検 索 無料配信 番組表

所さんの目がテン!

毎週日曜あさ7時放送!!

「かがくの里」11回目の大収穫祭 昆虫の呼吸法に迫る&里のミツバチを救う秘策とは?【2024/11/10 所さんの目がテン!】

2024.11.25 公開

11回目となる毎年恒例、秋の「かがくの里」大収穫祭。11月10日(日)日本テレビ「所さんの目がテン!」では、Tokyo Bug Boysが昆虫の呼吸法を紹介。さらに、オオスズメバチに襲われた里のミツバチを救う秘策とは?

水生昆虫の様々な呼吸法

まずTokyo Bug Boysの平井文彦さんと法師人響さんと株式会社地球工作所の斉藤秀生さんが登場し、昆虫プロジェクトの発表会。今回発表するのは、昆虫の呼吸法についてです。

水生昆虫は水の中でどうやって呼吸しているのでしょうか?忍者のように管を使って呼吸するものや、ダイバーのように空気を運んで潜水するものもいます。近年、絶滅が危惧されている種を含め、かがくの里に数多くいる水生昆虫。水の中の呼吸のスゴ技をTokyo Bug Boysが紹介していきます。

まずはタイコウチから。タイコウチの体長は3cmから3.5cmあり、水田や小川など浅い水場に生息しています。お尻から伸びた特徴的な長い管。水に潜ったタイコウチは呼吸管の先端を水面に出して外から空気を取り入れます。

タイコウチのエサは水底にいることが多いオタマジャクシなどで、忍者の「すいとんの術」のように、水中で長時間エサを待ち伏せします。

絶滅危惧Ⅱ類(VU)で、日本最大級の水生昆虫・タガメもお尻の呼吸菅を水面に出して空気を取り入れています。

また、タイコウチという名前は、エサを捕まえる時の前脚の動きが太鼓のような動きをすることから名付けられたといいます。さらに、よく見ると体の表面にコケが生えています。コケについて法師人さんは「日当たりのいいところにいたりすると勝手に生えてくるんですよ」と解説。

続いてゲンゴロウの仲間。呼吸の方法がタイコウチと似ており、お尻を水面につけて翅とお腹の間に空気を挟み込むように保持するといいます。

ゲンゴロウの仲間の映像を見てみると、泳ぎ出すと確かにお尻を水面から出しています。水面に出したお尻から空気を取り込み、翅と背中の間にある気室と呼ばれる空間に貯めます。そして、背中に並ぶ気門という穴から貯めた空気を吸って呼吸しています。

特徴は「お尻の先に泡をつける」ことと平井さん。気室に貯めた空気をお尻から出して、風船のような泡の膜を作ります。泡の中に体から二酸化炭素が出ていき、泡の膜を通って水中に溶け出します。それと入れ替わるように、水中にある酸素が膜に溶け込んできて体内に取りこまれていきます。

つまり水中でもある程度呼吸できるため、水面に出て空気を取り込む回数が少なくてすみ、水中に約1時間も潜り続けることができるのです。このスゴ技を使い、エサとなるヤゴやオタマジャクシを長時間、時には深く潜って捕食しています。

マツモムシの呼吸法も独特で、長い後脚をオールのように使って泳ぎます。「お尻が水面に出ていますけども、それだけでなく取り込んだ空気をどこに溜め込むかというと、細かい毛がたくさん生えているのでここの毛が空気をひっかけるんです」と法師人さんが解説。

浅い池や沼などに生息するマツモムシは、先ほどのゲンゴロウがお尻に空気の膜を作っていたのに対し、マツモムシは体表にびっしり生えた毛があり、表面張力で体表に空気の膜を作ります。そして体毛の下にある気門から排出された二酸化炭素は体表の空気の膜を通って水中に溶け出し、水中から新たな酸素が膜を通って溶け込んでくるので、長時間、水に潜ったままでいられるのです。

空気の反射により銀色に見える背中。これは「羽は黒くて黄色い模様があるんですけども、水中で見ると空気を抱えているから銀色に見える」(斉藤先生)という理由。

独特の呼吸法に、隈さんは「こういう考え方で空調機とかを作ったらすごい空調機になりそう」と建築家ならではの感想を話しました。

オオスズメバチにやられたミツバチを救う策

続いてはミツバチの専門家・玉川大学 学術研究所 所長 小野正人教授にも来ていただき、ミツバチ養蜂プロジェクトについて紹介。

小野先生は、今年8月、世界82の国や地域から4000人以上が集まり京都国際会館で開催された昆虫学会のオリンピックとも言われる国際昆虫学会議で議長も務めました。

巣箱を見るととても厳重な見た目になっています。何があったのかと聞くと、かがくの里専任プレゼンター・阿部健一が「オオスズメバチにやられまして」と話します。今年は、6つあったかがくの里のミツバチの巣箱が、オオスズメバチにやられ4つに減ってしまったのです。そのための対策を行なったということでした。

