展覧会紹介


メッセージ

さらば、特撮。

本企画展の極初期タイトル案には、センセーショナルに「さらば、特撮」と書いてありました。

その言葉に込めた想いは、単純な離別ではなく、
「ミニチュア主力の特撮映像を、一人でも多くのヒトの魂に伝える」ためであり、
「ミニチュア主力の特撮映像を、一人でも多くのヒトの心に遺す」ためであり、
「ミニチュア主力の特撮映像を、一人でも多くのヒトの技術に繋げる」ためです。
葬送を経た、再生への「祈り」の言葉でもありました。
そして、国でも地方自治体でも非営利団体でも民間でもいい。
現存するミニチュアや資料等を社会が文化遺産として整理保存してもらえるための、現実的な「願い」の言葉でもあります。

本企画展が「特撮」の素晴らしさを伝えるきっかけになり、映像文化として更なる進歩と継承に役立ってくれたら、幸いです。

何卒、御協力をよろしく御願いします。

庵野秀明

館長 庵野秀明(特撮ファン)

庵野秀明

1960年山口県出身。大阪芸術大学に在学中の1981年、大阪で開催されたSF大会「DAICON III」用のオープニングアニメで一躍注目を集める。その後、アマチュア映画集団「DAICON FILM」で多くの作品を手がけ、DAICON FILM版『帰ってきたウルトラマン マットアロー1号発進命令』では自ら主演、ミニチュア特撮技術を駆使し、総監督も務める。一方、TVアニメ『超時空要塞マクロス』(1982年)に原画マンとして参加。1984年には宮崎駿監督の『風の谷のナウシカ』でクライマックスの巨神兵の原画を担当。以後、数々の作品でエフェクトやメカ作画を手がける。
1988年、『トップをねらえ!』でアニメ監督デビュー。オタク心と特撮魂と壮大なSFドラマを一体化した演出で高い評価を得る。1990年『ふしぎの海のナディア』で初のTVシリーズ監督を担当(一部、樋口真嗣が監督)。1995年に『新世紀エヴァンゲリオン』を手がけ、1997年の『新世紀エヴァンゲリオン劇場版』とともに社会現象を巻き起こす。
1998年に映画『ラブ&ポップ』で実写映画を初監督。1999年TVアニメ『彼氏彼女の事情』と『ガメラ3 邪神<イリス>覚醒』のメイキングビデオ『GAMERA1999』、2000年スタジオカジノ(スタジオジブリの実写レーベル)第1回作品『式日』、2002年三鷹の森ジブリ美術館上映短編アニメ『空想の機械達の中の破壊の発明』、2004年実写映画『キューティーハニー』を監督。
現在は『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズの原作、脚本、総監督、エグゼクティブ・プロデューサーを担当。最新作『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』は2012年秋公開。

主な監督作品

■アニメ■
「トップをねらえ!」(1988年ビデオアニメ・監督)
「ふしぎの海のナディア」(1990年TVアニメ・総監督)
「新世紀エヴァンゲリオン」(1995年TVアニメ・監督)
「新世紀エヴァンゲリオン劇場版」(1997年劇場アニメ・総監督)
「彼氏彼女の事情」(1998年TVアニメ・監督)
「空想の機械達の中の破壊の発明」(2002年ジブリ美術館上演短編アニメ・監督)
「Re:キューティーハニー」(2004年アニメ・総監督)
「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」(2007年劇場アニメ・総監督)
「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」(2009年劇場アニメ・総監督)
■実写■
「ラブ&ポップ」(1998年劇場映画・監督)
「式日」(2000年劇場映画・脚本/監督)
「流星課長」(2002年ショートビデオ・監督)
「キューティーハニー」(2004年劇場映画・監督)
「巨神兵像」 竹谷隆之作 ©二馬力・G