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ラグビーワールドカップ2023

9月8日(金)〜10月28日(土)開催

現地チームが合宿で使用したホテルを取材 アスリートの合宿にはもってこいの場所【“日本ラグビー界の鉄人”大野均さんと巡る現地取材記】

2023.09.14 公開

ラグビーワールドカップ2023フランスが9月8日(現地時間)に開幕しました。開幕を前に、開催地フランスを旅したのは“日本ラグビー界の鉄人”元日本代表の大野均さん(現在は東芝ブレイブルーパス東京・普及担当)です。

大野さんとともにフランスを巡り取材を共にしてきたスタッフが、現地での模様をお届けします。7日目の様子をご紹介。

■7日目

朝7時、トゥールーズから車で2時間ほど移動して、オット・ピレネー県のルドンヴィエルにやってきた。
今までまわった場所は観光客でにぎわっている場所が多かったが、ここは大自然に囲まれた静かな場所だ。
まず向かったのは、この日宿泊するホテル『メルキュール・ペラグード・ルドンヴィエイユ』。このホテルはトゥールーズでも紹介した地元のラグビーチーム スタッド・トゥールーザンが合宿で使用したホテルだという。
というのも、ホテルの徒歩圏内には、室内プールや温泉、スポーツジムだけでなく、ラグビー場までそろっている。
標高の高い山も多いので、高地トレーニングをすることもできて、アスリートが合宿するにはもってこいの場所だ。

せっかくなのでラグビー場に案内してもらう。
ラグビー場に着くと、大野さんが何かを発見。
「芝を整備しているように見えますけど」と言って近づいていく。
自動芝刈り機のようだ。
「しっかりいい長さで刈ってますよ」と実際に刈られた場所を触って確認し「芝は機械が整備してくれるし、温泉やジムも整っているし、間違いなくご飯もおいしいだろうから合宿するのに最高ですね。練習後にはみんなでお酒を飲めばチームビルディングにもなる」と、ここで合宿することを想像しながらラグビー場をあとにした。

宿泊先のまわりを1時間ほど散歩してランチをすませ、また車に乗り込む。
車は細い山道をどんどん進み、ネウヴィエユ自然保護区へ向かった。
到着すると、目の前に広がるのは壮大な山々ときれいな湖。
あまりの美しさに息をのむほどだ。大野さんも「ずっと見ていられますね」と言い写真や動画を撮影し続ける。
湖に着くと、「地元福島県の猪苗代湖に似ている、奥に磐梯山があって、ここは猪苗代湖のスモールバージョンみたいな感じですね。贅沢ですけど」と幼い頃によく見た懐かしい景色を思い出しながらゆっくりとした時間を過ごした。

車に戻り、さらに標高の高い場所へ。
到着すると、放牧されたヒツジが悠々自適に過ごしている。その奥には、先ほど見た湖よりも大きな湖が見える。ここには、泳いでいる人やピクニックをしている人などがいる。そんな姿を見ていると、大野さんが近づいてきた。「湖の中に花が咲いてますよ!」
大野さんに案内され、その場所へ向かうと、確かに水中に黄色い花が咲いている。
これは、フランス語で金のボタン(ブトンドール)と呼ばれるキンポウゲという花だという。

そんな不思議な光景を撮影していると、大野さんがまたしても違う花を見つける。
「アカツメクサ、ちょっと甘いんですよ」
なんでも、大野さんの実家は酪農を営んでいたそうで、飼育していた牛が食べる草にこのアカツメクサが入っていたんだそう。
「この花が入っていると牛が好んで食べるんですよ、きっと甘いんでしょうね」と言いながら、ずっとアカツメクサを吸っている。
ところで大野さんはなぜこんなに花に詳しいのだろうか。そんな疑問がわいてきたので、聞いてみると「母親が花を好きで趣味で育てている花があったので。詳しくはないけれど、見るのは好きなんです。」とイメージと違う一面を見て驚いた。
確かに、旅の中で花を撮影する姿は度々目撃していた。それは、なんとなく撮影していたわけではなく、花が好きで撮影していたのだろう。旅の中で新たな一面を見せてくれる。大野さんの新たな一面を見るたびに本当に素敵な人だなと感じるばかりだ。

大自然を堪能し、この日は住民が集まる店で夕食をいただくことに。

店に到着すると、テーブルにはすでに食事が用意されていた。チーズや生ハム、そしていろいろなフォアグラ。それ以外にもたくさんの食事が用意されている。中でも気になったのは、クリスマスツリーのような形をした洋菓子。
これは、ガトーア・ラ・ブロッシュというお菓子で、バスク地方やここピレネーの山奥で作られている伝統菓子なんだという。

味はバームクーヘンにとても似ているが、食感はサクサクとしていてとても食べやすい。食事を楽しんでいると、偶然居合わせた人たちが何度も声をかけてきた。
「ピレネーにはこんな素敵な場所があるよ、この食べ物はこんな食べ方もできるんだ」などいろいろと教えてくれる。
その際に必ずといっていいほど、その背景にある歴史や意味などを話してくれるのだ。きっとこれは、ここに住む人たちが自分たちの地に誇りを持ち郷土愛があるからなのだろう。
日が暮れてくると、1人の男性がギターを持ち、その人を囲みだした。
なにが始まるのだろうかと思っていると、みんなで歌い始めた。
10時を過ぎているのに大丈夫なのだろうかと思っていると、歌声に誘われたのかその後何人もの人がどこからともなく合流し、いつの間にか大合唱になっていた。

その歌声に聞き入っていると、近くにいた老夫婦が、「これは私たちからの贈り物よ、素敵な思い出になればいいわ」と優しい笑顔で声を掛けてくれた。

その言葉通り、この日の歌声は私の中で素敵な思い出として残るだろう。

<協力>
・フランス観光開発機構
・オクシタニー地方観光局
・オット・ピレネー県観光局
・東芝ブレイブルーパス東京

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