具材を重ねる順番も重要!失敗しないサンドイッチの作り方とは?【2024/8/4 所さんの目がテン!】
8月4日(日)放送の日本テレビ「所さんの目がテン!」は行楽のお供・サンドイッチがテーマ。見栄えも華やかでお弁当にも最適ですが、作ってから時間がたつとパンが水っぽくなってしまいがち…そんな悩みを科学の力で解決。失敗しないサンドイッチの作り方とは?今外国人観光客に人気のたまごサンドが、おいしくなるコツも紹介しました。
サンドイッチが世界各国で好まれる理由
世界各国にご当地サンドイッチがありますが、なぜサンドイッチが世界共通の食文化として好まれ続けているのでしょうか?その秘密を探りに筑波大学へやってきました。
食べ物を食べたときの脳波に関する研究などを行ってきたシステム情報系知能機能工学域 川崎真弘准教授に協力いただき、サンドイッチを食べたときの脳波を被験者3人で計測します。
被験者に食べてもらうのは2種類のサンドイッチ。ひとつは、バターを塗ったパンにハムだけをはさんだサンドイッチで、もうひとつはハムにレタスを足したサンドイッチ。被験者には、これを「もう食べたくない」と感じるまで食べ続けてもらいます。
集中するため、かんでいるときは目をつむり、これ以上食べたくないと思ったら、キーボードの「もう食べたくない」ボタンを押してもらいます。すると、ハムだけのサンドイッチは4つ目をあとひと口残したところで「もう食べたくない」ボタンが押されました。
実験の間隔は3時間空けます。ハムとレタスのサンドイッチでも同様に計測。こちらは6つ目を食べ終えたところで「もう食べたくない」ボタンが。
脳波を分析すると、川崎先生は「ハムだけを挟んだサンドイッチに対しては、前頭のシータ波という飽きに関係する脳波リズムが早い段階から増加することがわかりました。一方でハムとレタスを挟んだサンドイッチに対しては、前頭のシータ波の増加が、緩やかに、遅い段階で上がってくるという結果を示しました」と説明。つまり、ハムだけのサンドイッチのほうが、ハムレタスサンドよりも、早い段階で「飽きていた」ことが判明しました。
被験者の女性は「ハムとレタスの方が食感も違うものが入っていたので、どんどん食べ進めていけた」と振り返りました。ほかの2人でも実験したところ、全員、ハムサンドよりも、ハムレタスサンドのほうが「飽きの脳波」が遅く出ている、つまりレタスを足した方が「飽きづらい」という結果に。
「サンドイッチはパンの中にいろんな具材が挟まっていますが、複雑な味を持っていますし、複雑な食感を生み出す。脳の中では、味や匂いや食感、いろんなものに注意を向けながら食事をすることになるのですが、注意を分散されることによって飽きにくさを生んでいる可能性があると思います」と川崎先生が解説します。
味も食感も豊かなサンドイッチは、「飽きにくい」からこそ世界中で食べ続けられていたのです。
ただ、川崎先生によると人間の脳が複雑さを認識して「楽しむ」には限界があるため、具の種類をただ増やすのではなくバランスが大事とのこと。
サンドイッチをおいしく作るための順番とは?
続いては、サンドイッチを作るときのお悩みを解決。どんな種類でもおいしいサンドイッチですが、家で作ったことがある方に街頭インタビューをしてみると、パンが水っぽくなり食感が悪くなってしまったり、切ると形が崩れてしまったり、という失敗談が続々。
きょうきょうこと湯上響花が調理科学の専門家、東洋大学 食環境科学部 露久保美夏准教授に失敗の原因を聞いてみました。露久保先生は「サンドイッチがベチャッとしてしまうのは、具を重ねる順番が間違っているということがあります」といいます。
そこで水っぽくならない方法を伝授していただきました。トマト、ベーコン、レタス、ソース、バターを使って、「BLTサンドイッチ」を作ります。
まずパンにはバターを全面に塗っていきます。露久保先生は「常温に戻しておくと少し柔らかくなって塗りやすくなる」「バターは油が含まれていますから油膜を作ることで、このあと乗せていく具材から出る水分をブロックしてパンに入りこまないようにしてくれます」といいます。
マーガリン、マヨネーズ、クリームチーズやピーナッツバターなども油分を含むので、お好みで変えてもいいそうです。
具で最初に重ねるのはベーコン。平らな形状で「安定して上に重ねていける」点と、ベーコンは野菜などに比べて水分が少ないので、パンに一番近いところに置くという理由もあります。
そして次にトマト。「トマトの果肉のジュルっとした部分がパンに触れてしまうとぐじゅっとしてしまうことがあるので、トマトは直接触れないようにベーコンの上にのせます」と露久保先生。
続いてソースはマヨネーズとケチャップを混ぜた「オーロラソース」、これも水分が多いので、できるだけパンから離します。味付けにもなるので、野菜の間にはさむのがいいとのことです。
次に重ねるのはレタス。レタスは、重ねる前にキッチンペーパーで水分をしっかりと取るのがポイントです。
最後にもう一枚のパンもバターの油分でしっかりコーティング。上下を油分でブロックし、水分の多い食材はパンに直接触れないよう真ん中に挟むことで、パンに水分が入り込むのを防ぎます。
もう一つのお悩み「切ると形が崩れてしまう」の解決法。まずは完成したら少し上からおさえるようにして、きつめにラップで包みます。
