工房日誌

♯1 城島の夢シゲコプター2010/02/07

今年40歳という人生の節目を迎える城島には、どうしても叶えたい夢があった。
それは、自らの手で夢の道具 タケコプターを作り、沖縄南端部『新城島』をひとっ飛びしたいというもの。
自作の航空機を製作されている武鹿さんによると、タケコプターを作るには、軽量で高出力の動力、2枚のプロペラ、その2枚のプロペラを逆方向に回転させる歯車が必要であるという。
まずは、城島茂のタケコプター=略してシゲコプターに使う動力を求め、名古屋テレビ塔に訪れた達也。
最大16人を乗せ、毎分60mの速さで上昇するエレベーターのインダクションモーターに目を付けた。
しかし、17馬力と強力なパワーを誇るが、200kgと重すぎるためシゲコプターの動力には適さなかった。
続いて、三重県のカート場を訪れた達也。
そこで、軽量なレーシングカートを、時速100kmにも達するスピードで走らせる事が出来るエンジンを発見。このイタリア製の汎用エンジンは、モーターパラグライダーなどにも使用される強力なエンジンで38馬力、重量22.8kgと軽量で高出力。
見事、シゲコプターに相応しい動力を手に入れた。
一方、プロペラの材料となる木を探して、岐阜県の木材市場に訪れた城島。
そこで出会った職人さんのアドバイスを得て、硬く、かつ加工しやすいというサクラの原木を入手。水分を多く含む木材は、乾燥する際に形が変化して「曲がり」や「狂い」が起こる。そのため、専門用語で「刺身」と呼ばれる「狂いが最も少なく」「木材に適した」部分を原木から切り出し、プロペラを削りだす。
「ちょっと待って!」
早速削りだそうとした城島に、職人さんが教えてくれた、更なる知恵。それは、「積層」と呼ばれる技術。
いったん板状に切り出した木材を、専用の接着剤で張り合わせる事により、さらに「狂い」を小さくする事ができるという匠の技。積層が終わったサクラの材木は、城島自身が、ノコギリやノミで削り、ヤスリで磨き、プロペラを完成させる。
その頃、2枚のプロペラを逆方向に回転させるために、「傘歯車」を使うことにした達也。
これは、自動車の「ディファレンシャル」にも使われている歯車で、1つの動力から、右回り/左回りと2方向の異なった回転を伝える事が出来る機構。
傘歯車を作るため、訪れたのは三重県の歯車工場。
その素材は、ブランク材と呼ばれる鉄のかたまり。
それを「歯車型削り盤」を使って、削りだす。
先端に付いた「ベベルカッター」という三角状の刃でおよそ2時間かけ、削っていき、仕上げに錆止めを施して完成。これで、動力、プロペラ、歯車と必要な部品を揃える事が出来た。
必要な部品が揃ったシゲコプター。
部品を組み立て形になった所で、まずは、不具合の有無を確かめる試運転。
カウントダウンの合図で、エンジンが始動。
見事、歯車が2枚のプロペラに動力を伝え、2方向の異なった回転を生みだす事が出来た。さらに、回転による強風で、周囲の物を吹き飛ばすほどの威力を発揮!
無事、試運転をクリアしたシゲコプター。
次回、いよいよフライトなるか!?

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