9月26日 藤田大介

「面!」「胴!」「小手!」 「スネ!」

娘を育てて12年。

ダンスやチアリーディング、水鳥や野鳥など、彼女がハマる趣味の世界に一緒に浸り、

新しい世界を見せてもらってきた。

そして今年、また新たな扉を開いた。

 

それは「薙刀(なぎなた)」。

 

平安時代に登場した柄の長い武器で、「長い刀で相手をなぎ倒す」武道だ。
約7年前、漫画「あさひなぐ」が映画化され 脚光を浴びた。

また今年日テレに入社した新人アナウンサー瀧口麻衣さんはなぎなたのインターハイチャンピオン!

その為、自己紹介時に度々話題にされる。

 

ダンスや水泳をある程度習得した娘と、何か武道に取り組んでみようと区の体験会に参加。

そこで娘はなぎなたに一目惚れした。

娘を引率してきた私も、なぎなたを握り稽古に取り組むことに。

道場には、小学3年生から80代まで幅広い年齢層が集まっている。

指導してくださる先生方は、日本でも数少ない「教士」や「範士」の称号を持つ方々だ。

直接指導を受けられるのは驚きである。

 

3月には基本動作を覚えた娘が、6月の東京都大会に出場し3位に。

そして8月には全日本錬成大会に出場し、あの「日本武道館」で試合を行った。

信じられないが、これが出来てしまうのも「なぎなた」の魅力である。

 

競技人口は多くないが、道を極めようとする子どもたちの真剣な眼差し

そして試合レベルの高さに驚かされた。

武道館で1戦1戦を食い入るように見ていると、いつの間にか実況していた自分がいた。

特になぎなたは、離れた距離からでも足の「スネ」を打つことが出来、

間合いを詰めないと打てない剣道と比べ、一発逆転できる魅力もある。

だからこそ、間合い、仕掛け、応じ、息遣い、一瞬のスキも見せられない真剣勝負が繰り広げられる。

なんと美しい武道なのだろう!

 

自らも「なぎなた」を持って稽古にはげんでいるが、やればやるほど深い武道だと気付かされる。

このエッセイを書いている今も、娘は稽古に行っている。

毎回新しい世界を見せてくれる娘にも、ありがとう!