そして冷蔵庫で10分ほど寝かし、パンと具を馴染ませます。これをラップごと包丁で切れば形は崩れません。
ラップに包んだままお弁当箱に詰めれば、食べるときも手が汚れません。この基本を踏まえれば、具が変わっても、失敗のない、おいしいサンドイッチが作れます。
たまごサンドを作り続けて41年 喫茶店の調理チーフが直伝
今、“日本のたまごサンド”が外国人観光客の間で人気急上昇中。海外のたまごサンドと何が違うのか街頭インタビューで聞いてみると「クリーミーでシンプルで飾らない味」という声が。海外のサンドイッチはスライスしたゆで卵や目玉焼きを他の具材と一緒にはさんだスタイルですが、日本のたまごサンドはたまごだけをはさみ、味付けも、基本は塩こしょう・マヨネーズとシンプル。これが日本ならではと大人気なのです。
そんなたまごサンドを家でおいしく作るコツを学びに、いかちゃんが東京・銀座で70年近く愛され続ける喫茶店「銀座 みやざわ」を訪れました。1日約100食売れる人気のたまごサンドを作り続けて41年、調理チーフの外塚信一さんに教えてもらいます。
まずは卵のゆで加減。「柔らかいと混ぜたときドロドロになっちゃうんですよね」といいます。家でゆでる場合は、水の状態から卵を入れて、沸騰してから約10分。しっかり固ゆでにすることが味にも関わる重要なポイントだそう。
ゆであがったら冷水にとり、急速に冷やします。こうすることで中の水蒸気が冷やされて水になり、殻と卵の間に水が溜まって隙間ができ、むきやすくなります。
そして、水っぽくならないように水分をしっかり拭き取ります。この卵を、スライサーを使って粗めにみじん切りに。もちろん包丁でも大丈夫です。
味付けは、シンプルに塩コショウ。白身をヘラで切るように混ぜていきますが、ここからがポイントです。白身に黄身がまとわりついてくるまで約1分半、全体的に黄色くなるまで混ぜます。そしてマヨネーズを投入し、さらにそこから粘り気がでるまで入念に混ぜていきます。合計約3分半混ぜ合わせ、ヘラからボトッとかたまりで落ちるくらいの硬さになったら完了です。
軽く混ぜたものと比べると、色も質感も全く違います。食べ比べてみると、何も足していないのに、しっかり混ぜた方が濃く感じました。これは一体なぜなのか、露久保先生に聞いてみると「よく混ぜるということのポイントは卵黄の分散ですね」といいます。
「固ゆでにした卵黄は、少し粉状に広がりやすいので分散しやすい。よく分散してきた卵黄とマヨネーズが混ざり合っていて、それがまた全体に均一に広がっていくので全体で見たときにコクがあって、もったりとした独特の食感が生まれてくる。状態が変わってくるので味の感じ方に違いを及ぼしているということが言えます」と解説してくれました。
仕上げに、パンにからしマーガリンをぬってからたまごを挟みます。これで40年以上愛され続ける、絶品たまごサンドの完成です。
さらに外塚さん曰く、パンはサンドイッチをつくる直前に袋から出すなど絶対乾燥させないことも大事だそう。せっかく粘りのあるたまごに仕上げても、パンが乾燥して固くなると、なじまなくておいしさが半減してしまうそうです。
オリジナルレシピでサンドイッチ対決
そして最後は、きょうきょうといかちゃんのサンドイッチ対決!どちらが所ジョージに「おいしい!」と言ってもらえるか、オリジナルサンドイッチで勝負します。
2人はオリンピック高井戸店でそれぞれメイン食材を探します。実家はお食事処・調理師免許を持ついかちゃん。鮮魚コーナーで足を止め、お刺身用サーモンをメイン食材に決定。気になるのはしば漬け。一体どんな味に?
きょうきょうが向かったのは精肉コーナー。メイン食材は鶏のむね肉に決定。さらに、色合いがきれいな野菜と、バターの代わりにクリームチーズを使うことに。
そして露久保先生に教わりながら調理。きょうきょうは、鶏ハム作りをしていきます。味が染みやすいようフォークで穴を開けた鶏肉に、塩コショウで味付け。うま味が流れ出るのをおさえるために耐熱のポリ袋に入れて、沸騰後弱火で20分ほどゆでます。
その間に紫キャベツに塩を振り余分な水分を出し、パンに水分がしみないようにひと工夫。お酢を和えてマリネに。酸性の働きで紫色の色素・アントシアニンがピンクっぽく変わり、紫キャベツはより鮮やかになりました。
色鮮やかな野菜を並べて、鶏ハムをのせ、油分のあるクリームチーズをたっぷり塗って、パンに水分がしみないようブロックし、完成!
いかちゃんは慣れた手つきで厚焼きたまごを作り、あおさのりを足したパン粉を大胆にサーモンにまぶし、少量の油で揚げ焼きしていきます。
しば漬けはみじん切りにして食感の複雑さをプラスします。厚焼きたまごを下にして、野菜の水分がパンにしみるのをブロック。
かなりのボリュームですがラップでしっかり包んで型崩れを防止、10分置いてパンと具をなじませて完成!
そしてスタジオで所が実食。まずはきょうきょうのサンドイッチから。所は「もっと塩きかせたほうが良かったのでは?もっとエッジが立つ味の方が」とアドバイス。続いていかちゃんのサンドイッチを食べた所は「面白い。しば漬け、レタス、サーモンが混ざるとトウモロコシの味がする」という感想。そして勝敗は「ほんの僅差、きょうきょう」ときょうきょうが勝利となりました。
なお、夏は食中毒が起こりやすい季節。具材は火を通し水分が少ないものを入れる、傷みにくい食材を使うなど十分に注意してください。