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#228 救急搬送“緊急性なし”で料金

2024.12.02

12月2日から都道府県としては初めて
茨城県で始まったのが、こちら。

場合によっては
「救急車を利用すると料金がかかる」
というものです。

実際に、救急車を呼ぶ緊急性が認められれば
これまで通り、お金はかかりません。

一方で、緊急性が認められない場合は一部の大病院では
1100円から1万3200円を徴収するというものです。
これは大病院を紹介状なしに受診した場合にかかる
「選定療養費」です。

背景には、救急医療の現場がひっ迫するなかで、
本当に緊急性が高い患者に医療が行き届かなくなるという
危機感があるんです。

たとえば、私が夏に取材した東京消防庁のケースでは、
朝から絶え間なく通報が寄せられるなかで、こんな通報も…。

○指令員
「東京消防庁です。火事ですか、救急ですか」

○通報者
「具合が悪くて…」

○指令員
「住所教えてください」

○通報者
「○○4-8-13…4-8-1」

その住所を調べても…。 

○指令員
「○○さんの一軒家見つからなくて…」

○通報者
「もう切るよ」

○指令員
「切らないでください。
 場所わからないと救急車いけない」

○通報者
「だけど私も言っているのに通じないから(電話切れる)

指令員が折り返すと。

○通報者
「私いま病院に入っているから」

○指令員
「入院しているんですか?」

○通報者
「はい」

○指令員
「入院している人を救急車で運ぶことはできないですよ」

○櫻井
「今のだけでも3分~5分は要しているので、
 その間に取れる電話も
 いくつもあったように感じてしまいました」


このケースでは実際には救急出動はしませんでしたが、
こうした不要不急の電話が
本来の緊急通報の妨げになっているんです。

一方、総務省消防庁によると
こうしたケースで救急車が呼ばれたこともあったといいます。

・『蚊に刺されてかゆい』
・『海水浴に行って日焼けした足がヒリヒリする』
・『紙で指先を切った。血は止まっているが…』

(藤井)
こんなときでも出動しないとダメなんですか?

(櫻井) 
茨城県の場合は救急車の要請があれば原則、
救急隊は搬送を拒否することはできないというんです。

そのため、県内では2023年、救急搬送の件数が過去最多で、
6割以上が大病院に集中。
しかも半数近くが軽症の患者で
緊急性が低いケースもあったといいます。
そうなると緊急性の高い患者に医療を提供できず、
救える命が救えなくなる事態を懸念しているんです。

では、どんなときに料金がかかる可能性があるのか。


 
・軽い切り傷・軽い擦り傷のみ
・微熱(37.4℃以下)のみ
・打撲のみ
・便秘のみ
などは緊急性が認められず、
徴収の可能性があるといいます。

一方で、
・大量の出血を伴うけが
・突然の高熱
・転ぶ、転落、交通事故で強い衝撃を受けた
・突然の激しい腹痛
これらはごく一部の例ですが、
ためらわずに救急車を呼んでほしいとしています。

(藤井)
櫻井さんから説明があったように
本当に救急車が必要なときはためらわずに、
“受診控え”がないようにしてほしいですね。

(櫻井) 
もし救急車を呼んだ方がいいか迷ったときは、
電話で「♯7119」に相談することができます。
また、子どもの症状で判断に迷ったときは
「♯8000」に電話してください。

料金というよりは、
自分の、そして誰かの命を守るためにも、
救急車の適正利用をどうかお願いします。

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