「面!」「胴!」「小手!」 「スネ!」
娘を育てて12年。
ダンスやチアリーディング、水鳥や野鳥など、彼女がハマる趣味の世界に一緒に浸り、
新しい世界を見せてもらってきた。
そして今年、また新たな扉を開いた。
それは「薙刀(なぎなた)」。
平安時代に登場した柄の長い武器で、「長い刀で相手をなぎ倒す」武道だ。
約7年前、漫画「あさひなぐ」が映画化され 脚光を浴びた。
また今年日テレに入社した新人アナウンサー瀧口麻衣さんはなぎなたのインターハイチャンピオン!
その為、自己紹介時に度々話題にされる。
ダンスや水泳をある程度習得した娘と、何か武道に取り組んでみようと区の体験会に参加。
そこで娘はなぎなたに一目惚れした。
娘を引率してきた私も、なぎなたを握り稽古に取り組むことに。
道場には、小学3年生から80代まで幅広い年齢層が集まっている。
指導してくださる先生方は、日本でも数少ない「教士」や「範士」の称号を持つ方々だ。
直接指導を受けられるのは驚きである。
3月には基本動作を覚えた娘が、6月の東京都大会に出場し3位に。
そして8月には全日本錬成大会に出場し、あの「日本武道館」で試合を行った。
信じられないが、これが出来てしまうのも「なぎなた」の魅力である。
競技人口は多くないが、道を極めようとする子どもたちの真剣な眼差し
そして試合レベルの高さに驚かされた。
武道館で1戦1戦を食い入るように見ていると、いつの間にか実況していた自分がいた。
特になぎなたは、離れた距離からでも足の「スネ」を打つことが出来、
間合いを詰めないと打てない剣道と比べ、一発逆転できる魅力もある。
だからこそ、間合い、仕掛け、応じ、息遣い、一瞬のスキも見せられない真剣勝負が繰り広げられる。
なんと美しい武道なのだろう!
自らも「なぎなた」を持って稽古にはげんでいるが、やればやるほど深い武道だと気付かされる。
このエッセイを書いている今も、娘は稽古に行っている。
毎回新しい世界を見せてくれる娘にも、ありがとう!