放送内容

第1573回
2021.05.02
自然観察クイズ[後編] 総集編 植物 地上の動物 水中の動物

 暖かくなり、植物や生き物の息吹を感じられる季節が到来。自然の素晴らしさを深く知るためにはその姿をじっくり観察することが大切です。
 そこで今回は、2週に渡る“スペシャル企画!”の後編。これまで目がテンで観察してきた、様々な植物や生き物の映像を使い、クイズ形式にして対決しちゃいます!解答者は、所ジョージさん、酒井善史さん、桝太一アナウンサーの3人。
 今回の目がテンは、「自然観察クイズ 後編」です!

植物の定点撮影

 目がテンでは、定点観察などから、植物の力強い生態を見てきました。まずはかがくの里でも活躍したヒマワリから。英語で太陽の花、漢字でも太陽に向かうと書くヒマワリ。本当に太陽に向かって咲くのでしょうか?そこで、その様子を観察!

 朝5時から撮影スタート!しかし、太陽がいくら動いても、ヒマワリの花はピクリとも動きません。ところが花が咲く前のヒマワリを観察してみると、なんと、太陽の動きに合わせて東から西へ動いています!一体、どういうことなのでしょうか?
 その秘密はオーキシンという植物成長ホルモンにありました。オーキシンは茎の先端で作られそれが全体にいきわたりヒマワリは成長します。日のあたらない側で濃度が濃くなる性質があるため、日陰側はより成長します。その結果、常に太陽のいる方角に先端が向く様に動いて見えていたんです。このオーキシンは、蕾ができ、花が開く頃になると作られなくなり、太陽を追いかけるのを止めます。ヒマワリは成長過程で、葉が常に太陽の方を向き、効率的に日の光を浴びていたんです!

 続いては、眠るハスと書く睡蓮。

 名前の通りだと、眠る植物なのですが、それは本当なのか?ということで、定点で観察。ツボミの睡蓮の花が、朝になると咲き、そして夕方になると、花は閉じました。さらに観察を続けると、2日目も3日目も同じように朝に咲いて、夕方には閉じたんです!そして、3日目以降は水中に沈み、花が咲くことは2度とありませんでした。日中に花を咲かせ、夜になると閉じる睡蓮は文字どおり、まさしく眠る様な生態の植物でした。

 そんな睡蓮、花のカタチを良く見ると1日目と3日目では違うことが分かります。

 これは睡蓮の花が、その開閉時に形を変え自分のおしべの花粉がめしべにつかないようにする戦略だったんです。
 開花1日目の花の中心には甘い液体があり、これに他の睡蓮の花粉を付けた昆虫が引き寄せられ集まります。こうして虫が運んだ花粉と花の中心にあるめしべは受粉します。 このとき、おしべは成熟しておらず花粉は出していません。ところが2日目以降に花が開くときには、めしべを覆い隠し、今度はおしべが成熟して花粉を出す様になります。睡蓮はこうした変化で、1つの花の中のみで受粉することを防ぎ、虫の力で他の花へ花粉を運んで貰うことで、遺伝子のバリエーションを増やしていました。

 ではここで、植物の定点観察に関する問題です!
 観察したのは畑にある収穫直前のキャベツ。番組では収穫せずに観察。その結果、驚きの姿に成長したのですが、一体どのようになったでしょうか?

 正解は、真ん中から突き破るようにのびて「黄色い花が咲く」!

 キャベツはアブラナ科のなかまで、黄色い花を咲かせます。アブラナ科の野菜は他にも、白菜やブロッコリーなどがあり、これらも似た形の花を咲かせるんです!
 クイズに正解したのは所ジョージさんでした。

 ここでスタジオでは4つの花の写真の中からサクラを当てる早押しクイズ!
 サクラは 花びらの先が割れており、花柄が長いという特徴があるんです。登場したのは、モモ、サクラ(ソメイヨシノ)、ウメ、アーモンド。
 クイズに正解したのは酒井善史さんでした。

