ルノワール+ルノワール展
画家の父、映画監督の息子、2人の巨匠が日本初共演
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印象派を代表する画家ピエール=オーギュスト・ルノワールと、彼の息子であり、偉大な映画監督であるジャン・ルノワール。「ルノワール+ルノワール展」は、歴史に名を残した二人の巨匠に焦点をあて、父の絵画と息子の映画を同時に紹介します。
画家ルノワールは、ジャンをはじめ、家族の肖像を好んで描きました。そしてジャンは、生涯を通じて偉大な父の影響を受け続け、その映画には、父が表現しようとした自然や生きる喜びが溢れています。本展では、「家族の肖像」「モデル」「自然」「娯楽と社会生活」と4つの章にわけて、二人の作品を展示します。同じテーマで絵画と映画の抜粋を対比させることで、親子間の確かな関係に光を当て、巨匠と呼ばれる表現者二人の根底に流れる共通性を明らかにしていきます。
本展は、2005年パリで開催され大きな反響を呼んだ展覧会を、オルセー美術館の総合監修のもとお届けするものです。油彩約50点のうち、オルセー美術館からは、日本初公開作品を含む約15点が出品されます。絵画に加え、息子ジャンの映画の抜粋約15点で構成される本展が、言葉に出来ない父と子の深いつながりや、家族のあり方について改めて考える機会となれば幸いです。
オルセー美術館 館長 セルジュ・ルモワンヌ
このたび、「ルノワール+ルノワール展」と題された、日本では全く新しいタイプの展覧会を、日本テレビ放送網株式会社とともに主催できることを、オルセー美術館として大変喜ばしく思っております。
本展は、印象派の画家ピエール=オーギュスト・ルノワール(1841-1919)と、その息子でありフランスの最も偉大な映画監督のひとりであるジャン(1894-1979)に対する2重の崇敬の念を表明するものです。そしてまた、この高名な芸術家ファミリーの他のメンバー、とりわけジャンのふたりの兄弟、俳優のピエール(1885-1952)と陶芸家のクロード(1901-1969)も取り上げます。
我々は画家ルノワールと映画監督ジャン・ルノワールに共通するテーマを扱いたいと考えました。つまり、自画像と家族の肖像、モデルの表現の仕方、自然からの影響、そして彼らの共通の嗜好―大画面の構図や、特にパリの日常的な光景―などです。父の絵画と、息子の映画の関係性を明らかにするために本展では、ルノワールの絵画とジャンの映画を並列して展観し、これらの共通するさまざまなテーマを紹介します。
この新しいコンセプトの展覧会は、彼らの親子関係や思考の一致という側面から、絵画と映画の間に存在する無数の関連性のひとつを浮かび上がらせてくれます。絵画と映画の関係は、今日では多様な分野における研究対象にもなっていますが、19世紀末から20世紀初頭にかけての芸術について、我々の理解を深めてくれるものと言えるでしょう。