10月24日 森富美

この一年のあいだに加わった趣味は、ブックカフェ通い。

本と飲み物を楽しめる、読書のためのカフェです。

書店に併設されていて新刊本を席で読めるお店もあれば、

様々なテーマのもと選ばれた少し古い本や希少本との出会いがあるお店もあります。

日帰り温泉で、湯上がりに読書を楽しめる施設も。

 

東京駅から電車とバスで約2時間かかる街にも、2ヶ月に一度は通っています。

他のブックカフェに比べてもとりわけ静かで、置いてある本が「私のために選んでくれたの?」と思うくらい好み。

いわゆる大手出版社のものだけでなく、ここに来なければ知らなかった本に何冊出会えたことでしょう。

販売はしていないので、東京に戻ってから書店で取り寄せを頼むこともしばしば。

 

ただ、一冊、

新品取り寄せはもちろん、ネット古書店でも「品切れ」表示にしかならない本があります。

編集者、装丁、校閲、印刷、取次など、

本を作り、届ける仕事をされている人たちの想いが綴られている本。

内容はもちろん、表紙デザインも、紙の質も、フォントも、手にした時の重みまで、

「ああ、いいなあ」としみじみ感じられる本なんです。

 

地元の図書館にもなくて、

その本を私が手に取れるのは、2時間の小旅行先だけ。

もう3回読みましたが、また、ともに時間を過ごしたくて東京駅に向かいます。

 

次は、紅葉のきれいな時期に。

棚に並ぶ本は毎回少しずつ入れ替わっていますが、

あの本、また待っていてくれるかなあ。