放送内容

第1503回
2019.12.01
かがくの里・田舎暮らし の科学[収穫祭3] 場所・建物 水中の動物 自然・電波・鉱物・エネルギー

 5度目の収穫祭!所さんがかがくの里にやってきて、かがくの里のいろんな恵みを食べ尽くし、新たなチャレンジも始まりました。
 今回は、2年前から始めたウナギ養殖プロジェクト!かがくの里に新たな科学者をお呼びして謎の機械を使い、池でウナギを大捜索!実はウナギプロジェクトで事件が!?
 かがくの里大収穫祭ウナギ大捜索スペシャル!

「ウナギ養殖プロジェクト」が大ピンチ!?

 そもそも里で行っている「ウナギの養殖プロジェクト」の目的は、現在絶滅危惧種に指定されているニホンウナギの数を増やすために、自然環境に近いかがくの里のため池でウナギを育てれば、普通の養殖ではオスばかりになるウナギがオス・メス1対1になるのでは?という実験。
 去年の収穫祭。オスかメスかの判定では、1年をかけた養殖実験で、天然のウナギと同じほぼ1対1の割合でメスが見つかる素晴らしい結果に!つまり、里の池なら、メスが養殖できる可能性があるってこと!

 そこで今年の養殖プロジェクトでは、より大きい個体で放流。実験室で性が決まるギリギリまで大きく育てたウナギなら、鳥などに食べられるリスクも減り、生存率が上がるはず。
 そのため、池を半分に仕切り、研究室で1年かけて育てた、まだ性が決まっていないと思われる2年目ウナギ100匹と、今年捕まえた1年目ウナギ100匹を新たにウナギを里の池に放流しました。
 去年の放流したウナギの回収率は、100匹中29匹でおよそ3割。回収率が上がれば最終的に川に放流できる数も増やすことが出来ます。それから4ヵ月、ウナギはどれくらい育ったんでしょうか?
 けれど千葉先生、なんだか浮かない表情。実は、ウナギ養殖に、ある大問題が起きていたんです。
 今年10月、関東を中心に大きな被害をもたらした大型台風。かがくの里でも、池にかけていた橋が壊れ、ウナギがいる池のシートもぐちゃぐちゃに。

 台風の大雨で池の水が氾濫してしまいウナギがその水に乗って逃げてしまった可能性が。
 そこで数日後、千葉先生と阿部さんは、池の水を抜きウナギを捜索。
 すると、なんとか1匹、ウナギを発見!しかしまだ小さかったため千葉先生の実験室に持ち帰り、育てることに。
 逃げてしまったと思ったウナギですが、まだ池に残っているかも!そこで、里のウナギを捕まえるため、みんなで大捜索!

 池には、ウナギのエサとして去年放流したスジエビも。スジエビの寿命は1年なので、2世代目、里の池生まれ!さらに、絶滅危惧種に指定されている貴重なホンモロコ。ウナギプロジェクトの前に養殖していました。

 1kg約3000円で取引される高級魚でもあるホンモロコが、里のため池で、エサを全く与えていないのに、なんと3世代にわたって自然繁殖していたんです!千葉先生も、一度放流しただけで、毎年繁殖してくれるとは思っていなかったそう。
 そして、所さんが見つけたミズカマキリ。実は、ミズカマキリはカメムシの仲間。準絶滅危惧種に指定する地域もある貴重な水生昆虫。

 ウナギにとって、栄養豊富で住みやすい環境なのは間違いないようです。あとはウナギを見つけるだけですが、結局ウナギは見つからず。

科学の力でウナギ大捜索

 そこで、謎の機械を身につけ登場したのは、宇都宮大学、守山拓弥准教授。守山先生の専門は、「里山の生き物」。目がテンで、守山先生の研究を取り上げた時、使っていたのが、魚を生きて捕獲できる秘密兵器「エレクトロフィッシャー」。弱い電気を流して、水中の魚を感電させて動かなくさせるんです。このエレクトロフィッシャーなら隠れているウナギも捕まえられるはず!
 さっそく電気に反応して、ホンモロコが飛び跳ねました。けれど、その後もエレクトロフィッシャーで、捜索を続けましたが、結局ウナギは見つからず。

 川魚は大雨や台風で水が濁ると、よりいい環境を求めて移動する習性があるそう。やはり、里のため池が台風で濁り氾濫した時、ウナギたちが氾濫した水に乗って移動した可能性が高いといいます。
 ウナギ一筋55年の老舗、鮒与。この店の主人、高木嘉一さんに、オスメス判定後のウナギを焼いて貰おうとお呼びしたんですがウナギが見つからない想定外の事態。そこで今日は、変わりに大量に獲れたホンモロコを蒲焼きにしてもらうことに。ウナギに負けない高級食材のホンモロコを腹開き。味付けは、お店の創業当時から継ぎ足してきた秘伝のタレ。
 モロコを秘伝のタレに付け、後は焼くだけ。使うのはウナギを焼くために村田先生と間伐材で作った里の炭です。
 ウナギを焼いて、高木さんに炭の出来を判定してもらうはずでしたが、ホンモロコを焼いて、判定してもらいます。すると、「使ってみた感じでは大成功」とウナギ職人のお墨付き。

 かがくの里特製、ホンモロコ重。ウナギはいなかったけど、高木さんのおかげでみんな大満足!
 とはいえ、2年順調だったウナギプロジェクトの危機。千葉先生は「(池の)改修工事をして、改めてウナギのプロジェクトを再始動していきたいと思います。」と、不屈の精神で再始動!来年も続けます!

太陽熱温水シャワー実験でリベンジ!

 収穫祭の2日前。今年こそなんとか温水を出すために、川村先生が考え、設計し、酒井さんが新たに屋根に設置した新型の温水シャワー。

 けれど午前中の実験では、温度が上がらず大失敗。けれど川村先生と酒井さんは諦めていなかったんです。収穫祭の間、日を浴びて温まっているはず!屋根に設置した新型温水シャワー、泣きの再チャレンジ!
 そして、シャワーの温度を計ってみると36℃!初めに入れた水の温度はおよそ17℃。日の出から7時間、太陽熱で19℃も温度があがったんです。苦節4年、ついに太陽熱温水シャワー、大成功!

 色々あった収穫祭もいよいよ来週でフィナーレ!里でとれた貴重なニホンミツバチのハチミツ。みんなでおいしく頂いちゃいます!さらに、里山の達人!西野さんが秋のおいしすぎるアユでおもてなし!?お楽しみに!