世紀初頭に隆盛を誇った新古典主義は、ナポレオンの失脚の後、その主導者ダヴィッドがベルギーに亡命し、急速に勢いを失わざるを得ませんでした。その後退を食い止め、再興させたのがアングルでした。ダヴィッドの新古典主義的絵画が厳格、現実的で男性的であったとすれば、アングルのそれは、師の様式を基本的に踏襲しつつも、優美、空想的で女性的な要素を取り込んだ斬新さがありました。アングルは型にはまりがちであった新古典主義に、ロマン主義との格闘の中で得られた新しき息吹を吹き込むことによって、それを再生させたのです。 |
アングル 《スフィンクスの謎を解くオイディプス》
©Photo RMN‐R. G. Ojeda
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