3月2日 一次予選(ステージB)

緊張の一次予選。いよいよ調理が始まるというその時、「あ…トースターの天板を家に忘れて来ましたぁ~」と、特に慌てる様子もなくつぶやいた菅田さん。幸い急遽用意したグリルの網が、ピッタリサイズで事なきを得ましたが、このシーンに菅田さんのキャラクター、そして強運さが集約されていたのかもしれません。

作る料理は、「薬味で楽しむ、フワッとハンバーグのパリッときつねバーガー」。鶏ひき肉のハンバーグを、なんと油揚げをハンバーガーのバンズのように使って挟んで頂くという斬新なアイデア!その油揚げにチーズを置いてこんがり焼くのに活躍したのがトースターでした。もし天板の代わりが見つからなかったら、菅田さん、どうしていたんでしょう??

何はともあれ、そのアイデア、そしてしょうがの薬味の効いたパンチのある美味しさが審査員の心をつかみ、見事一次予選を突破した菅田さん。ここから「忘れん坊母さん」の快進撃が始まりました。

6月1日 二次予選

二次予選に登場した菅田さんは、髪をショートにしてガラリとイメージチェンジ!「元々ショートだったんですけど、子供が切らないでというので伸ばしてただけなんですぅ~。」とニコニコ。

しかしこの二次予選は、笑ってはいられない最も過酷と言われるグループ審査。3人が同時に調理し、最高得点だった1人しか最終予選に進むことができません。抽選の結果、菅田さんの第4組は、優れた調理技術を持つベテラン主婦と味付け上手な若手主婦という強敵揃い。ですが菅田さんには一次予選同様「斬新なアイデアレシピ」という武器がありました。

「黒酢香るカリカリポークの彩りサラダ・ガーリックのりバターソース、サングリアみたいなジンジャーエールを添えて」。なんと、しゃぶしゃぶ用の豚ロース肉とチーズをフライパンに広げて、こんがり焼いてピザのようにし、そこに黒酢和えの野菜を挟んで頂くという、見たことも聞いたこともないようなお料理。実はこのレシピ、小さな応援団長・長男の晴飛くんの野菜嫌いを克服するために考案したものでした。自宅では晴飛くんが「美味しい」とモリモリ食べてくれ、菅田さんは「息子に勝ったんです!」と自信満々。制限時間1秒前に完成というヒヤヒヤする場面もありましたが、試食した審査員たちは、晴飛くん同様「美味しい」を連発。過酷なグループ審査を堂々と勝ち上がったのでした。

7月6日 最終予選

最終予選は1vs1の対決勝負。抽選の結果、菅田さんが対戦することになったのは、一次予選から一貫して「子供が喜ぶ料理」で勝ち進んで来た日比野紀子さん。しかし菅田さんも、子供を喜ばせることでは負けられません。この大事な一戦の勝負レシピは、「3種の香味で味わう夏野菜と丸ごとトマトの冷やし汁パスタ~トマトの1口デザートと一緒に~」

冷製のスープパスタですが、真ん中にのせられた湯剝きのトマトを割ると、なんと中からえびやベーコン、沢山の野菜が出てくる、まるで宝箱を開けるようなワクワク感がいっぱいの一品。審査員はそのアイデアと美味しさを大絶賛。しかし「料理上手な人じゃないと再現できないかもしれない。」という厳しい意見も飛び出しました。簡単さが重要なファクターのこの大会、気になる評価です。一方の日比野さんは、家庭料理らしさや簡単さが高く評価され、菅田さんピンチ!!しかし結果は菅田さんの勝利!嬉しくて飛び回る晴飛くん。確かに改良点も指摘されましたが、それ以上に菅田さんの発想力が、この上なくハイレベルなことが証明された瞬間でした。いよいよファイナリストとなった菅田さん。溢れる発想力を武器に頂上決戦に挑みます。

