工房日誌

♯4 シゲコプター・ファイナル2010/11/21

“40歳を前に大空へ羽ばたきたい”と城島が作り始めた 城島版タケコプター・シゲコプター。始動から10か月、 不惑までのタイムリミットが迫っていた。 前回、サクラ材から削りだした可変ピッチプロペラで改良版シゲコプターが完成し、フライトへの期待が高まった! シゲコプター自体の性能はすでに充分だが… 武鹿さん「これからはパイロットの技術が必要」 つまり、城島のパイロットとしての技量が問われることになる。
タイムリミット33日前、城島は武鹿さんのもとを訪れていた。 エンジンの回転数を上げていくテスト中のこと。 エンジンの回転数が6000を超えたとき、シゲコプターの後方だけが、 浮き上がってしまった。 原因は、機体が浮ける風。シゲコプターは重心が高く、思った以上に、横風に対して不安定であることが判明。 そこで、突風に備えて、安全に操縦できる機体安定装置を作ることに。 高さを上げることもできる、一辺4mの立方体の枠を組み、 シゲコプターと連結するバーは、左右に動くスライド式。 上から邪魔をせず支える形で、機体を安定して離陸させる。
あとはパイロット城島に全てがかかる。 タイムリミットまで27日。 操縦感覚をつかむべく、密かに飛行訓練を重ねていた。 徐々に操縦に慣れてきた、残り22日、 重大な問題が発生。浮こうとしたところで機体が前傾してしまう。 理由は、自らの体重移動で機体を傾け、バランスをとる シゲコプターの操縦方法にあった。 ならばと、さらなる訓練を繰り返す。 不惑まで残り18日、残り15日…。 1度も成功することなく、不惑まで7日となった。
タイムリミット差し迫る中、城島は、リハビリやスポーツ選手の トレーニングも行う、大阪のフィットネスクラブ『元気創造センター』を訪れる。 そこにある、NASAのトレーニングマシンをもとに開発した器械、 スペースカールで、自らのバランス感覚を養うことが目的。 自由に回転する3連のリングに、足もとだけを固定し、体重移動で 重心をコントロールすることで、体幹筋を鍛えると共に、 バランスも改善される。 乗り込んだ城島は、普通に立っているつもりでも 体は徐々に前に倒れ、リングが回転。 重心が安定していれば、リングは回らないため、 つまりは前重心ということになる。 シゲコプターの操縦で、前に倒れていたのはそれが原因。 練習開始から1時間、やっと、思い通りに重心位置をコントロール。 これで、バランス感覚はつかめたか?
いよいよフライトの日。決戦の地は、茨城県・竜ヶ崎飛行場。 機体安定装置が組まれ、その中に、達也、武鹿さんによって 最終調整されたシゲコプターをセッティング。 そこに、訓練を重ねてきたパイロット城島が乗り込む。 達也が機体安全装置を連結させ、補助スタッフも配置に着いた。 準備は整い、シゲコプターの大敵である風がやむ、そのときを待つ。 そして、一瞬風がおさまったタイミングを逃さず、エンジン始動! 城島「シゲコプター!空へ、GO!!」 スロットルを一気に絞り、猛烈な風と揚力が発生する! エンジンの回転数が、6500を超えたそのとき… シゲコプターが、ついに浮いた!! ちょっとだけ… 高度21cm、17秒の飛行。 40歳を前に空を飛んだ…とも言えなくはない。 城島「これで終わったわけではありません。“DASH for the Dream”」 男の空への夢は果てない…。
こぼれ話 『発射台』
手作りロケットの『DUCKET』を製作したときの経験から、達也が製作したシゲコプターの発射台。
空高く舞いあがるシゲコプターの離陸方向を初めだけ矯正するガイドの役割を担うはずだった。
足下には、フライトの成功を祈る達也から、城島へのメッセージ。
シゲコプターは見事に空へ“飛び出す”、とまではならなかったが、ここにも城島をサポートし続けた、達也の思いが垣間見える。

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