コロナで苦境のカメラマン「オンライン写真展」が盛況
新型コロナウイルスによる外出自粛ムードが続くなか、カメラマンの仕事も激減しているといいます。そんな苦境を打開しようと、カメラマン7人による「オンライン写真展」が開催されました。
5月の週末、1日限定で開催されたオンライン写真展“おうちで旅時間”。 出展者の一人、江本秀幸さん(47)はカメラマンになって28年目のベテランです。北海道と東京を拠点にプロスポーツ写真の撮影、イベント撮影、スタジオ撮影、新聞・雑誌の写真撮影など幅広く活動しています。
江本さんは、カメラマンの苦境をこう語ります。
「スポーツやイベントが軒並み中止になったことでカメラマンの売り上げは半分以下になりました。私は良いほうで、収入が0になったカメラマンもいます。大分追い込まれていて、東日本大震災の時より厳しいと感じています」
江本さんはオンライン写真展を主催した会社から長年仕事を請け負っていて、その縁から参加することになりました。
オンライン写真展は、ビデオ会議システム「Zoom」を使って進行。7人のカメラマンが、各自割り当てられた“部屋(ルーム)”の中で作品を“展示”します。写真を披露する際に解説を入れたり、参加者の質問に答えたり、音楽にのせてスライドショー形式にしたりと進行方法はそれぞれ。
この時期、旅に出ることが難しいことから写真展のテーマは「旅」に。参加目標はトータルで200人でしたが、それを上回る258人が集まるなど好評を博しました。客の出入りは自由で時間は11時から16時まで。
江本さんのテーマは「海外コンサート」。伝統的な和楽器をアレンジして演奏するバンド「ひのき屋」の世界ツアーに同行した際の写真、約150点をパソコンの画面上に“展示”しました。
(大雨に見舞われながらもシャッターを切った。オンライン写真展では撮影時のエピソードと共に披露)
ボスニアでは突然の大雨でカメラが壊れてしまったり、フランスの円形劇場では演奏中に停電してしまったりと撮影時のエピソードも交え披露。バンドの演奏にのせて写真をスライドさせたりもしました。
同写真展では他に、伊豆諸島の式根島を撮影した渡辺啓太さんの作品やラスベガスの夜景を撮影した荻島怜さんの作品などが公開されました。
主催したフォトクリエイトは約1800人のカメラマンと契約を結び学校行事やイベントなどの写真を提供する会社。外出自粛の影響で多くのカメラマンが仕事を失うなか、今後もこのような場を提供していきたいと言います。
江本さんは「気持ちまで自粛してしまうので、こういった発表の場に参加できることはありがたいです。今後につなげていける」と話していました。
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