グードモウニング・ベトナム!確かに、ベトナムの朝は早い。イヤ、早すぎます。朝というより、夜中の3時半頃には、名物のバイクがぶいーん、ぴーぴー、ババババアーン、と、けたたましく走り回り、ロケに疲れた我々を容赦なく、叩き起こしてくれます。夜明けの頃にはそこに自動車も混じり、もはや寝てなどいられません!それでなくとも、早朝出発の日々なのに! そんな私たちの心の支えはロケ最終日の夜、ここホーチミンを後にし、ハノイでの二ッコーホテルの一夜でした。熱いシャワー、日本食、涼しい部屋、広いベッド。ここまで頑張れば!と、歯を食い縛っていたのです。
そしていよいよ移動の日、あの忌まわしい事件が起こったのです。灼熱の太陽のもと、車で5時間の移動そして高温多湿のロケ、もはや体力の限界!?いやいや、ハノイが待っているではないか!力を振り絞り、なんとかクリア!数時間後のホテルを夢見て、前日に10時間もの車移動をこなして合流してきたプロデューサーの宮木氏、初日から苦労を共にしてきた作家の内田氏、そして私の三人は、体を引きずるようにして車に乗り込んだのです。空港まで5時間、飛行機で2時間、もろもろ入れても、8・9時間でハノイ。三人が、あと少しと気を取り直した正にその時、ベトナム人が運転するこの車の、我々の命の綱の、エ・ア・コ・ンが…壊れた。一気に車内は気温上昇。クーラーの壊れた車は正に走るフライパン、空港まで、まだ4時間、無口な宮木氏、眠るしかない内田氏、しゃべりまくる私、なんとか空港に着く頃、車はてんぷら鍋と化していました。
でも、ハノイに着けば…と倒れ込むように機内に。三人は口々に、「後、2時間。2時間すれば…。」と呪文のようにくりかえしていました。そして、いよいよ、ハノイ上空。ぼろぞうきんのような我々3人を乗せた飛行機は、着陸体制をとり、何故か、ひたすら旋回を繰り返していました。やがて、胸騒ぎの押さえ切れない私たち三人の汗臭い耳に機内放送が、聞こえてきたのです。「ハノイ空港は只今激しすぎる雨の為、着陸不可能です。ひき返します。」と。……。
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その後飛行機はダナンという都市に到着。そこで矢野さんたちを待ち受けたホテルは…。
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