この景色、一生忘れない、忘れるわけない!と思っている景色やできごとも、少しずつ記憶からは薄れて、鮮やかに頭に思い描けなくなってしまうのがとてもさみしい。
旅行が好きで、まとまった休みはもちろん週末だけでも、どこかに出かけることも多い。ゆったりのんびりも好きではあるものの、観光名所を回ったり、名物を食べ歩いたりするのもやはり良いもので‥ただ、その楽しかった、美しかったという鮮やかな記憶を、写真だけでなく頭にずっとはっきり残しておきたいのに、私は記憶するのが苦手なのだろうか、だんだんぼやけていってしまう。
そこで、特に旅行先では、なるべく全てを日記として残すことにした。できればノートに、時間がなければお布団の中でとりあえずスマホのメモに残す。そしてその日記を、家に帰ってからもたびたび、景色を頭に描きながら何度も読み返す。
いま開いているページに書いてあるのは、ある旅先の景色のすばらしさや、街で親切に道を教えてもらったことなどに加えて、フライドポテトが美味しかった、アイスクリームが美味しかった、パンが‥8割食べものの話だな。あとは昼寝したとか、暑かったとか‥でもそんなことが意外と、記憶を鮮やかにもち続けることに寄与してくれているようだ。日記にしてから、景色が少しずつ、濃いままになってきた!
もう少しで、日本のすべての都道府県への旅を完遂できそうで、その頃にはこの日記も2冊目になっているだろうか。日記の内容は、また名物ばかりだろうけど、旅の記憶はずっと頭の中に濃く鮮やかにいつづけてくれますように‥。