海の生き物の貴重な誕生シーン

 過去の目がテンでは、貴重な産卵、そして子育ての様子も観察してきました。今回は、その中でも海の生き物の貴重な誕生のシーンから。
 タツノオトシゴはオスが子を産む事はご存じでしょうか?まずは求愛行動。オスの身体が白くなりメスを追いかけ、メスもOKなら白くなりペアで上下運動を繰り返します。メスとオスのからだの構造での大きな違いは、オスがおなかに育児のうと呼ばれる袋があるということ。そこにメスが輸卵管を差し込んで、中に卵を産み付けます。

 このときに育児のう内で精子をかけて受精。その後、お腹の中でふ化し、オスのお腹は徐々に大きくなっていくのです。およそ3週間後、ついに出産!オスのお腹の中から一匹ずつ赤ちゃんが出てきます!体を揺らし、その勢いで子どもを飛び出させます。よく見ると生まれた子どもはすでにタツノオトシゴの形をしているのが分かります。外敵に食べられないよう動けるようになってから出てくることで生存率を高め、オスが出産をすることで、メスは体を休め次の産卵に備えることが出来るんです。

 つづいてはこれからが産卵シーズンのウミガメ。決死の産卵の様子も番組では撮影しました!ウミガメは浜にあがり、後ろ足で器用に砂を握って、穴を掘っていきます。左右の足を交互に使い、およそ60cm掘り進めていきます。
 上陸して1時間、ようやく産卵開始!一度におよそ120個の卵を産むといわれています。 そして、ウミガメが産み落とす卵。実は、オスかメスかを決定するのは卵がある深さ60cmの砂の温度が関係しているんです!29度未満ならオスが、30度以上の場合はメスのウミガメが、いちどに生まれます。その間の29度のときはオスとメスが同じ割合に!
 そして殻からかえった子ガメは自力で砂の上に這い上がり海へと向かっていくのです。

 それではここで、生まれたばかりのウミガメに関するクイズです!
 生まれた子ガメは、暗闇の中、迷うことなく海へ向かうのですが、視界がきかない状況で、一体どうやって海の方向を判断しているのでしょうか?

 正解は「子ガメは紫外線で海を判断している」!

 紫外線は昼も夜も空から降り注いでいるのですが、海の方が、紫外線を反射させるため、陸に比べて紫外線が多く見えます。子ガメは私たちが見ることの出来ない紫外線の量を認識することで、暗闇の中でも海の方向へ行けたのです!
 クイズは全員不正解でした。

フクロウの生態

 2021年かがくの里ではフクロウプロジェクトも動き出しています。そんなフクロウ、過去の目がテンでは夜の捕食シーンの撮影に成功していました。飛んできたフクロウは池の中をじっと見つめています。人間の目には池の様子は全く見えませんが、次の瞬間!暗闇の中、獲物をとらえました!

 それでは、最終問題!フクロウの体に関する特徴からクイズです!
 暗闇の中狩りをするフクロウ。獲物をみつけて、場所を正確に把握するのは、いくつかの能力で成り立っています。
 ひとつは目!実は、目が正面についていることで他の鳥に比べて両目で確認する範囲が広く、立体視が得意なんです。立体視が得意な反面、視野が狭いため、首がよく回ることで、視野を確保していると言われています。そして、大きな目で瞳孔を開くことで、暗い中でも少ない光をキャッチしているんです。
 そんなフクロウ、目の他にも耳にも秘密があります!耳のつき方にある大きな特徴があるのですが、その特徴とは一体何でしょうか?

 正解は「耳の位置が上下にずれている」!

 耳が上下にずれていることで、左右方向の理解にプラスして、上からくる音と下からくる音の聞き分けがしやすくなります。人間よりも正確に上下方向を理解することが出来るのです。フクロウのミミは上下にずれていることで獲物の位置をより正確に把握していたんです!
 クイズは全員不正解でした。

 そして、見事優勝したのは、所ジョージさんと桝太一アナウンサー。桝太一アナウンサーには、優勝賞品としてカムフラージュスーツがプレゼントされました。