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せいろで簡単にいろんな料理!料理初心者や忙しい人にも最適 せいろの活用法を探る【2023/12/3 所さんの目がテン!】

2023.12.11 公開

12月3日(日)放送の日本テレビ「所さんの目がテン!」は「せいろの科学」。せいろと聞くと使いこなすのが難しいイメージがありますが、 実は簡単に使えて食材が劇的においしくなると、近年家庭料理にせいろを取り入れている人が増えているんです。

せいろは焦げ・煮崩れする心配がない

せいろを調査するいかちゃんは、実家がお食事処を経営、自身も調理師免許を持っています。そんないかちゃんにせいろの魅力を教えてくれるのは料理研究家の白崎裕子さん。白崎さんは、せいろは一人暮らしの人や料理初心者、忙しい人にもおすすめだといいます。

まず今回は、数種類の野菜と厚揚げをせいろで蒸していきます。全体を水でさっと濡らし、せいろの上にクッキングシートを敷きます。クッキングシートを敷くことで汚れず手入れが楽になるそうです。

そして下味をつけていない食材をせいろに入れ、火の通りにくいものはなるべく下へ入れ、沸騰した鍋の上にせいろをのせ15分加熱。調理工程はこれだけ!

フライパンや鍋での調理は火加減や加熱時間を間違えると、具材が焦げたり硬くなったりパサついたりしますが、せいろは火加減が一定。鍋底全体に当たるくらいの強めの火力で蒸します。また、多少蒸す時間をオーバーしても焦げたり煮崩れすることはありません。

そして15分後、パプリカやエリンギなどにしっかり火が通っています。せいろで蒸されたパプリカをオリーブオイルと塩こしょうで、厚揚げは味噌とオリーブオイルの組み合わせでいただくと…いかちゃんは美味しさに感動!どの食材もしっかり中まで火が通りおいしく仕上がっていました。

ゆで・電子レンジ・蒸し それぞれの調理法を比較

せいろで蒸すという調理法はどんな効果があるのでしょうか?

東洋大学 食環境科学部 露久保美夏准教授とともにゆで・電子レンジ・蒸し調理の違いを調査していきます。比較するのは輪切りのさつまいも。せいろで蒸す、鍋で煮る、電子レンジで加熱するの3つの方法でさつまいもに竹串がスッと入るくらいまで加熱し、比較します。

3分後、まず調理が終了したのは電子レンジ。短時間で調理ができます。蒸しとゆではまだのようです。露久保准教授いわく、蒸し調理とゆで調理は加熱時間がほぼ同じなんだそう。ゆでる場合は、まず100度の熱湯の対流により食材表面が加熱され、その後中心部へ徐々に熱が移動し全体が加熱されます。 

蒸し調理は水蒸気で加熱。せいろの内部は約100度に。水蒸気は食材に触れて温度が下がり液体に戻る瞬間、保有している熱をまわりに一気に放出します。この水蒸気から液体になるときに放出される熱を潜熱といい、一気に食材の表面が加熱されます。潜熱によって食材の表面温度が100度まで上がると水蒸気から液体になることはなく、食品内部の温度上昇は緩やかになります。結果、ゆでる時とほぼ同じくらいの時間で加熱できるのです。

10分後、鍋でゆでたものと同じタイミングで、せいろで蒸したものも加熱が完了しました。3種類を食べ比べてみると電子レンジで加熱したさつまいもは少しパサパサとした仕上がりに。食材内部の水分子を振動させ発熱、短時間で100度にまで加熱させる電子レンジ。温められた食材内部の水分子は100度になると蒸発するためパサつきが出てしまいます。

鍋でゆでたさつまいもは「水分が中までしっかり残っている感じ」といかちゃん。さらに、せいろで蒸したさつまいもはパサつきもなくより甘さを感じるといいます。甘さを10段階で評価した研究によると、電子レンジやゆでに比べ蒸し調理の方が甘みを感じられるという結果が出ています。

