第32回 ズボラママのサバイバル日記 「3足目のわらじ」

雪子(報道局)

「仕事」と「子育て」の2足のわらじを履いて6年目のこの秋、
3足目のわらじを履くことになりました。親の「介護」です。
85歳の父は闘病中の上、認知症も始まったため、
先日、私と同じマンションの別室に引っ越してもらったのです。


2つの部屋を行ったり来たりする生活が始まりました。
仕事の前後に両親の部屋に行き、父を着替えさせて、トイレにつれていき...
食事作りも2家族分に倍増です(汗)


そんな私を見ていた息子(年長・6歳)に、変化が起きました。
何度言い聞かせてもやりたがらなかった「お片付け」を、
自分から進んでやるようになったのです。


また、ある夜、ちょうど息子を寝かしつけている時、
母に呼ばれ、行かねばならなくなってしまいました。
主人は、まだ帰ってきません。


布団にもぐりこんだ息子を見ると、明るい笑顔で
「だいじょうぶだよ。ぼく、ひとりで寝られるよ」。
私は内心、...いつもママのおっぱいを触らないと眠れないのに...と
不安になりましたが、やむにやまれず、彼をひとりおいて、両親の部屋へ走りました。


1時間後、家に戻って寝室を見ると、すーすーと穏やかな寝息。
初めてひとりで寝られたんだ...そう思った時、
彼の手に、ウルトラマンティガの人形が握られているのに気がつきました。

ウルトラマンと寝るティガたて写真.jpg


私が家を出る時には、なかった人形です。
きっと、私が出て行った後、不安になり、人形を取りに行ったのでしょう。
暗い家に、ひとりで...寂しかっただろうな...。


翌朝、息子に、きのうはありがとう、と言うと、
「ママが頑張っているのに、いつも僕だけ何にも役に立たないから」。


息子の言葉に胸がズキンとし、
「あなたは、いてくれるだけで、ママの幸せのモトなんだよ」と
小さな体を思いっきり、ぎゅうと抱きしめました。


子供って、親が思う以上に、いろいろな事を感じているものですね。
サバイバル度が増しているのは、大人の事情。
ちっちゃな心に負担をかけ過ぎないよう、もっと心を配らなくちゃ。
そんな思いを強くした、出来事でした。