2011年10月 3日 13:29
いよいよ本日で展覧会も終了です。
皆さん、もう会場へは足を運んでいただけましたでしょうか
ハナがつづってきた、モントリオール出張レポートも
今日で最後です。
取材班が最後の日。
音楽を担当したノルマン・ロジェさん、
撮影監督のジャン・ロビヤールさんのインタビューを
お願いしていました。
ノルマン・ロジェさんは、とてもハンサム
インタビューの間もゆったりと時間が流れるような
穏やかな方でした。
お部屋もむちゃくちゃオシャレでした~
あらゆるところに楽器がオブジェとして飾られていて、
なるほど、これが音楽家のお家なのか~ と終始見とれてしまいました!
その後、撮影監督のジャン・ロビヤールさんのところへ。
バックさんの原画を並べ、テレビカメラの前で再現してくださいました。
ロビヤールさんもこれまたステキな男性 (嗚呼、ハナはイケメンに囲まれて幸せだなぁ)
シートを見ながら、バックさんの原画をどのように撮影していったのか、
再現し教えてくださいました。
バックさんの指示は細かく、何と根気のいる作業でしょうか。
ロビヤールさんに、「またバックさんの作品をやるとしたら?」と聞くと、
「もう、彼は僕にはお願いしてこないでしょう。(それほど大変な作業だったか
ら)」とのこと。
「木を植えた男」のシート(原画をどのように重ねていくかを指示するもの)です。
ひし形のように見えるのは、カメラの絞りを指示しています。
これでスーッと消えたり現れたりを繰り返して、
フワフワした動きを表現するのだとか。
バックさんに聞くと、
「映像はすべて頭に浮かんで想像できています。」
だそうです。スゴイ
場所を移して、展示チームと合流。
ラジオ・カナダでアニメーションの原画を選ぶ作業しています。
真剣に作業する展示チームのみなさん
バックさんは、アセテート紙と呼ばれる、
半透明で表はツルツル、裏は少しザラザラとしたものを使います。
やわらかいタッチを取り入れた作品には、
パステルや色鉛筆などがのりやすい、アセテート紙の裏側を
利用して描いたそうです。
とても珍しい手法で、バックさんオリジナルです。
日本では昔、ツルツルの透明セルに動画を転写し、
裏から絵具で色をつけていました。
原画を再確認するバックさん。それにしても、すごい量でした!
これを一人で描いたなんて (おったまげます)
バックさんの仕事場はたくさんのパステルや色鉛筆、
ガッシュなどの道具でいっぱいです。
今もここで、イラストを描くことを続けています。
色とりどりですね !
わずかな滞在でしたが、
私たちはバックさんの一つ一つの丁寧な手仕事を
目の当たりにし、それはまるで「木を植えた男」の主人公、
ブフィエがそこにいるようでした。
↓ 高畑監督がこの展示に寄せたメッセージの一部です
「バックさんはつねに、自然と人間の営みのあり方を見つめ、
それがどうあるべきかについて考え、文明の行き過ぎには警鐘を鳴らし、
根本のところからメッセージを発し続けてこられました。
私たちは、そして次代を担う子どもたちは、そこからじつに多くを
学ぶことが出来るはずです。」
そして87歳の今もなお、バックさんはそれを継続し続けています。
もっともっとバックさんとの時間を共有したかったのですが・・・
お別れの時間はすぐです。
日本に戻り、より多くの方々にこのフレデリック・バック作品に
触れていただけることが楽しみで、ワクワクして、ドキドキして。
飛行機から見えたキレイな雲の上の空を眺めていました。