さつまいもやカボチャを加熱するとデンプンを分解するβアミラーゼという酵素が働き、麦芽糖ができるので甘みが増します。このβアミラーゼは60度前後でよく働きます。せいろは、電子レンジに比べその温度帯をゆっくり通り過ぎることができるので甘さが増したのです。

露久保准教授いわく、ゆで加熱は食材の水溶性の栄養素がお湯の中に流れ出やすくなりますが、蒸し料理は水蒸気で加熱するので水溶性の成分の溶出も少ないそうです。また、蒸気によってほぼ360度ムラなく均一に加熱されるのでひっくり返す必要がなく食材の色、形も保たれ見た目も美味しく仕上がります。

冷凍食パンも焼きたてのような状態に

続いて、せいろの片付け方を白崎さんに聞きました。まずクッキングシートを剥がし、汚れがついていない場合、布巾で表面を拭き取ります。そして風通しのいい日陰に置いて完全に乾かします。汚れがついたら、綺麗に洗い流し食材を入れずに空蒸しをすれば清潔に保てます。

また、せいろで冷凍の食パンを蒸すとなんと焼きたてパンのようにもちもち食感になるんです!その理由を小麦粉に詳しい工学院大学の山田昌治博士にうかがいました。

「食パンの白い部分はクラムというんですけど、クラムを構成しているのはタンパク質とデンプンなんですね。デンプンの性質として、適度な水分を含むともちもちになる。今回は水ではなくスチームで温めたのでスチームの中の水分子がデンプンの中にちょうどいい具合に入り込んでもちもち感になった。まさに焼きたての状態になると言って差し支えない」と山田博士。デンプンの粒・アミノペクチンは水蒸気の水分子を吸収すると、膨らんでノリのような粘り気のある状態に変化します。5分蒸すことで程よい量の水分子が吸収されもちもちの食感に(蒸す時にパンが蓋に当たると水滴がついてべちゃべちゃになってしまいます。詰めすぎには気をつけましょう)。

冷凍食パンに続いて冷凍ごはんを試すと、10分蒸して試食するとふっくらとした仕上がりに。さらに冷凍餃子も水分でもちもちになりました。せいろは、冷凍食材をおいしく温められることがわかりました。

せいろで朝ごはん・夜ごはん作り

さらに応用篇として、せいろで一人暮らし向けの朝ごはんを作っていきます。まずトマトを使ってトマトスープを作ります。くりぬいたトマトに塩と砂糖を2つまみずつ入れ、15分蒸していきます。

その間に、目玉蒸しの準備をしていきます。 オリーブオイルをたらして卵を落とし、味付けは塩こしょう。

そして15分後。一度せいろを開き、空いたスペースに、卵、りんごの切り身、冷凍パンを入れて5分蒸していきます。蒸しあがったらトマトをスプーンで崩し、こしょうをかけたらせいろで朝ごはんの完成!目玉蒸しも、5分で半熟の仕上がりになりました。りんごは砂糖で煮たような甘みを感じます。

続いて、せいろ三段を使って家族で食べられる夜ご飯を作っていきます。せいろは段を重ねても、蒸気が立ち上ることで全体にしっかりと熱が入ります。

まず一段目には切り干し大根を入れます。通常は水に20分ほどつけて戻す切り干し大根ですが、野菜や調味料と共に蒸すだけで、美味しく仕上がります。 

空いたスペースには切った豆腐を入れます。 

二段目にはお魚にニンニク、お酒、 オリーブオイルや他の食材を乗せます。

三段目は焼きそば。エビを調味料で漬けます。蒸す直前で、焼きそばの麺に調味料のみを回しかけます。

 

これらを10分蒸します。

10分後、蓋を開け 焼きそばの上にエビとニラをたっぷり乗せ、さらに5分蒸します。合計15分の蒸し時間で4品が完成!

白身魚は身が崩れることなくふっくら仕上がり、切り干し大根は、柔らかくなりしっかり味が入りました。せいろ一つあれば、様々な料理が簡単にできるのです。

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