安定になり、転倒事故が起こりやすかったため、現在はコンパクトな1人乗りに切り替わりました。つまり、デビューと同時に独り立ちしなければいけなくなったのです。そこで登場したシミュレーターにより、実践前にしっかり訓練することが可能になったのです。

吉田はブレードの基本操作を教わります。左のレバーを押すとブレードが下がり、引くとブレードが上がります。右のレバーを左に倒すとブレードが左にスライド、右に倒すと右にスライド。右のレバーを左にねじると左に回転、右にねじると右に回転します。左のレバーを左右に倒すことで、車体の向きも操作できます。雪道を走りながら、常にブレードを操作しなければならないのが難しいポイントです。

青森の除雪の工区を再現した、実在する国道7号を舞台にシミュレーターでの除雪をスタート。全長9m以上ある車体。乗用車の感覚では曲がりきれず、反対車線にはみ出してしまうなど吉田は悪戦苦闘。

左側の除雪を狙う際、「路肩に合わせてブレードをだいたい60度くらい」と佐藤さんからの指導が。除雪するとき、よけた雪は左の路肩に寄せるため、ブレードの角度を左に傾ける必要があります。

シミュレーターでは、ブレードがセンターラインを越えてしまい追い越してきたトラックに当たってしまうというアクシデントや、雪に隠れたマンホールの蓋にブレードを引っ掛けてしまうトラブルも発生。

雪が積もると隠れて見えなくなってしまうマンホール。佐藤さんは「雪が降る前に印をつけておくんです。オペレーターさんはどこにマンホールがあるか、だいたい覚えている」といいます。マンホールの位置に来たら、数センチほどさっとブレードを上げるのがプロの技なのだそうです。

続いて、さらに難関なコース・吹雪の中の山間部でのシミュレーションに挑戦。画面は前が全く見えず、ホワイトアウト状態。しかしこれは除雪時にはよくある状況だそう。路肩に積もった雪で、横から来た車に気づかず、急ブレーキでギリギリ回避するというハプニングも発生。

除雪車が働く環境は一瞬たりとも気が抜けません。他にも、吹雪の夜の市街地、吹雪の夜の山間部など、さまざまな状況で訓練を重ねて経験を積みます。

シミュレーターでたっぷり1時間訓練した吉田は、実物のグレーダの操縦に挑戦します。大型特殊免許などを持っていないと走行はできないので、今回はブレードのみを操作して雪を動かす体験をします。そして、わずかですが雪を動かすことに成功。「すごい!シミュレーターでやった通りです!次はスライドさせたいと思います。僕は今グレーダを動かしています」と感動の様子。

林業に欠かせない「ハーベスタ」

続いては、所ジョージが操縦してみたいと言っていた、林業に欠かせない重機のシミュレーターが登場。昨年9月に放送した「林業ボーイズ・これからの林業」でその様子を見た所は「すごいね~!まいったね」と木の伐採・採寸・玉切りを行える高性能林業機械・ハーベスタに釘付けになっていたのです。

実はこのハーベスタにもシミュレーターがあります。今回、シミュレーターがスタジオに登場。新宮商行 林業機械部の齋藤広弥さんに指導していただきます。

フィンランド・PONSSE社製造のハーベスタシミュレーターは、実際の操縦レバーと同様のものを使ったリアルなシミュレーターで、訓練用として使用されているもの。 細かい制御コンピューターの操作方法などはメーカーによって違いますが、基本的なハンドリングは他社製品と共通している部分が多いので、様々なメーカーのハーベスタの練習用としても使えます。

所が椅子に座り、齋藤さんからの操作方法のレクチャーがスタート。まずはエンジンを始動。そしてレバーを動かしていきます。シミュレーターでは、右レバーを前に倒すとヘッドが上がり、手前に引くとヘッドが上がります。右レバーを左右に倒すことでヘッドが回転。レバーの裏にあるトリガーを引くとヘッドが開閉し木をつかむことができ、左レバーの赤いボタンを押すとチェーンソーが出て木を切ることができます。ペダルを両足前に踏み込むと前進、かかと側に踏み込むと後進。

いよいよ木を切る作業に挑戦。所は木を一定の長さに切り分ける玉切りにも成功するなど、「とてもスムーズ」と齋藤さん。スムーズに操作をこなすもこのハーベスタシミュレーターは1000万円以上するそうで、「車1台売ろうかな?」と悩む所でした。

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