8月10日 ファイナルステージ

たった1日で準決勝から決勝までの3試合を戦う、過酷なファイナルステージの朝を迎えました。応募者2568人の頂点を決めるこの舞台に立ったのは、寺居裕香さん、野口友美さん、水谷早百合さん、米井美穂さん、そして菅田さんの5人。それぞれの家族、応援団の声援が渦巻く中、誰が女王になってもおかしくない、実力者揃いの熾烈な戦いが繰り広げられました。

【準々決勝】

5人の中から成績下位の2人が一度に脱落する準々決勝は、あらかじめテーマ食材として「鶏もも肉」を使うことが決められていました。5人はこの1か月試行錯誤して完成させた、簡単で新しい鶏もも肉料理を披露。他の4人がそれぞれ、蒸し鶏・チキンソテー・スープ・から揚げのアレンジレシピを考案してきたのに対し、菅田さんのレシピは「炊飯器で簡単おかず鶏スープ~ネギザーサイのそうめんとともに~」。なんと炊飯器を使って、あの参鶏湯を家庭で作ってしまうというものでした。お店でしか食べられないと思っていた参鶏湯をまさか?しかも炊飯器?驚きと期待で会場中が見つめる中、菅田さんは本当にたった30分で参鶏湯を完成させてしまったのです。菅田さんならではの斬新なこのアイデアは、十分に鶏や野菜のうま味も引出し、その味と発想に審査員はただただ感動。見事、上位3人に入る成績を叩き出し、準決勝進出を決めたのでした。

【準決勝】

準決勝のテーマは「丼」。菅田さん、寺居さん、米井さんの3人が、決勝進出をかけて全力でぶつかり合いました!

菅田さんのレシピは、「生姜お好みソースでいただく我が家の豚平丼・即席もずく酢のお吸い物添え」。関西の「とん平焼き」(生地が卵のお好み焼きのような料理)をご飯にのせて丼にするという、またまた奇想天外な料理で挑みました。しかしそこには、美味しくて大好きなとん平焼きを、どうしたらもっと美味しくできるか?と菅田さんが試行錯誤し、しかし楽しみながら考えた研究成果が表れていました。お好み焼きソースを白だしと合わせた和風餡を作り、それをかけることで、一見相交わらなさそうなとん平焼きとご飯を見事に調和させたのです。菅田さんのアイデアは、ただ驚きを提供するだけでなく、もっと美味しくしたい!という自然な欲求を満たす努力の結晶だと気づかされた準決勝でした。結果は見事、決勝進出!いよいよ女王の座をかけた、最後の勝負に挑みます!

【決勝】

決勝戦は寺居裕香さんとの一騎打ち。東京のフランス料理店で10年修行をした経験を持つ「技の寺居さん」が、菅田さんの前に立ちはだかります。決勝の料理テーマは「フリー」。つまり予選と同様、その人の最も得意とする料理で雌雄を決することになりました。菅田さんが最も得意とするのは、もちろんアイデア料理。特に毎日料理を作る主婦が「楽(らく)に」「楽しく」作れるアイデアを追究してきた菅田さん。最後の勝負に選んだのは、なんとコンロを一切使わずトースターだけで作れるレシピ、「大きなアボカドハンバーグ・レモンの風味のサラダごはんを添えて」でした。家族皆の大好きなハンバーグがもっと美味しくなるように。長男・晴飛くんがちょっと苦手な食材(アボカド)を美味しく食べられるように。そして全国の主婦が少しでも楽に楽しく作れるように。いくつもの、でも明確な目標を持って考えだされた菅田さんの究極レシピです。

順調に調理は進み、見事トースターで美味しいハンバーグが完成。すると「できました」と終了宣言した瞬間、菅田さんの目からは涙が溢れ出しました。長い長い戦いを最後までやり切った達成感。それを見た長男・晴飛くんは思わず立ち上がり、大きな声で「おつかれさまー!」。晴飛くんもお母さんと一緒に戦っていたんですね。

そしていよいよ結果発表!上重アナが声高らかに菅田さんの名前をコール!第4代レシピの女王は、菅田奈海さんに決定しました。忘れん坊で冗談が大好き、料理も楽をするのが大好き、そんなごく普通のお母さん女王が誕生したのです!

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