8月14日 中野謙吾

今年43歳。

厄年も終わった。

そして父親になって18年。周りのお父さん達と比べると若い時に父親になった方だなと思う。

思い返せば25歳の冬。初めての高校サッカー実況の前日。まだ仕事も半人前。夫としても半人前、自分自身が大人になりきれていない時に父親になった。

正直生まれるまでは不安の方が大きかった。しかし小さな紅葉の様な真っ赤な手を見て「ああ、この子を守らなきゃ」と心に誓った事を今でもはっきり覚えている。

時間が経つのはあまりにも早い。

 

ハイハイを飛び越して歩いた娘

ママよりもパパと先に言った娘

パパからお父さんに言い方を変えた娘

やりたい事が見つからないと泣いた娘

病気が見つかって、それに立ち向かった娘

親の事を気遣えるようになった娘

 

娘はもうすぐ18歳になる。大人の仲間入りを果たす。嘘みたいに時間が早くて少し寂しい。

 

今も昔も寂しがり屋の父

今も昔もずっと騒いでいる父

今も昔も娘が心配でしょうがない父

今も昔も娘が近くにいると思っている父

 

43歳になった私は今も昔もあまり変わっていないのかもしれない。

でもきっと娘は立派な大人の女性になり私のもとから巣立っていく。あの小さな紅葉のような真っ赤な手は、優しく温かみのある手に成長した。その手を引いていつかバージンロードを歩く日が来る事が今から楽しみで、そして少し寂しい。