やられた2つのうちの一つが裏山の巣箱。オオスズメバチの襲撃に気づいたのは、収穫祭5日前のことでした。

「失敗したよ。この間まではなんでもなかった」と村の達人・西野茂さんも話します。西野さんと様子を見に行ったところ、巣箱の入口に張った金網がオオスズメバチに噛み切られており、巣箱の中を確認してみると、オオスズメバチの襲撃でミツバチは巣を放棄。1匹もいませんでした。

阿部が「1回そこに来たらオオスズメバチは集まってくる習性が?」と小野先生に聞くと「彼らは匂いを使っています。フェロモン」とのこと。オオスズメバチはフェロモンで仲間を呼び、集中攻撃するといいます。

集中攻撃されていた巣箱の中の様子を確認してみると、巣にたくさんいたミツバチは西野さんによると半分ほどに減っていました。

そこで巣箱を守る対策を行うことに。巣箱全体がすっぽり入る木枠を手作りし、ネットで全体を覆います。網目は、ミツバチは通れて、オオスズメバチは通れないサイズです。

これでオオスズメバチが巣箱に近づくことはできず、かつ巣の中のミツバチが網を出入りできることも観察で確認できました。小野先生は「最悪の状態になる前に助けることができました」と話します。

今年は例年よりもオオスズメバチが増えた可能性があるということです。さらに「この時期になるとスズメバチの巣も大きくなるんです」と小野先生。秋になってくると野山の虫も減るため、幼虫がいる蜂の巣を攻撃するのが効率がいいため襲われてしまったといいます。

ミツバチにとってオオスズメバチは天敵。そのため巣に閉じこもり外に出なくなるそう。「そうすると籠城しなければいけなくなるんですよ。すると花粉も集めなくなるので、冬越しをするためのハチミツを使わなければいけない」と小野先生。つまり、この巣箱のハチミツは籠城したミツバチが食べて減っているそうです。

なので今年は、オオスズメバチに襲われ放棄された巣箱に残っていたハチミツをいただくことになりました。

巣板には大量のハチミツが残っていました。その味に、所は「果実の味がする」、隈さんも「フルーツのジャム食べてるみたい」との感想に。ミツバチが花の蜜を集めたハチミツから果実の風味がするのはなぜなのでしょうか?

ミツバチは数字の8を描くような動きをする、8の字ダンスといわれるダンスで蜜のある場所を示します。蜜を見つけたハチは、太陽の方向と蜜があった場所を記憶して巣に帰ります。距離と方角の情報がこの8の字ダンスの中に組み込まれているといいます。

8の字ダンスはかなり正確に蜜のある場所を示しており、撮影されたダンスでは重力に対して右方向に30度の傾きで進んでいます。これは太陽から右に30度の方角に花畑があるということで、おしりを震わせる時間の長さで距離を示します。震わせる時間が長ければ花畑は遠く、短ければ近くなります。

撮影されたものの中で、震わせていた時間は約1秒。震わせる時間と距離を表したグラフでは、1秒を距離に換算すると300mから350mとなります。つまりこの場合、太陽を基準に右に30度の方角、300〜350m離れた場所に花畑があると伝えていたのです。

そして今回試食したハチミツの成分を小野先生に調べてもらったところ、ミツバチたちが吸ったのはおそらく複数の花の蜜。その中に、リンゴやブドウなどの果物から発せられる成分と同じものがいくつか検出されました。これがフルーツジャムのような風味の理由だと考えられるそうです。

ここで隈さんと所は一休み。休憩室ではいつもかがくの里のお手伝いをしてくださっている地域の協力者・中野可奈子さんが今年も綺麗な飾り付けをしてくれました。

そこに調理科学の専門家・東洋大学 食環境科学部 食環境科学科 露久保美夏准教授が登場。かがくの里で実ったミカンとハチミツを使ったジュースと、鶴首カボチャとさつまいも・べにはるかのチップスを作ってくれました。

ミカンジュースは朝、所が畑で食べたまだ青いミカンと、先程ミツバチの巣箱から採ったハチミツをミキサーにかけてジュースに。隈さんは「(ミカンの)皮がうまい!」と感動。

そして、朝収穫したべにはるかと、かがくの里でとれた鶴首カボチャをスライスして油で揚げたシンプルなチップスにも「塩も何もかけなくてこんなに甘味があるなんて」と隈さんは感動の様子でした。

この記事を
シェアする

TVer 視聴ランキング(日テレ)

2025年4月22日 時点

※TVer内の画面表示と異なる場合があります。

おすすめ記事
©Nippon Television Network Corporation