4月7日 梅澤廉

気がつけば1人暮らしを始めて12年経ちました。

会社で言えば中堅社員、干支で言えば一周。大学生の時に味わった一瞬の開放感も、時折込み上げていた寂しさもなくなり、

家事は年々効率的に、料理は日々レパートリーが増加中。

トイレ掃除も風呂カビ対策だってお手のもの、料理にアレンジも加えちゃって、もう何でもできるかも...

 

先日、そんな愚かな勘違いを打ち砕いたのは「トンカツ」でした。

衣の軽いサクサク感を残しながら、肉に火入れをしなければならない二律背反のミッションは、衣が固まる前に油から出したい欲望と、豚肉に火が通ってないのではないかという不安からくる葛藤の連続。

静寂の中、パチパチと油が跳ねる音だけが部屋に響く緊張感。

気が付けば額から汗が流れ、プレッシャーに腕は動かず、勝負所を間違えたトンカツは見事に褐色のザクザクポークに。

文字通り、全く歯が立ちませんでした。

 

失意の中、本物のトンカツが食べたくて向かった鹿児島県。

サクサクと軽いのに芳醇な衣、薄ピンク色のヒレ肉が顔を覗かせる姿はまさに職人芸。

プロフェッショナルの技と、自分の慢心に気付かされました。

会社員10年目を迎えたこの春、

1人で出来ないことがまだ沢山ある事を受け入れながら、更に挑戦を続けられたらと思います。

 

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